サイト制作者でなくてもできるウェブアクセシビリティについて
Publish2019/08/27(火)
最近では、官公庁をはじめとして世間全体でウェブアクセシビリティに対する取り組みが盛んに行われるようになりました。
以前からウェブアクセシビリティに取り組んで活動されたきた皆さんの努力のたまものであり、とても素晴らしい状況になってきているなと思っています。
と同時に、多くの人が知る事により「なんだか難しそうだな」と最初の一歩が踏み出せない方もいます。
そこで今回は、特別な知識を持っていない方でもできるウェブアクセシビリティの取り組みの第一歩として、3つの方法を紹介したいと思います。
本格的にするにはこれから紹介する方法のみでは不十分とは思いますが、まずは最初の一歩として取り組む事が大事なので、以下の3つができていない人はまずこれらから始めましょう。
画像には代替文字列(alt)を設定する
ホームページで画像を使用する場合、画像には「alt」と呼ばれる情報を追加する事ができます。
「alt」は、画像が表示されない場合の代替文字列として使用されるもので、WordPressを使用している場合は、画像挿入時に「代替テキスト」として設定する事ができます。
「alt」が設定されていると、画像が表示できなかった場合やスクリーンリーダーなどの音声読み上げブラウザなどで設定した文字列が使用されます。
画像が見えている場合は不要なのではと思われがちですが、設定してある状態とそうでない状態では人によっては大きくユーザー体験が異なってきます。
また、設定してあっても何の画像なのかを判別できないような情報であれば意味がありませんので、きちんとどんな画像を表示させているのかを書きましょう。
画像内に文字列が含まれている場合は、その文字列を全て記載することも重要です。
手軽にできることの代表格は、画像のaltを設定する事。WordPressなどのCMSで画像をアップロードする際にも設定できる項目なので、特別に知識がある人でなくてもはじめることができる。設定することで、画像が表示されない場合に変わりに文字列が表示され、その画像が何の画像なのかを知ることができる
— ふにすでぐち@あなたの事業を成功に導くWebサイト/ホームページ運用アドバイザー (@funnisnet) August 15, 2019
半角カナ・機種依存文字は使用しない
次に取り組むことは、環境によって表示されない文字を使用しないということ。
代表的なものに、半角カナや機種依存文字(①などの丸囲み数字など)がありますが、これらの文字は閲覧する環境によっては、文字化けして表示できない場合があります。
携帯端末の絵文字なども表示できない環境もあります。
これらの文字を使用してしまうと、特定の環境で文字化けするので、ページでなにを伝えたいのかがわからなくなってしまう可能性があります。
そうなってしまうと、苦労して作成したコンテンツが見られないということになってしまったり、誤ったメッセージとして認識されてしまうということもあります。
メッセージを正しく伝えるためにも、表示できなくて不安を与えてしまうこともよいことではないので、半角カナや機種依存文字、絵文字などは極力使用しないほうがいいかと思います。
なお、機種依存文字などは入力時に「機種依存文字」と表示される場合もありますので、使用する文字が機種依存文字だったら使用を取りやめるヒントになるかと思います。
リンクさせる文字列はリンク先ページの内容がわかるテキストを使用する
3つ目は、リンクを設定する場合のリンク文字列です。
よくあるパターンで、「続きはこちら」「詳しくはこちら」といった文字が使用されるケースをよく目にしますが、できればこういう文字を選択するのではなく、具体的に記載する方が好ましいです。
例えば、利用料金のページにリンクさせる場合であれば、「サービス名の利用にかかる利用料金のご案内」といったように、利用する人がその文字列を見ただけでリンク先にはなにが表示されているのかを推測できる文字列であると好ましいです。
文字列が長すぎるということであれば「利用料金のご案内」くらいに縮めてもいいかもしれません。
いずれにしても、アクセスしてみないとなにのページが先にあるのかわからないという状態ではなく、このリンクをクリックした先にはこういうコンテンツがあるはずだというふうに認識してもらえるようにすることが大切です。
まとめ
上記で紹介した3つは、内閣府のウェブアクセシビリティに対する取り組みでも行われていることです。
ひとつひとつは細かいことに思うかもしれませんが、これらだけでもしっかり対応ができていると、それだけでかなりの数のユーザーにとってのメリットとなります。
細かい配慮の積み重ねで、ホームページを誰もが安心して使用できるものにしていく事ができていきますので、気配りの一環として取り組んでいきましょう。
まず最初の一歩としては誰でもできる部分だと思いますので、勇気を持って最初の一歩を踏み出しましょう。