Webの運用と事業戦略について
Publish2015/10/23(金)
今日は僕がいつもしている仕事の中で、特に気を付けていることで、かつ、人にはあまり伝わっていなさそうなことについて書きます。
ふにすでは「Webの運用」をメインにしているわけですが、この「Webの運用」というのは非常に守備範囲が広くて定義も曖昧です。
そこでこれらの内容を整理する意味でも、一度「Webの運用とは何か?」ということをまとめてみようと思います。
ちなみに、「Webサイトの運用」ではなく「Webの運用」と言っているのにも意味があります。
また、同様に読んでいく途中でわかりますが、じつは「Webの運用」はそれ単品では実力が発揮できにくい部分もあり、その際は「事業戦略」と絡めて動くことも必要なので、その辺りも書いてみます。
Webの運用でしていること。
まずはざっくりとWeb運用の中身を分類します。
Web運用の場合、中身の種類としては大きく分けて、
- サイトを更新する
- サイトにコンテンツを追加する(ブログの記事を追加する)
- アクセスアップ・集客のための支援(SEO/ソーシャルメディア)
- サイトの効果を測定する
- サイトのコンテンツ戦略を考える
- Web周り(メールやサーバー、ドメインなど)のサポート
- Web講習会などの技術的支援
に分かれます。
それぞれの大まかな内容は以下の通りです。
サイトを更新する
そのままズバリですが、サイトに掲載されているコンテンツ内容を変更したり、ニュースを追加したりといった、いわゆる通常のメンテナンスの部分です。
サイトが事業と連動している以上、何かしらの動きがあれば公開する必要がありますし、内容が変更になった場合もあるでしょう。
きちんと更新しておくことで、信頼性が向上する場合もありますので、地味ではありますが確実に更新をしていく必要があります。
サイトにコンテンツを追加する(ブログの記事を追加する)
更新すると少しニュアンスが異なるものとしては、コンテンツの追加もあります。
わかりやすいところでいうと、ブログの記事を追加するような感じになります。
コンテンツの追加によって、これまでアピールできていなかった魅力を発信したり、新しいお客さんとの出会いのきっかけになることも有ります。
事業として新しい事業などが増えた場合には、コンテンツとしてサイト上で追加するのは普通の流れなのではないでしょうか。
アクセスアップ・集客のための支援(SEO/ソーシャルメディア)
サイトの更新とコンテンツの追加をするだけでは効果が薄い場合ということもあります。
単に更新するだけではなく、明確に狙いを定めて更新することで、狙っていた結果に到達することもできるわけです。
ただ闇雲にやればいいわけではないので、実際に行う内容に応じて、どのようにすることでサイトへの流入を増やすことができるのかを多角的な方面から検証すれば、サイトが「より多くの人に見てもらえる存在」になってきます。
また、来てもらったお客さんにちゃんとサイトを見てもらえるように構成を考えることも必要です。
サイトに来る前の段階、サイトに来てからの流れなどをトータルでデザインする必要があります。
サイトの効果を測定する
更新・追加を狙いを持って実施したものの、その効果がどうであったのかを検証しなければ、行った施策が成功したのか、失敗したのかもわかりません。
お問い合わせや資料請求の期間内の数の増減、アクセス解析からPVや直帰率などのデータを解析するなどして効果を検証する必要があります。
サイトのコンテンツ戦略を考える
サイトの運用は計画的に行う必要があります。
誰に何をどのように見せたいのかが決まっていれば、必然的に次に行うものの優先順位というものも決まってきます。
あとはその優先順位に沿って、何を行えばいいのか、まず何をするべきなのかを決めます。
仮説を立てて、戦略を考えることも重要なWeb運用の仕事の一つです。
Web周り(メールやサーバー、ドメインなど)のサポート
上記5つは全体の流れに沿って全てを回していく形のものになるのですが、もっと地味な役回りとして「メールが送信されなくなった」とか「サイトの表示が遅くなった」とか「サーバーの更新期限っていつまででしたっけ?」というような質問をもらったり、実際のサイトを回していくこと以外の地味な活動も必要です。
地味ですが、ここがしっかりしていれば担当者さんは業務に集中できるわけです。
担当者さんに業務に集中してもらうためにも、その安心感を提供するというのも運用側の大切な役割だと思っています。
Web講習会などの技術的支援
現場の担当者さんは、そもそもWebに明るくない場合が多いです。
そういうこれまでWebと関わって来なかった人からすると、Webは難しいというイメージがあるようです。
そういう方を対象に、実際に講習会を開いて使い方をレクチャーしたり、勉強会を開催して知識の底上げをしたりといった活動も運用側の仕事の一つだと思います。
また、会社によっては毎年担当者さんが変わるということもあります。
その際には新任の方向けに、現在の事業内容説明を実際にお会いしてお話しするというようなことも必要になってきます。
実際の内容としてはざっくりですがこんな感じになります。
でも読んでみて気付いたと思います。
「これはWeb単品ではうまくいかない」ということが。
例えばブログを書くにしても、「誰に」「何のために」見てもらうのかは、事業の目的や設定したターゲットによって異なりますし、そこから先のWeb戦略を考える上でも事業戦略があった上ではじめて成立するものです。
そこが抜け落ちた状況では、まず設定しているゴールにたどり着くことは困難を極めるでしょう。
事業戦略とWeb運用の関係性
Webサイトとして単品で見る時代は、僕はとっくの昔に終わっていると思っていますし、そもそも論で考えればサイトの存在意義とは何かを考えれば、サイトのみが単独で存在しているというのはすごく特殊な状況でもない限り、おかしな話です。
特に企業の場合では、「事業で売上をあげる」「店舗に集客する」「会社自体を認知してもらう」などの、サイトが存在する理由、直接的な動機があるはずです。
それは事業自体と深く関係していて、事業としてのあり方や存在価値、事業戦略を体現するひとつのツールとしてのWebサイトということなのではないでしょうか。
そう考えると、「手段としてのWebサイト」になるわけで、一番根幹にあるのは事業戦略になると思います。
そこに絡んでいかないWebサイトでは、十分に効果があったと判断されることもないですし、経営者からすると「不採算部門」として見られる場合もあるでしょう。
こういうことを考えれば、Web運用とは事業戦略と密接に関係している、切っても切れない関係だということがお分かりいただけるかと思います。
最終目的はどこか。そのための道筋を作るのがWeb運用という手段
Web運用という手段を用いて、事業戦略の目的を達成することが本当のゴールであることはもはやいうまでもありません。
最終的なゴールを導く手段のひとつがWeb運用である以上、Web運用を行う上で事業戦略は非常に重要な前提条件です。
僕が実際に関わる場合に最初に確認しているのはこの部分で、その性質上事業戦略も聞きますし、場合によっては口を出すこともあります。
これはよく勘違いされて悲しいのですが、別に口出ししたい性格だからではないんですよね。
これまでくどいほど書いてきたように、Web運用は事業を成功させるためのひとつの切り口であり、ツールなわけです。
よくも悪くも、事業戦略がはっきりしていないと効果を出すことが難しいわけで、であれば口を出さないわけにもいかないんです。
僕が中小企業を相手にお仕事をしているのは、その意思決定スピードが出せるからというのが結構大きな理由です。
大きな会社では出せないスピード感があるから、Webの運用戦略も柔軟に対応することができ、結果を出すことができる。
だからこそ、事業戦略にも口を出しているというわけです。
Webサイトを中心にと言いつつ、サイトがメインではなく事業がメインなことを考えれば、僕が企業の中でどういう役割を担うことが必要なのか、そのために何をしているのかはきちんと書いておかないなと思ったので、今日こうやって書いている感じです。