サイト運用の課題とその解決策 ─ 今サイト運用の現場で起きていること ─参加レポート #fortunasem

Publish2017/07/24(月)

Update2018/10/08(月)

サイト運用の課題とその解決策 ─ 今サイト運用の現場で起きていること ─参加レポート #fortunasem

2017年7月22日(土) に日本研修センター十三で行われた「サイト運用の課題とその解決策 ─ 今サイト運用の現場で起きていること ─」に参加してきました。
今回のセミナーは、「SEO検索エンジン最適化」の運営者で、日本で最初のSEO解説書の著者の住太陽さんが講師のサイト運用に関するセミナーでした。
サイト運用は僕にとってのメインの事業でもありますし、最も力を注いでいる分野でもありますので、「参加しない」という選択肢はありません。
開催されることを知った瞬間に申し込みをしたくらい楽しみにしていたセミナーでしたが、実際に参加してやはりすごく良かったと感じました。
参加して得られることも、気付かされることも多く、非常に満足度の高いセミナーでしたので、その一部をレポートとして残しておきます。
なお、今回もTwitterのハッシュタグをまとめておりますので、当日の雰囲気を感じたい方はまずこちらをご確認ください。
サイト運用の課題とその解決策 ─ 今サイト運用の現場で起きていること ─ まとめ #fortunasem

  1. 運用方針
  2. クエリの種類
  3. RankBrainとSEO
  4. CV最適化
  5. 説得型LPの構造
  6. 質疑応答
  7. まとめ

運用方針

まず最初のセクションは「運用方針がブレないようにすること」の大切さについてのセクションです。
まずサイトの方向性を大きく分けて「わかるサイト」と「売れるサイト」として分類し、それぞれにあった形で運用することが大切という話でした。
「わかるサイト」で成功する施策や運用を「売れるサイト」で行っても効果が出ない理由などをわかりやすく説明してもらいました。
ここはサイト運用の基本的な部分なので、すごく共感できる内容でしたし、「方向性を定めて、ブレないように」というのは僕も常日頃から心がけている部分ですので、改めてこういう形で同じ思いを聞くことができてよかったと思っています。
途中住さんがおっしゃられていた「SEO情報に惑わされない」とかは本当にその通りで、何事にも万能な手法はありませんし、情報を鵜呑みにするのは危険です。
自分の頭で考えて、咀嚼してから判断すべきことだなと思います。
このセクションでのポイントは

  • 問題に気付く
  • 解決のための知識を身につける
  • 解決に役立つ商品を選ぶ

という3点でした。
今回のセミナーでは、こんな形でそれぞれを論理的に説明されていたので、非常にわかりやすく、納得できる内容にまとめられていたのも印象的でした。

クエリの種類

次のセクションではクエリの種類について。
ここは改めて書くまでもないと思うんですが、検索クエリにはそれぞれ種類があります。
それぞれの名前も今は覚えておくほうがいいと住さんもおっしゃられていたので書いておきます。

  • インフォメーシャルクエリ
  • ナビゲーショナルクエリ
  • トランザクショナルクエリ

それぞれの詳しい説明は省略しますが、今回で使用されていたスライドのインフォメーシャルクエリが85%、ナビゲーショナルクエリが10%、トランザクショナルクエリが5%というデータがありました。
ただ、このデータが10年前のものらしく、現在とは異なるということでした。
データも「時間の経過」や「ライフスタイルの変化」によって変化していくものなので、このデータはあくまで過去の参考程度と考えておくほうがよさそうです。
セミナー中にもおっしゃられていましたが、移動時に目的地を地図で検索したりといったことは過去にはできないことでしたので、その他いろいろなことを考えると現在は大きく割合が変わってきていると思われます。
現在の動向をもとに仮説を立ててみるのも面白そうかと思いました。
できれば検索エンジンのベンダー側から利用状況のデータなどが公開されると助かりますが、それも難しいのかなと思ったりもして、やきもきしますね。

RankBrainとSEO

次のセクションはRankBrainとSEOについて。
まず、普段Webのこと、検索エンジンのことをそこまで注意してみていないとまず聞かないと思いますので、RankBrainについて説明しておきます。
RankBrainは、Googleが名づけた機械学習を用いた人工知能システム(AI)のことで、検索結果の処理に用いられている手法のことです。
RankBrainのこと自体もGoogleが発表していることなので、今後はGoogleはクローラーとアルゴリズムを用いた検索結果を提供するというだけでなく、AIによって判断された情報が検索結果に反映されていくよいうように考えるとわかりやすいと思います。
実際にRankBrainがどのように影響するのかを住さんが説明してくださった訳ですが、基本的には「検索意図に対するユーザーの満足度を判定する」ということをAIが行っていくということでした。
例えば、

  • クリック率が高い
  • 検索結果に戻ってこない(直帰率が低い)
  • 口コミの数と質を判断する
  • 複数デバイスでの確実な動作とユーザー体験

といったあたりが判断されるだろうということでした。
あと、このセクションではトランザクショナルクエリの場合の判断の場合は

  • トランザクションに至ったか?
  • 成約率が競合サイトと比較して高いか
  • 運営者は信頼されているか
  • レスポンスとレイアウト

が評価に関係している ということも聞いて納得できる話だなーとうんうん頷いて聞いていました。
今起こっている実例として複数のキーワードでの検索結果画面を表示し、RankBrainがすでに実用化されているという説明は非常にわかりやすかったです。
そして、AIによって「評価」「売上」「知名度」がSEOに影響するということは今後の流れを考える上で外せない考え方になるなと確信しました。
現状、最優先で行うのは「セグメント内でのCVの最大化」だなと思います。
余談として話されていたことも面白くて、アフィキーワードの場合の話も面白い内容でした。
アフィキーワードの場合は、自社で対応するのではなく、アフィリエイターに依頼するというのも一つの方法というのも面白いなと思います。
また、ここでは話されていなかったことですが、実際にAIが評価する「口コミでの利用者の評価の指標の具体例」というのは、それこそサイトによっておかれている状況は違うと思うので「どこに」注力するのかを判断するのは運営側の手腕が問われるところだなと思います。
運営者の評価もされるということだったので、最近無料SSLが増えてきていることも、RankBrainへの対応策として有効なんじゃないかなとか、住さんの話を聞いていてとりとめなくいろいろなことを考えてしまいました。

CV最適化

RankBrainのセクションの後、休憩を挟んでCV最適化の話を聞きました。
ここでの前提は「売れないものを売る話ではない」ということが重要です。
セッション中にもおっしゃていましたが、「アフィリエイターに評価されない商品が一般に評価されるはずもない」わけで、まずはその商品自体が売れる要素を持っていることはやはり大前提として必要ですので、そこをカバーするための話ではないというのはすごく大切な前提条件だと思います。
売れるサイトの場合は、「運用=広告」という話から始まり、運用型広告について、サイト運用の基本はCVの最適化ということをお話しいただきました。
具体的には、

  • ターゲッティング
  • クリエイティブ
  • LP

の3つを同時に動かしていき、最適化させていくことが運用の肝だということもすごく納得できる話でした。
「誰を」「どう誘って」「どう売るか」ということを考え、連続性をもたせて最適化していくというフローも実際にその流れで成果を上げてきている住さんの言葉なので説得力が違いました。
やはりきちんと結果を残している人の言葉は重いですね。口だけで結果が残せていない人がいうのとは重みが違います。
また、考え方として

  • LP起点に誰をどう誘うか
  • 誰に売るのかを起点に、そう誘ってどう売るか

というように考え方の軸をずらして考えることも大切だなと改めて思いました。
このお話を聞いて、最近ちょっと考え方が偏ってたんじゃないかなと思ったので、もっと柔軟に考えるようにしないといけないなと感じました。

説得型LPの構造

最後のセクションは「説得型LPの構造」についてのお話です。
説得の定義として、「相手が納得して行動を起こすための働きかけ」という意味を先に定義されていました。
僕が感じたのは、ここで大切なのは「納得して」という部分で、ここがあるから行動に至ると思っているので、これは心に刺さりました。
そして、「わかりやすく」「魅力的」なのは当たり前の話であって、そこからいかに「相手の心を動かすことができるか」というのも非常に納得できました。
内容の話では、伝えることと順番が大事で

  • 興味を引き、集中力を高めていく
  • 注意喚起から行動喚起までの順番
  • 一定の型があるので、型に沿う

というポイントがあるということです。
このセクションでは、個人的に今回のセクションで個人的にメインのキーワードと思っている「集中力」の話がありました。
「集中力」という考え方はすごくわかりやすい言葉ですが、それだけに説明がすごくしっくりきます。
利用シーンや利用動向を考えると、「集中力」という言葉で色々と説明がつきますし、使うシーンに合わせて行動喚起を作る場所や方法なども変わってくるので、「集中力」を起点に考えると非常にシンプルで分かりやすいロジックが作れそうだなと思ったので、今後の方法の重要な一つの方向性として「集中力」を置くことにしました。
このセクションでは住さんオススメの4つの型も紹介してもらいました。
詳しい内容は聞いてないとわかりませんので説明は省きます。
以下個人的メモです。

  • バズる記事型
  • セールストーク型
  • プレゼン型
  • セールスレター型

バズる記事型[PAS]

Problem 問題の定義。自分ごとに。
Agitate 問題の深刻さを煽る
Solution 解決策を示す
自分ごとにすることで集中力を高める。
頭の中を問題でいっぱいにさせる。

セールストーク型[PCAS]

Problem 問題の定義。自分ごとに。
Caouse 問題の原因を説明
Amplify さらに詳しく
Solution 解決策を示す
決断に時間がかかるものなどに有効。
即CVしないものに向いている。

プレゼン型[PCAN]

Problem 問題の定義。自分ごとに。
Caouse 問題の原因を説明
Answer 解決策
Net Benefits 優位性
窓口担当が樹脂に説得しやすい。
そのまま使えばOKな形。

セールスレター型[QUEST]

Queality 問題定義・自分ごと
Understand 共感する
Educate 啓発する
Stimulate 興奮させる。問題解消後を想像させる
Transition 変化させる。最後の一押し。背中を押す。
これらの方のポイントとしては、「自分ごと」として考えてもらうことで、集中力を高め離脱を防ぎ引き込みます。
問題の状況、今後の予想などで集中力を高め、心の中をその問題でいっぱいにし、解決策、解決できる理由を提示し解決できることで安心感を出します。
その後の明るい未来を想像させ購買意欲を高めるという流れかなと自己解釈しました。
あと、本編の最後におっしゃっていたことにすごく同意したんですが、お客さんが「文章を書けない」場合は「文章でなく箇条書きでいい」というのはまさにその通りだと思っています。
僕の場合もそのようにお客さんに話していますし、さらに言えばPCで入力するのが難しいのであればスマホで写真撮ってLINEで送ってもらっても大丈夫とも言っています。
文章に対する苦手意識がある場合は、制作側・運用側が思っているよりもそのハードルは高いので、「どのような形でもいいのでコンテンツの元となるもの」を作るというのはすごく大切だと思っています。
そこは別にどのような手段でもいいと思っていて、一番抵抗なく取り組みる形でやってもらうのが一番です。
こっちがその方法に合わせればいいだけの話ですので。
セミナーの話から少しそれたので、この話はここまで。

質疑応答

セミナーは一旦このセクションで終了し、最後に質疑応答コーナーがありました。
その中で気になったことも残しておきます。
ここは参加している人でないとわからないと思いますので、ポイントだけを箇条書きにします。

  • 盛り付けをインスタ映えするようにすることで、口コミを促す
  • ソーシャル上でのファンを増やすことは、間接的にSEO面に影響するくらいの考えでいいのではないか
  • キーワードのみで目標に到達できないケースももちろん存在する
  • キーワードで顕在化しないものには、写真が有効
  • 1ページの優位性。複数ページだと集中力が持たない。
  • 縦スクロールとクリック/タップでのページ遷移では難易度のレベルが大きく違う

まとめ

今回のセミナーのまとめとしては

  • 売れるサイトは広告を使ってトランザクショナルクエリを押さえ、それを起点にサイクルを回す
  • トランザクションを多くつくる。セグメント内での一番をめざす{ex:地域1番店}
  • 広告クリック前からCVまで「集中力を切らさない」
  • ターゲッティング、クリエイティブ、LPをセットで改善し続けるのがCV最適化

という内容でした。
たぶん僕の文章ではこのセミナーの満足度は伝わらないんじゃないかなと思っているんですが、実際に話を聞いてみてすごく満足感の高い、分かりやすく構成された素晴らしいセミナーでした。
運用のことをテーマにしたセミナーということはもちろんですが、参加して非常にモチベーションが上がりましたし、自分が今やっていることと同じことを他の方もされているということを聞くと安心もしますしやる気もあがりますね。
当日は灼熱の暑さで、行きの時点でかなり体力を削られた感もありましたが、セミナーが始まってからはそんなことも吹き飛ぶくらい集中して話を聞くことができました。
とても素晴らしいセミナーだったので、また開催されたら行きたいところですが、次回の予定はないそうなので、今回のセミナーを心に刻んでこれからの仕事のレベルを上げてやろうと思っています。
とても素晴らしいお話を聞かせていただいた住さん、このセミナーを企画・運営していただいたフォルトゥナの坂本さん、スタッフの皆さん、参加しておられた皆さんありがとうございました!

記事の著者:ふにすでぐち

ふにすでぐち

1978年生まれ。企業のWeb活用をテーマに、Web運用を中心とした戦略的な企画立案、サポートやホームページ/Webサイトの構築などを行っています。
5年間のWeb制作会社勤務後、2年間のフリーランスで「フニス」として活動後に法人化し、2012年7月「ふにす株式会社」を設立。
Web運用の情報や考え方などを発信するブログ「ふにろぐ」を定期的に更新し、情報配信をしています。
また、Googleアナリティクス認定資格を取得しているので、アクセス解析を用いた分析などの手法でお客様のホームページの成功をサポートしています。
本社のある大阪府高槻市で「ふにすWeb相談所」を開設し、
地域の方々に気軽にWebのことを相談できる場所として、より多くのWeb運用の問題解決をするために活動しています。
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