ちいさく始める。
Publish2016/04/19(火)
今日はこれからサイトを始めようという人向けに、ぼくが大切だと思っている考え方の一つ「ちいさく始める」ことについて書きます。
まず始めてみるということが大事。
これからサイトを始めようという方からご相談をいただくことがありますが、その場合にぼくがおすすめしていることは「いきなり全部作らない」という形で提案することが結構あります。
というのにも色々な理由があるのですが、一番大きな理由としては「自分の手の届く範囲」から始めることで、サイトに対しての主体的な意識を維持させることができるようになるという点があります。
例えば、ある事業者さんのサイトを作るという要望があった場合、サイトに表示させる(表示させたい)内容は思っているよりも多くて、事業者さんの手にあまることがあります。
仮にすべての情報を整えて公開したとしても、全てに目が行き届いた状態かというと、そんなことにはなっていないはずです。
その場合、内容に間違いがあった場合や、追記していく項目が増えたりした場合に、更新が追いついていない状態を生み出します。
そして、その「更新や変更ができていない」状態は事業者さんは自覚しているので、「早くしないと」という気持ちを生みます。
それ自体はいいのですが、多くの場合事業開始当初は事業を軌道に乗せるためにかなりバタバタしている状態なので、サイトに手をかける余裕がありません。
「早くしないと」という焦りの気持ちは、徐々にサイトに向かうモチベーションを下げる原因になり、サイトに関わることが面倒なことだと感じるようになります。
これが最悪なパターンなので、サイトを初めてする場合は、最も最小限の形で公開することで、モチベーションを下げないように付き合っていくことができるようになります。
一昔前にスタートアップ界隈で「Lean Startup」という言葉が流行りましたが、ちいさく始めるというのは「Lean Startup」と同じように学習しながら進んでいこうという考え方です。Web運用の場合に無理に横文字にしたら「Lean Start Web Operation」とでも言えばいいのかもしれません。
言いづらいですが。
なんにせよ、小さく始めれば必然的に失敗しても小さい被害ですむ可能性も上がり、積極的にWebに関わっていくような気持ちにすることができるので、失敗を恐れずチャレンジするという、事業開始当初のビジネスマインドにも近しい感覚でWebと関わっていくことができるようになります。
実感を持つということ
積極的にWebに関わっていくことができるようになるというのは、さらなる好循環を生みます。
それは、自分が変更したこと(主体的に関わってきたこと)の効果を実感できるため、達成感が得られやすく、Webでの成功体験を重ねることができるという点です。
人のモチベーションは維持することが難しく、面倒なことやややこしいことにはやる気がおきませんが、自分が経験した楽しい体験については比較的モチベーションを維持しやすいという特徴があります。
続けるということはモチベーションをいかに下げず、安定軌道に乗せるかにかかっていると言っても過言ではありません。
そのためには、小さな成功体験を重ね、Webは楽しい場所だという実感を持つことがすごく重要です。
ちいさく始めることで、その部分を補填することができるわけです。
「楽しさを積み重ねることが成果を達成する重要な要素」という認識ではじめられる事をおすすめします。
極論を言えば最初にサイトは作らなくてもいい
今までは前提として「サイトを作る」という前提で話しましたが、この前提も疑った方がいい場合があります。
サイトを作るところから始めてしまうと、サイトを作ることは必須条件になっていますが、実際に事業でサイトが必要のない場合であればサイトは作らなくてもいいと思います。
では何をするかといえば、簡単に始めることができるFacebookやTwitter、instagramといったソーシャル、無料でアカウントを取得するだけで始めることができるアメブロやMedium、noteのようなブログサービスから始めるというのも一つの方法です。
これは別にサイトをずっと作らなくていいということではなくて、最初のうちはこれらの手軽に始められるものからスタートさせて、最終的にサイトを作成していくという形で考えてみてはどうかという方法です。
この場合、Webを通じて事業のことを人に知ってもらうというスタートラインがすごく低い状態で始めることができることはもちろん、Webを通じて何かしらのリアクションが体感できるという点でもスタート時にはおすすめできるポイントです。
先ほど書いたように、「楽しさを積み重ねることが成果を達成する重要な要素」だと僕は思っておりまして、その積み重ねる体験を得るためにはこれらのツールは最適だとすら思えます。
よくあるパターンで、「サイトを始めたけど誰にも見てもらえていないような気がするし、サイトを立ち上げて結構経ったのにまだお問い合わせが1件もない」というような悲しい体験をする場合がありますが、そういう体験をしなくていい可能性は高いわけです。
仮にその作ったサイトがかなりの費用をかけて作ったりした場合であれば、目も当てられませんよね。
まとめ
サイトをはじめるというと、どうしても気負うものです。
「うまくしないといけない」というプレッシャーや、「費用をかけたからきちんと回収しないといけない」というような焦りを生むということもよくあるので、最初は小さくはじめてどんどん失敗してしまってもいいと思います。
小さな失敗だとあまり痛くないですし、成功するためにはたくさんの失敗をすることも必要なわけですし。
気楽な気持ちで取り組んで、どんどん試行錯誤をして楽しめば、おのずと結果はついてきます。
いきなりドカンと大きく始めたいなと思うのが心情ではありますが、小さく始めてみるという選択肢があることも覚えておいてもらえると何よりです。