GoogleAnalyticsのユニバーサルアナリティクス終了に伴う作業や変更点などのまとめと考察
Publish2022/03/23(水)
2022年3月16日に、Googleからかなり大きめのニュースが出されました。
この記事の件名にもあるように2023年7月1日(有料版は2023年10月1日以降)より、GoogleAnalyticsのユニバーサルアナリティクス(以下UAと略)のデータ収集が停止します。
要するに、2023年7月1日以降(有料版は2023年10月1日以降)はUAを利用できなくなるという意味です。
2023年7月1日以降は、後任となっているGoogleアナリティクス4(以下GA4と略)を使用してアクセス解析を行うということになりました。
疑問点と答え
詳細については色々と書こうと思いますが、まずはよく考えるであろう疑問とその答えを書いておきます。
過去データはどうなるのか?
公式によると、停止後6ヶ月はデータを確認可能、その後は確認不可となるので、その時までにデータをダウンロードすることを推奨すると書いてあります。
つまり、データは2023年いっぱいまでは見ることができるが、2024年以降には消えるということになります。
データをダウンロードできるとはいえ、消えるということを覚えておきましょう。
UAからGAの移行作業は大変なのでは?
こちらについては、大変な場合とそうでもない場合、若干大変だけどそこまででもない場合など、ユーザーの利用状況によって大きく変わります。
個別の設定等を行わず、初期状態で使っているようなケースであれば特に問題なくスムーズに対応できるとは思います。
切り替えタイミングはいつくらいがベストなのか
こちらについては、詳細は後述しますがGA4のアカウントを稼働させるのは早いに越したことはないと思います。
GA4導入後はUAは削除?それとも平行運用?
こちらについては正解はありませんが、個人的な見解としてはギリギリまで平行運用でいいかと思います。
理由は色々ありますが、一番大きいポイントは平行運用期間中にUAとGA4のデータを比較して変更内容を把握できるからと言うのが大きいと思います。
比較対象がないとイメージが湧きづらいので、GA4を完全に理解できるまでは平行運用期間としたほうが無難かと思います。
このニュースを見て感じたこと
このニュースは当日見て顔面蒼白になるくらい自分的にはインパクトがありました。
このニュース内容に伴って発生する自分自身の作業量にも頭を抱えましたが、お客さん側の負担も場合によってはすごい負担かかるということが明白なので、その点をお客さんにどう伝ええばいいのかをけっこう悩みました。
具体的に書くと、上記でも書いているように過去データを参照できなくなるというのが一番大きな損失です。
例えば、2000年代からGoogleAnalyticsを使用してデータを蓄積していた企業の、過去データがすべて吹っ飛ぶと考えると、とんでもない損失であることは疑いようがありません。
しかも、コンバージョン設定やイベント設定などの設定を細かく、丁寧にしていればいるほどダメージが大きいというフォローのしようもない状態です。
決まったものは仕方がないので、お客さんには理解してもらう他ないのですが、これを伝える側の身にもなってほしいものだと思います。
実際の流れ
色々と文句を書きましたが、ここからは実践編です。
実際にGoogleの言うとおりに移行プロセスをやってみました。
まずは画面右上の「開始」から、移行を開始しいます。
設定アシスタントが出るので、「はじめに」を選択します。
ここでは、既存のGA4のプロパティがある場合は既存のアカウントを選択することも可能です。
選択後は注意事項の画面に遷移します。
注意点として記載されているのは、「作成するプロパティは既存のプロパティに影響を与えない」「基本設定のみをコピーする」「拡張計測を有効にする」の3点です。
実際に作業をされる際には、きちんと読んでおきましょう。
設定アシスタントの作業はここまでで完了です。
面倒なのではと考えている人からすると、拍子抜けするほどあっさりです。
設定自体は終わりですが、設定するだけではデータの取得は完了しませんので、ユニバーサルアナリティクス導入時と同じようにGA4のトラッキングコードをホームページ内に埋め込むようにしましょう。
この際の注意点としては、既存のユニバーサルアナリティクスのタグはまだ削除しないほうがいいという点です。
並行運用する場合は削除しないように気をつけましょう。
上記の流れで基本的な部分は完了です。
で、問題がここからでして、これまでGoogleAnalyticsを細かく設定して運用していた場合は、下記の項目をGA4上でも設定する必要があります。
・イベントトラッキング/クリックカウントの設定(イベントカテゴリ/イベントラベル/イベントアクション)
・コンバージョン/目標の設定
・コンバージョンフローの設定
・集客キャンペーンのデータ
・広告の連動の設定
・ecとの連動の設定
・SearchCosoleとの連携
・GTMのタグ設定変更
・ユーザー権限の管理
・UAのデータで作成したデータポータルのレポートの変更
・除外フィルタなどの設定
設定状況によって項目がことなるので、自身の場合はどこまで再設定するのかを決めましょう。
設定時の問題点や感想
設定時の問題点としては、これらの項目の設定箇所がUAとGA4では異なるという点です。
また、UAとGA4では指標や概念も異なるので、設定内容がどういう意図で設定されているのかをふまえて再設定する必要があります。
そして、当然ですが設定完了後には動作確認も必要です。
動作確認も、表示すれば確認できるものもありますし、確認に時間がかかるケースのものもあるかもしれません。
基本的な項目のみであればあまりしんどい作業になりませんが、細く設定していた場合のほうが再設定に時間がかかりますし、設定を細かく見て検証する必要があるので大変です。
設定を細かく行い、丁寧に運用をしていたほうが作業負荷が上がり、負担が大きくなるというのがすごく精神的なダメージとして大きいです。
また、こうやって細く設定してデータを見ているということは、データ自体の重要性も高いということです。
そのデータが2024年以降に消えるというのもかなり精神的なショックが大きいです。
無料のツールなので文句を言うのも筋違いかもしれませんが、今回の決定にはかなりもやもやした感情が残っています。