SNSを活用したプロモーション「アゲリシャスバイト」がおもしろい
Publish2019/06/11(火)
Update2019/08/01(木)
個人のブログの方でアゲリシャスにハマっていると書きましたが、こっちのブログでもアゲリシャスについて書こうと思います。
こちらの記事では、趣味趣向の問題の話ではなく、SNSを活用したプロモーションとして行われている「#アゲリシャスバイト」のやり方が非常にうまいなと思ったのでその点について考察してみます。
Webだけでなく、色々なメディアを利用して「アゲリシャス」というキーワードを普及させる
まず、このプロモーションの根幹となる部分は、「アゲリシャス」というキーワードを一般に認知/普及させるという大前提が必要になります。
その前提を元にプロモーションを展開していくわけですが、その手法はWebやSNSだけで広めるというようなことはしていません。
TVCMもしていますし、スーパーの店頭販売やポップなどの告知など、Webに接する機会がない人にもしっかり認知してもらえるようにプロモーションが行われています。
キーワードを認知させ、普及させるということがWebだけで行うべきではないということをしっかり把握してプロモーションしているということが見て取れます。
リアルでの露出と合わせて、Webでのプロモーションを行うことで接触機会を増やし、一度接触した人にインパクトを残しつつ、僕のようなファンを増やしていくことが重要だということをわかった上でプロモーションを行っているというのがまず素晴らしい点です。
そして、この「アゲリシャス」というキーワードが一般的に認知されると、「アゲリシャス」というキーワードが副次的な効果を生み出すことになり、次のステップのプロモーションへの足がかりになるという点も見過ごしてはいけません。
特に新しいことをしているわけではない点に注目
このアゲリシャスのキャンペーンでさらに注目すべき点としては、プロモーションの手法として「特に新しいことをしているわけではない」という点です。
プロモーションを行う上で、よく聞かれる意見として「いかに新しいことをするか、斬新であるか」という点にフォーカスされることがありますが、プロモーションで大切なのは斬新かどうかではなく、「効果が出るかどうか」が重要です。
これはそもそも、なんのためにプロモーションをするのかという前提の部分ですが、プロモーションを行う理由は「知ってもらう」「売上を上げる」という目的を達成するためにするわけで、手法の実践のためにしているわけではありません。
そういう点で考えると、今回のアゲリシャスのキャンペーンのようなキャラクターを使ったプロモーションは、過去から現在に至るまでありとあらゆる手法が試行錯誤された、いわゆるレッドオーシャンど真ん中のプロモーション手法です。
なので、全く斬新ということはなく、どちらかというと古典的な手法です。
しかし、前述したように斬新さをポイントにしているわけではなく、効果を出すために行われているプロモーションなので、過去にあった事例をしっかりと分析し、商品にあった形でプロモーションを再構築している点が素晴らしいと思います。
SNSでの展開「#アゲリシャスバイト」
店舗などのリアル展開やCMのことについては僕は専門家ではないのであえて今回言及せず、Webで展開されているSNSを中心としたプロモーション「#アゲリシャスバイト」について思ったことを書きます。
今回行われている「#アゲリシャスバイト」は、ハッシュタグを利用したキャンペーンで、口コミによる情報の拡散・認知を広げる事を一番のポイントとして行われていると思います。
「#アゲリシャスバイト」では、ユーザーになにかしてもらう対価としての行動を「バイト」という表現で統一し、実際にユーザーがなにかするとそれに応じた対価を得ることができます。
この動作とバイトという単語の関連性が高いので、このキャンペーンを見ているユーザーにどんなものなのかをイメージさせるために一役買っています。
こういうわかりやすい表現を使ってきている点は非常に大きなポイントです。
アゲリシャスバイトの種類としては、
- 踊るバイト
- 食べるバイト
- 撮るバイト
- つぶやくバイト
- 拡散するバイト
という5種類のバイトがあります。
上から順にハードルが高いバイトですが、上から順にもらえる対価が高いものが用意されています。
利用できるSNSの種類としては、YouTube・instagram・Twitterといった基本的なものだけでなく、Tiktokも用意されています。
Tiktokを使うということは、学生を中心とした層に対してもプロモーションのターゲット範囲として考えているという意味で、幅広い世代に対してのプロモーションであるということがわかります。
なお、最もハードルが低い「拡散するバイト」はRTするだけでいいバイトなので、ユーザーの参加障壁はかなり低いものです。
しかし、「拡散するバイト」でも公式Twitterアカウントをフォローしてもらえる事はできるので、どんなモチベーションのユーザーであれ、いったん自分たちから発信する情報を知ってもらえる範囲に置く事ができるので、何かしらのアクションが全てコンバージョンの指標として機能しています。
このように、幅広い年代・モチベーションの人を対象とするプロモーションで「このくらいならいいか」という選択肢を複数用意し、参加しやすい状況を作っているという点は非常によく考えられていると思います。
実生活にキャンペーンを取り込むLINEスタンプが優秀
「#アゲリシャスバイト」のキャンペーンの中に、無料でもらえるLINEスタンプがあります。
これは、LINE公式アカウントのアカウントと友達になることでLINEで使えるスタンプがもらえるというものです。
このようなLINEのスタンプを無料で配るプロモーションは他にもたくさんありますが、今回もらえるスタンプはかなり汎用性が高いラインナップで、個人的に非常に使いやすいです。
LINEスタンプのキャンペーンのいいところは、LINEのように普段から他の人とコミュニケーションを取るツールで使ってもらうことで認知を広げるだけでなく、親近感を向上させる点にあります。
スタンプを無料で使ってもらうことで、使っているユーザーが口コミ効果を出してくれるというのは大きいですね。
まとめ
以上のような感じで、今回の「#アゲリシャスバイト」のプロモーションは一見ただ楽しそうなことをしているなというだけのものではなく、その裏にはしっかりとした目的があることが少し考えただけでもわかります。
おそらくこのラインナップも、過去に同様のプロモーションが行われているので、その効果を検証した上で効果があったプロモーション手法を採用しているであろうということが考えられます。
実際には更に突っ込んだ戦略と戦術があるのかもしれませんが、こういう事例を見ていると非常に参考になります。
今回のプロモーションは比較的希望が大きいので、コストも結構かかっているのはわかるため、どこの会社でも同じようなプロモーションが行えるかといえば難しいところではありますが、今回のプロモーションの意図を推測することは非常に参考になると思います。