Webにおける身内ノリとはどういうことなのかを考えてみた。
Publish2016/06/10(金)
Update2021/02/26(金)
先日お客さんと打ち合わせの前に世間話をしていたんですけど、その時に話していた内容が「知らないコミュニティに入っていけるかどうか?」という内容でした。
僕はビールさえ飲めればある程度どんな人とでも楽しく時間を過ごすことができる人なので、知らない人が多いコミュニティも比較的参加できる方ではあるんですが(ビールがあることは大前提です)、そういうのは苦手と言う人も多いのが事実です。
初参加の人をドン引きさせる身内ノリ
苦手に感じる理由を考えると、一番大きな理由が身内ノリにあります。
そのコミュニティがすでにある程度出来上がっていて、身内ノリがひどくて初見の人はドン引きとかの場合、ほとんどの人がそのコミュニティに二度と参加しようと思わなくなるわけです。
これは当然ですよね。
参加しても話しかけてくるでもなくずっとぼっちで、しかも周りは自分たちだけで盛り上がれる話題で固まって盛り上がっているところを見せられるだけの空間が楽しいものなはずがありません。
「こういうのってよくないよね」とみんな知っているはずなのに、なぜか身内ノリは無くならないどころか、できてから時間が経てば経つほどより強い身内ノリに発展していきます。
それがコミュニティにとってクリティカルな問題なはずなのに。
この辺はコミュニティについて考えている人は皆一様に語れるポイントだと思うので、僕はこれ以上言いません。
ただ、こういうことを考えている時にふと「Webでの身内ノリ」ってどういう状態なんだろうと考えてしまいました。
リアルな場所での身内ノリがドン引きする対象であるように、Webの中での身内ノリの状態は改善しなければいけない問題なはずです。
Webの場合ってどうなんだろう?
そういうことを考えていたら、以前書いたこの記事のことを思い出しました。
エイプリルフールネタについて思うこと。
この記事にもあるように、僕は基本的なスタンスとしてはエイプリルフールに何かしようということ自体はよいことかなと思っています。
思っていますが、その発表するものが「身内ノリ」のようなものであれば、やってはいけないなと思っています。
例えば、業界用語だけで構成されていて見る人によってはなんのことか内容のわからないものとか、その周辺だけで人気の人物がなんの紹介もなく真ん中にいるようなものとか、いじって笑いを取ろうとするような下品なやつとかは、見てて何にも面白くないし、どちらかというと不快感を感じます。
多分こういう温度差がある部分が、Web上での身内ノリなんじゃないかなと思うんですよね。
具体的に書くとアレですが、とある会社が横文字ばかり使う社長という会社概要ページを作って話題になったことがありました。(ここまで書いたら知っている人も多いと思うけどあえて名前は伏せます)
このページを見た人は、これがネタだとわかって面白いと感じるWeb業界の人もいますが、ネタだとわからずにマジレスしちゃっている人もいたわけです。
ネタとしてはある特定の層にとっては面白い内容であっても、それがわからない人にとってみれば何が面白いのかがわからないという例です。
このネタがいいか悪いかということではなく、こういうものはいいと評価される場合もあれば、逆もまたしかりなんだということをしっかり理解した上で、決定することなんですよね。
勢いで決めることではないわけです。
件の会社はそこまで考えてやっていたんだろうという節もあるので、あえてこれ以上何も言わないですが、こういう手法は誰もができることではないということです。
加筆
記事公開時から時間が経って少し世の中の状況が変化してきたため、最近ではエイプリルフールネタをする会社もあまりいなくなりました。
これは時代の流れでもありますが、続けてきた身内ノリに世間が辟易してきた結果、衰退したのかもしれないですね。
あと、時代の変化によってコンテンツの文脈をあまり理解せず脊髄反射でSNSに反映する人が増えてきたので、炎上しやすくなっているという背景もあるように思います。
そう考えるとエイプリルフールネタを出すこと自体がデメリットにしかならなくなってきているのかもしれません。
こういう変化は時代を反映していて面白いですね。(2021年2月26日の感想)
まとめ
件の会社は特別な例ですが、一般的にその場所特有のネタ的なものは誤解を招く危険性があるものだということは考えておく必要があります。
特定の人に向けて発信するもの以外の場合は、そのコンテンツが身内ノリになっていないかどうかを判断することはとても大切だと思います。