「サイト貸し」という行為についての所感と注意点など
Publish2022/10/14(金)
今回は「サイト貸し」について、色々思うところがあるので書こうと思います。
「サイト貸し」については、SEOのことに注目している人だと知っていると思うんですが、まだ知らないという人向けに簡単に説明すると「自社サイトの一部を他社に貸してその利益を得る」という行為です。
貸す側はレンタル費用を収入とする事ができ、借りる側は貸してもらったサイトのドメインを利用できるという双方のメリットが存在するので一定層にニーズがあるのはわかるのですが、この構造にはかなり問題があると思っています。
詳しくは下記記事が参考になると思うので、まずは下記記事を確認しましょう。
問題点と注意点
問題点と注意点は上記URLの内容の通りで、僕自身もこの記事の内容には全面的に同意なので、これ以上いうこともないかなと思うのですが、Web運用をサポートする立場から見て問題だと感じている点は、「自社ドメイン/自社ホームページの価値を下げる行為をしている」という部分と、「貸した側が問題を起こした際に抱えるリスクが貸した側にある」という点にあります。
自社ドメイン/自社ホームページの価値を下げる行為をしている
まず、「サイト貸し」は自社のホームページの下部ディレクトリの権限を第3者に与えるのですが、その第3者がどういうコンテンツを作るのか、更新して運用していくのかをコントロールすることができません。
(開設当初とは異なる内容に後日差し替えられるケースもあるかと思いますので、そういう意味でコントロールすることができないという意味で書いてます)
例えば、違法性の高い情報を掲載する、誤った情報を掲載する、自社の考え方と全く異なる情報を掲載するなどの状態になった場合、そのコンテンツの影響で貸している側の本体のホームページにも悪影響が出ますし、自社ホームページの価値を下げることに繋がります。
これまで検索エンジンから得ていた評価を失い検索流入が減少したり、最悪の場合は検索からの流入が0になる可能性も含まれます。
これまでの努力を無にする行為をすることになるので、全くおすすめできません。
貸した側が問題を起こした際に抱えるリスクが貸した側にある
また、上記のように違法性の高い情報の掲載が行われていた場合、その責任の所在はコンテンツ管理側だけではなく貸した側にも責任が生じます。
自社のホームページ(ドメイン内)でマルウェアやウィルスの流布が行われるなどがあったりしたら、社会的な信用もなくなります。
借りる側に対して全幅の信頼を寄せ、借りる側の行うことに全ての責任を持つくらいの覚悟があるということであれば、おすすめはしないまでもそこまで言うなら仕方ないかなと思う部分もないことはありませんが、実際のところそこまで信用している人に貸すわけではないと思うので、貸す側の費用とトレードオフでリスクを内在化しているだけです。
余談ですが、仮にそこまで信頼していると仮定しても、自分が行う行為で相手に迷惑を掛けるかもしれないということを知っていて借りる人がいた場合、僕はその人は信用できない人だと思うので、ここで書いていることは無駄な想定やなともいうのが本音の部分です。
サイト貸しという行為自体について思うところ
上で色々書きましたが、色々なことを考えれば考えるほど、サイト貸しという行為自体がよくないなというのが結論です。
人にすすめることはありませんし、相談されても全力で否定したいと思えるくらいのものです。
貸す側の心理としては、貸すことで一定の固定利益が見込めるという点で魅力に思えるかもしれませんが、それによって生じている問題やリスクが大きすぎ、いわゆる悪魔との取引だと思っています。
自分の目にする範囲でこの行為があればやめるように言うとおもいます。
この記事を見ている人で、「サイト貸し」の打診があった場合には拒否することを推奨します。