ここ最近の気になるニュース3つについて
Publish2023/09/02(土)
今回は、気になるニュースが3つほどあったのでそれについて書こうと思います。
YouTubeが医療系の情報に特化した「YouTube ヘルス」を開始
まず最初に気になったのは、こちらのニュースです。
資格を持つ医療従事者のための新しい YouTube 活用方法
内容としては、YouTubeの新しい動きとして、医療情報に特化した動画配信「YouTube ヘルス」が開始されるというものです。
「YouTube ヘルス」では、事前に登録申請を行い、YouTubeが認定した信頼できる配信者のみが認証を受けて配信を行えるというもので、医療に関する不正確な情報ではなく、専門家からの正しい情報のみが配信されるようになるということが特徴となります。
そのため、申請にあたっては「特定の医療従事者としての免許/資格の証明を所持している人限定となっています。
また、医学専門団体会議、全米医学アカデミー、世界保健機関が共同で定めたガイドラインに従っていることも条件になります。
さらに、チャンネルが良好な状態で維持されていることも条件となっており、この条件を満たせないと認定されないのでかなり条件が厳しいものになっています。
条件が厳しいということは、逆にいうと登録されている人はそれだけで専門家であるということでもあるので、見る側にとっては有益だと思います。
情報が氾濫する今の世の中で、どの情報が正確で信頼性があるのかを見極めることは難しいので、その解決の一つのアプローチとして非常に面白い取り組みだと思います。
そして、「YouTube ヘルス」という成功事例ができると、医療以外の分野でも信頼性の担保のために認証制になっていくという流れも想定されます。
こういう流れは意識しておきたいところです。
SGEの試験運用が日本でも開始
次のニュースは、検索エンジンでのAIの活用に関するものです。
生成 AI による検索体験 (SGE) のご紹介
タイトルにあるSGEというのは Search Generative Experience の略で、検索時にAIを活用した検索結果を表示させることにより、検索体験を向上されるという取り組みです。
海外ではすでに実験が行われていましたが、日本でもGoogleの提供する「Search Labs」にGoogleアカウントを登録することで、デスクトップのChrome、スマホのGoogleアプリでSGEの動作を確認することができるようになります。
アカウント登録の流れでもわかるように、一般的に開放ということではなく、事前に実証実験的な意味で一部のユーザーのみに機能を開放するテストです。
なので、現時点で登録をしなくても問題は全くないんですけど、AIに関することに興味があったり、検索エンジンやAIのマーケットとビジネス的な関係がある人は積極的に参加した方がいいものだと思います。
検索結果の表示などは、検索広告やSEOの結果にも大きな影響が出るので、その範囲を確認するのであれば事前登録をしない理由はないですね。
実際に色々と検索してみて、「このケースではこういう結果になった」といった情報を得ておくことは今後の活動にも大きな影響があると思います。
実際の画面はこのような感じでAIが答えるコンテンツが表示されています。
検索広告上で販売者の写真を表示できるようになる
最後のニュースは検索広告に関するもので、検索広告の表示に販売者の写真の表示が可能になるというものです。
この条件としては、検索広告を配信する際に「位置アセット」を設定し、アカウントをGoogleビジネスプロフィールと連動させ、かつGoogleビジネスプロフィールで販売者の写真を適用させるということが条件となっています。
「位置アセット」については、公式で以下のように案内が出ています。(以下ページは英語です)
About location assets
このニュースがどういう点で興味深いのかというと、これまで広告で表示できてなかった「販売者の顔がわかる」という部分を出せるようになるという点です。
また、広告配信時に検索結果を見ているユーザーの位置情報から、近くで展開している店舗が表示されるわけです、その際に対象店舗の住所などの位置情報とともに写真も掲載されている状態になります。
検索ユーザーがweb上で購入するケースだけではなく、実際の店舗への誘因施策としても活用できますので、より汎用的に効果を上げることができる可能性があります。
なお、対象は動画広告も含まれるのですが、動画広告の場合はインストリーム広告とバンパー広告で表示されるということですが、どんな感じになるのかわからないので実際に配信してみて考える必要はありそうです。
いずれにしても、消費者視点で販売者の顔がわかるのは信頼性の向上でもあるので、広告の費用対効果を上げる施策と考えるとかなり効果がありそうに感じます。
まとめ
今回はYouTube、AI、広告のニュースを紹介しましたが、そのどれもが情報の信頼性に関するもの(AIについては信頼性が上がってきたから実装しますという意味で)でした。
記事内でも書きましたが、今の世の中は情報が氾濫していて、どの情報が正確で信頼性に足る情報なのかをユーザー側で判断することが難しい時代です。
その解決のアプローチとして、認証された専門家による情報や販売者の顔出しなどの手法が活用されていくというのが非常に興味深いですね。
そして、この流れは世の中全体的な流れとして非常に大きな流れでもあるという点も見逃せません。
今後、情報を発信していく上で「信頼性をどのように届けていくのか」というのは大きなテーマの一つになっていると思います。