ツール選定の基準に「みんなが使っているから」という理由を使わないようにしよう
Publish2021/05/28(金)
今回は、あるお仕事でこんなお話がありましたよという小話から、そのお話で考えさせられる問題点について考えてみようと思います。
みんなが使っているからWordPressにしたいと言われた
今回、あるお仕事でCMSを導入するという話になりました。
そこで、どういうCMSがいいと思いますか?と聞かれるというのがよくあるパターンなので、その話の流れになった時にいくつか候補を頭の中に思い浮かべて準備してたんですが、そのお客さんからは「WordPressでいきます」という発言がありました。
その時点で何個か突っ込むポイントがあるんですが、個人的にはなぜ結論ありきになったんだろうという疑問から、もしかしたらすでに調査を終えていて、その結果としてWordPressが選定されたのであればそれはそれでいいかなと思ったので、「どういう理由でWordPressに決めたのか教えてもらっていいですか?」と聞いてみました。
その答えが記事タイトルにもある「みんなが使っているから」という理由でした。
聞いた瞬間に頭が真っ白になりかけましたが、一応ちゃんと説明する必要があるなということで、そこから色々説明したり、希望の要件にあった他のツールを勧めてみたりして、最終的にはその場にいる全員が納得できるような形でツールは決まりました。
ここで重要なのは何に決まったのかということではなく、きちんとそれぞれのツールのメリットやデメリットをテーブル上に広げた上で、最善と思われるツールがどれになるのかということを、話し合って納得して決めたというプロセスが重要です。
ちなみに、こういう書き方をするとWordPressをdisっているように思われる方もいるかと思いますが、決してそういうことではありません。
このブログもWordPressで運用していますし、WordPressが優れたツールであることを否定するつもりもありません。
今回の主題はツールの良し悪しの話ではなく、「選定の基準がざっくりしすぎていること」です。
使うときにはそのツールのメリットとデメリットを並べて検討するべき
ツール選択の場合だけということでもないんですけど、何かを決める際に結論ありきで決めるのは個人的に好きではありません。
しかもその理由が「みんなが使っているから」というふんわりした理由とかだとなおさらです。
ツールを選択する際には、きちんとそれぞれのツールを使用した際のメリットやデメリットをリストアップし、比較検討した上で目的の要件に最適と思えるツールはどれなのかを考えるというプロセスこそが重要です。
ここをきちんと話し合わず、適当に進めてしまうと後で事故になる可能性が急激に上がります。
この可能性は経験則なのでデータ上でそういうデータが出ているということはないので信憑性にかけますが、これまでなあなあで決めたことで後悔したことがあるので、譲れない部分でもあります。
ツール選定の際には、少しうざがられたとしても、必ずこのことはお話して、納得してもらってからすすめるようにしています。
その方が最終的な満足感も上がりますし、結果にも影響をしてくるのでかなり大切な要素です。
「みんなが使っているから」という理由は思考停止
僕が思うに、「みんなが使っているから」という理由には安心感があるので、ツール選定の際の理由としては意外と力があると感じています。
安心感を与える要素というのはかなり意思決定に影響を与えるので、「みんなが使っているから」という理由で決めたくなるのは理解できます。
しかし、安心感だけで物事を決めていいわけではないので、決める際には納得できる理由が必要です。
「みんなが使っているから」という理由は思考停止していることであり、もっと言えば思考を放棄しているということでもあります。
諸々比較検討した上で、最終的に利用者が多いという部分にメリットが生まれているのであれば「みんなが使っているから」という理由は納得できる理由として成立するので、きちんと考えた上でそう結論が出るのであれば問題はないと思います。
まとめ
今回はあるお客さんの話を例に、ツール選定のポイントを考えてみましたが、メリットやデメリットはきちんと把握した上でそれをふまえて比較検討するということをしてもらえればと思います。
余談ですが、つい先日もWordPressではセキュリティ上の問題(脆弱性)が確認されたりしているので、使用するツールを選定する際にはツール側が発表しているメンテナンスや注意事項などのお知らせはきちんと比較検討の際にテーブルに出すことは忘れないようにしましょう。