WCAN2015winter 参加レポート #wcan

Publish2015/12/14(月)

Update2020/11/25(水)

2015年12月12日に行われた「WCAN2015 Winter」に参加してきました。
今日はその参加レポートになります。
WCAN2015Winter
当日の様子は#wcanを追うと分かるのですが、一応まとめてみました。
wcan2015-winter
まとめ作業をしていて気付いたんですが、ハッシュタグをまとめる作業で当日のことをかなり思い出せますね。
ハッシュタグのまとめ作業をしてからブログを書くと復習の効率がすごく良さそうだぞということに気付きました。
話が逸れましたので戻します。
今回WCANには初参加なのですが、会場について結構びっくりしました。
というのも、すごく豪華だからです。
セッションに使うスクリーンはモニタ50枚使っているし、返しのためのモニタもでっかいのが前に2つ付いてます。
この会場の規模はすごいですね。
そして、建物自体も結婚式場かと思うくらいの煌びやかさでした。
こんな感じです。

deroter dgさん(@deroter)が投稿した写真


これで学校というんだからちょっと意味がわかりません。
始まる前の様子がこちらですが、これだけよい環境で行われるセミナーはかなりテンション上がりますね。
pepperくんをセッティング中
LTに登場するpepperくんには緊張は見られません。
タイマー
LTを喋る人が見るタイマーがこちら。かなり見やすかったです。

LTでブログを続けるコツを話してきました。

今回は普通に参加するだけではなく、以前告知したようにLTもしてきました。
WCAN 2015 WinterでLTをしてきます。
LTでは5分間なので、軽く自己紹介して「ブログを続けるための習慣化」と言うタイトルで僕がある意味一番大切にしている考え方の部分を話してきました。
スライドはこちらです。

内容としては、「毎日ブログを書く時間を物理的に作ろう」という内容です。
簡単に言うと、時間を作ってしまえば強制的にかけるよねということです。
そんな内容を話してきました。
最初は2番目に話す予定だったのですが、一番手のpepperくんがちょっと準備に時間がかかるということで、急遽一番手で話すことになりました(笑)
練習して臨んだ割に早口で喋りすぎて時間が余るという不甲斐ない感じではありましたが、200人強の前でしゃべるのはすごくいい経験でした。
追記:カメラマンさんに写真をいただいたのでうp
でかい
こんな感じで非常にでかい
でかすぎる
ぽつねんとするおっさん
ちなみに、この日は遠くから見ても特徴がわかるように大きなボンボンのついた帽子をかぶって行きました。
これで遠くから見ても「あの人LTでしゃべった人やん」と思い出すきっかけになるだろうという打算を含んだ行動です(笑)

他の人のLTを聞いて

僕以外のLTの方は、GoogleChartToolsを実装する方法を黙々と話したり、ゲームアプリのUIについて熱く語ったり、面接時の受け答えの話をしていたり、中国のネット事情について喋ったりした感じでバラエティーに富んでいました。
中でもpepperくんがしゃべるLTは斬新で色々と面白かったです。
pepperくんは最初調子が悪くて退場しましたが、その後復活を遂げて時間通りの綺麗なLTを決めていたのが印象的です。

あたかもプロのようにプロトタイプを活用する方法

メインセッションの一番目は長谷川恭久さんの「あたかもプロのようにプロトタイプを活用する方法」
プロトタイプを使うことの意味や目的から、実際に気をつける4つのポイントまで、初心者でもわかりやすい内容になっていました。
今回は会場のモニタがすごく広くて通常のスライドの比率ではなかったのですが、その広さをうまく使ったスライドがすごく素敵でした。
今回の4つのポイントは以下でした。

  1. 必要であればいつでも作る。
  2. 作る目的を明確に
  3. 時間をかけない
  4. 作る道具を柔軟に変える。

必要であればいつでも作る。

プロトタイプをなぜ作るのかという部分の理由付けの一つとして「それぞれのタイミングでの問題解決をしていくためのアプローチ」という話がありました。
これは、一気に完成形にまで持っていくことができればベストですが、実際はそんなに簡単ではなく動作やイメージのすり合わせが必要になるので、その部分をよりスムーズに、手戻りを少なくするためのアプローチとしてプロトタイプを使うという事です。
また、他業界では常識だったプロトタイプが今のWebでようやく必要になってきたという点も納得できます。
例えとしてお話しされた「住宅を建てる前に模型を作る」「自動車の開発段階で模型を作る」というのも、最終形を想像できづらいので必要です。
以前のWebであれば同じような環境、同じようなデバイスを使用するだけでよかったのでデザインカンプがあったからいらなかったわけですが、今のようにたくさんのデバイスや画面サイズ、またアプリの動きまでも考えれば一枚のデザインカンプで意識のズレが生じないほうがおかしいですよね。
暗黙の了解があり、「インターネットはパソコンに座ってみるもの」という前提があればデザインカンプだけでもいけましたが、すでにその時代ではないという事です。
そのような状況があるからこそ、 プロトタイプを使う事で「デザインの課題を分解する」事が重要というのはすごく心に響きました。

作る目的を明確に

プロトタイプだけの話でもないのですが、やっていく過程で「手段が目的になる」場合があります。
問題解決のために行うはずのプロトタイプも「とりあえずプロトタイプを作ろう」と目的がすり替わってしまっては意味がありません。
プロトタイプを「なぜ作るのか?」と言う目的を明確にしようというメッセージは、これまでたくさんのプロトタイプを作ってきた長谷川さんがいうと重みがありますね。

時間をかけない

プロトタイプは「より早く」問題を発見するために、実際の形に近い状態で作る事が重要ではありますが、作る過程でどうしても凝ってしまったりするものです。
気持ちは分かりますが、そもそもプロトタイプはより早く作って確認するためのものなので、あまり凝り過ぎない事も大切かと思います。
スピード感が大事ですよね。

作る道具を柔軟に変える。

プロトタイプを作る際には、「自分が使いやすいツール」で作ってしまうという事になりがちです。
ツールはその時に最も早くできるツールを使い、柔軟に対応する事が大切です。
時間をかけず、楽に、早く作る事はやはり重要ですね。
今取り組んでいるプロジェクトで、プロトタイプを作る事をしてたので、すごくタイムリーで自分が思っていた感じと同じような事を話していただいたのですごくスッキリしました。

ここがポイントデザインの課題を分解してゴールに向アプローチとしてプロトタイプが使える

追記:当日のスライドが公開されました。

あと、当時のお話しされた内容と補足が記事として公開されています。
プロトタイプが閉じたデザインを切り開く

HTML6でもCSS4でもないWeb技術のゆくえ

2つ目のセッションはサイバーエージェントの佐藤歩さんによる最新のWeb動向についてのセッションです。
話の構成としては、

  • 今のWebを取り巻く環境について
  • これから1年間で実務レベルで取り組んだほうがいい技術
  • 3から4年先に取り組んだほうがいい技術
  • Extensible Webについて

となっています。
今どうなっていて、これから先にこれやって、もう少し先にはこんな事ができるようになるよという流れで非常にわかりやすかったです。
まず現在のWebとしてHTMLとCSSについて。
タイトルになっているHTML6ってくるのか?CSS4にはいつなるのか?という話がありました。
最終的な結論としては、HTML6とCSS4はないだろうという結論でしたが、その理由もしっかり根拠があってすごくわかりやすかったです。
直近の取り組むことはSVGがメインでした。
先日のリクリでもSVGの話を聞いていて思ってましたが、やはり来年はSVGが大本命ですね。
IE8のサポートは2016/1/16に終了し、シェアの面でのネックになっていた懸念事項が取り除かれる事でようやくSVGに日の目が当たるようになるわけです。
SVGになる事でアクセシビリティ面やレスポンシブイメージへの解決アプローチの方法が広がりますし、僕としては大歓迎です。
ちなみに、日経新聞ロゴもSVGになっているようで、こうやって大手が変わっていく事でまた大きな変化が起こりやすくなるといいなと思います。
「flexbox」や「picture要素とsrcset」は面白いのは間違いないですが、お話しされていたような問題はあるかと思うので、しばらくは無理っぽい感じです。
また、「currentColor」も使える環境が整えばぜひ使っていきたいですね。
詳しい内容は後日公開されるスライドで。
これから先の話として出てきたのは「HTTPSの時代」
通信の暗号化が「当然」になる未来になってほしいというのは僕も思っていて、みんなが安心してインターネットを利用できる世の中にはなってほしいですね。
制作をしている僕達がするための第一歩として「FTPをやめる」というのも面白い切り口だと思いました。
とはいえ、いきなり変わるのは難しいので、まずできる事としてFTPSやSFTPとかに切り替えるというのはよいアイデアだと思います。
FTPSやSFTPであれば今までのFTPを使用する形とほぼ同じ感じなので、学習コストも低くて済みますし。
また、WiFiなどの通信環境についても「WEPは危険で脆弱」というのはあまり知られていないのですがすごく大切な事だと思います。
最近発表された「Lets Encrypt」はSSLの環境を無料で、自動インストールするサービスとして「全てのサイトがHTTPSになるための布石」として非常に期待できそうです。
そなえましょう。
https://letsencrypt.org/
また、Progressive Web Appsの話も非常に興味深い話でした。
スマートフォンでWebサイトの利用があまり活発でない理由として

  • インストールできない
  • プッシュ通知がない
  • オフラインに弱い
  • 表示速度が遅い

という理由がありますが、これらを解決する技術はすでに開発されています。
例として、「pokedex」のサイトを紹介されていました。
このサイトはポケモンのデータ集のようなサイトですが、上記のプッシュ通知の点以外は上記の問題をクリアできているサイトです。
https://www.pokedex.org/
余談ですが、セッション中佐藤さんはポケモンの数が649もあるなんてすごいとおっしゃってましたが、pokedexはゲノセクトまでしかないのですが、先日公開されたボルケニオンで現在の総数は721になります。
話を戻します。
マイナスを減らすだけではなく、Webサイトである事のメリットを挙げていただいたのもすごくわかりやすかったです。
具体的なメリットとしては

  • インストールが不要
  • 他のサイトにリンクできる
  • iTuneへの登録などのアプリ管理が不要

という点があります。
これはWebサイトという自由度の高いものだからこそ実現できている部分ではあるので、このメリットが生かせる環境づくりができるともっと僕としては楽しい世界になる感じがしています。
ちなみに、表示の高速化技術のAMPについては、今度記事書こうと思っていた内容でしたので、後日詳しく書きたいと思います。
最後に、「Extensible Web」という考え方の話もすごく楽しい話でした。
低レベルAPIを使用して、裾野を広く広げる活動という感じの概念の話はすごく楽しいです。
最近最新技術を追っていないので、久々にこの辺の話を聞けてすごく有意義でした。

ここがポイントやはり来年のキーワードはSVG

10年後も(たぶん)Webとかの仕事で食っていける仕事の考え方

最後はWeb担当者Forumの編集長の安田さんのセッションです。
対象は若い人ということで、若い人たちがこれからどう仕事に向き合っていくといいのかというのを安田さんの経験からくるお話しで説明されてました。
この辺の内容については、僕も日々考えている部分なので知らないことではありませんでしたが、改めて人の口から聞くことで考えを深化させることができるなと思って聞いてました。
まず、まず自分はどのタイプなのかを理解するところという部分で、自分がエージェント型なのか、コンサル型なのか、職人型なのか、それとも手を動かす役割なのかを把握するということは大切です。
それぞれのポジションで立ち位置とやることが違ってきますので。
そこをふまえた上で、「何を提供してるか」ということ、つまり「どんな価値を提供してるのか」ということを改めて考える必要があるわけです。
例えとして話されたのが肉の話。
同じ食材を提供する場合でも、提供している価値が違う例として松阪牛を扱う料亭と1品290円くらいの焼肉チェーン店の比較はすごくわかりやすかったです。
あと、聞いてて思ったのは「この話を次の世代人にきちんと伝えているか?」ということです。
こういう仕事の概念を説明するのは大変ではありますが、きちんとそこを理解して仕事をすると楽しくなるんじゃないかと思います。
オファーとオーダーの違いも面白くて、立ち位置の認識がズレてたら意味ないですよね。
おっしゃられていたように、提案が欲しい人に作業だけしても言われたことしかできないやつだ」と思われますし、逆に作業だけしてほしいのに(すでに提案段階は終わっていて調整が終わってるのにという意味です)不要な提案とかをしてこられても困りますよね。
この辺のお客さんの求めていることはなんだろうかということも、「相手に提供する価値」のことです。
面白かったのは「一冊10万円の本を100万部売る方法。」で、10万円の本を買うと20万円が入ってればだれでも買うという話です。
これを「そんなの当然やん」と考えることは簡単ですが、この話自体が他人に仕事を依頼する根本的な部分です。
10万円で仕事を依頼して、その仕事によって20万円の売上が得られるのであれば依頼しますよね。
そういう根本的な考え方です。
また、自分の価値とお客さんの価値は同じではないという、当然の話も面白かったです。
人は誰でも重さを置いているものが異なるので、相手のことを考えて、「この人はどこに価値を感じているのか」を考えるという大切さをお話ししてくれたわけです。
ビジネスである以上、お客さんは何かしらのビジネスリターンを得る必要があるのは当然ですし。
安田さんが肌で感じていることとして、Web担当者の質が変わってきている話は興味深い内容でした。
これまでの「好きだからやっていた」世代ではなく、「会社員として、個人的に好きというほどのことじゃないけど仕事として対応している」人が増えてきたのは納得です。
サラリーマンなので、部署移動や配置換えなどもありますしね。
良いと素晴らしいの違いについておっしゃた「期待値を超えるかどうか」の話も非常に考えさせられる内容でした。
顧客を知り、ニーズを知り、対策をして、ゴールに導く。
その結果が相手は想像していた通りであるのは最低ラインで、期待値を超える結果を出すことが大切というのは本当にその通りだと思います。
安田さん自身も、以前Web担当者Forum用にペルソナを作って、思ってもいなかったユーザー像が発覚し、思い込みの危険性についても言及されてましたが、やはりもっと相手を知るということをしないとだめですね。
最後におっしゃっていた「仕事に誇りを持っているか」というくだりは思わずうんうんと頷いて聞いてましたが、「自分の仕事内容を自分の親や子供に言えるか?」「言えるという人は今日の話を理解できている人」とおっしゃられていました。
このフレーズがすごく心に残りました。

ここがポイント最終的な基準は「自分の仕事内容を自分の親や子供に言えるか?」

まとめ

このような感じで、非常に面白い経験と素敵なお話しが聞けるとても良いイベントでした。
ちなみに懇親会ではビンゴ大会があり、うまい棒をゲットしました。
こういう取り組みとかもいい雰囲気を作る要因だったかなと思います。
あと、懇親会の時に新しいロゴを決まって発表されてました。
この「参加者と一緒に作っていく場所」の感じはすごくいいですよね。
主催のapplepleの皆さん、登壇された長谷川さん、佐藤さん、安田さん、LTされた皆さん、イベントに来られていたみなさんありがとうございました。
名古屋は意外と近いので、またWCAN来ようと思います。

記事の著者:ふにすでぐち

ふにすでぐち

1978年生まれ。企業のWeb活用をテーマに、Web運用を中心とした戦略的な企画立案、サポートやホームページ/Webサイトの構築などを行っています。
5年間のWeb制作会社勤務後、2年間のフリーランスで「フニス」として活動後に法人化し、2012年7月「ふにす株式会社」を設立。
Web運用の情報や考え方などを発信するブログ「ふにろぐ」を定期的に更新し、情報配信をしています。
また、Googleアナリティクス認定資格を取得しているので、アクセス解析を用いた分析などの手法でお客様のホームページの成功をサポートしています。
本社のある大阪府高槻市で「ふにすWeb相談所」を開設し、
地域の方々に気軽にWebのことを相談できる場所として、より多くのWeb運用の問題解決をするために活動しています。
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