コンテンツにはストーリーを
Publish2014/11/18(火)
今日はコンテンツとストーリーの話をします。
先日書いた「Web活用の実例:よくある質問を作って運用するの巻」でも歯医者さんを探す例としてひとつのストーリーを考えてみましたが、これはほとんど全ての場合に有効な考え方だと思っています。
その理由や効果について書いてみたいと思います。
大切なのは分かりやすさ
まず、なぜコンテンツにストーリーが必要なのかという事を考えてみましょう。
答えは簡単で、コンテンツを使うのが人間だからです。
その使う人がどういう人でどこからどういう経緯で何を求めてそのコンテンツにたどり着き、そのコンテンツからどういう答えを出してほしいのか、どういう結果を望んでいるのかを考える事が、そもそものサイト自体の目的だからです。
サイトの運営をする目的と、利用してもらう人の目的が一致しないと成果はあげられない事を考えれば当然の事なんですが、こういう最も基本的で大切な事は以外と忘れがちです。
日々の変化に気を取られて本質を見失ってしまっては、何のためにサイトを運営しているのか分からないという状況になります。
ちょっと話がそれたので戻します。
コンテンツを見てもらい、目的を達成してもらうためにはその道筋が「分かりやすい」ものである事が重要です。
見る人が見たら分かるというものも中にはありますが、基本的にはどんな人にも等しく同じ情報を提供できる、同じレベルで理解してもらえる事ができなければ、せっかく見てもらえたとしても理解できずに去ってしまう事になります。
「まず理解してもらうための第一歩」として分かりやすさは外す事のできない要素と言えるでしょう。
ストーリーに落とし込む事で「伝わる」内容になる
では、その分かりやすさはどのようにして伝えればいいのかという話になると思います。
ここでひとつ思い出してほしいのは「マンガ」です。
以前の記事「これからWebの運用をしようと思っている人向けのWebマンガ2選」でも紹介しましたが、少し専門的で分かりづらい知識を習得する際にマンガという切り口で見てみると非常に分かりやすいという事実があります。
これは、マンガを楽しんでみているうちに内容を覚えるという効果もありますが、物語として知識をインプットする事で記憶に残りやすくなる「エピソード記憶」の効果が出ているためです。
エピソード記憶がどういうものかを知らない方のためにWikipediaから引用します。
エピソード記憶は「一回限り」の学習機構であると考えられている。あるエピソードを一回体験しただけで、それを記憶するのである。一方、意味記憶は繰り返し同じ事物を記憶することが影響する。その事物に触れるたびに脳内の意味表現は変化していく。
エピソード記憶は意味記憶に存在する各項目を結びつける「地図」のようなものと考えることができる。例えば、意味記憶はあなたの飼い犬の外見や鳴き声を記憶している。あなたの飼い犬に関するエピソード記憶群は「犬」という意味表現を参照しており、その犬に関する新たな体験によってあなたの飼い犬についての意味表現は更新されていく。
研究者によっては、エピソード記憶は常に意味記憶に洗練(精製)されていると考えている。その場合、特定のイベントについてのエピソード的情報は一般化され、イベント的詳細は失われる。この考え方の派生として、繰り返し思い出されるエピソード記憶は一種のモノローグとして記憶されるという見方がある。例えば、あなたがある出来事について繰り返し話をした場合、それは既にあなたにとっては「イベント」ではなくなり、あたかも物語を語っているように感じていることに気づくだろう。
エピソード記憶
簡単にいうと、人は物語として物事を記憶する生き物だという事です。
そういう人間の特性を生かす事で、物事を記憶させやすくする=物事が分かりやすい形で伝える事ができているという事に繋がるかと思います。
そう考えると、コンテンツ自体にも「物語」の要素を入れる事で分かりやすく伝わりやすいものになるのではないでしょうか。
ここでいいたいのは、全てを物語風にすべきだという事ではなく、コンテンツ自体の流れ・ストーリーを作る事が必要という事です。
例えば、最初に何を見せるべきなのか、説得力を増すために伝えるためには何が必要か、具体的にお客さんに体験をイメージしてもらうためには何が必要か、それらの条件が揃えばお問い合わせに繋がるか、不足している情報はないかといった事を考える事が大切だと思います。
まずは、作るコンテンツが「分かりやすいかどうか、伝わる内容かどうか」を重要に考え、そのためのストーリーを作るというプロセスを取り入入れる事でより魅力的なコンテンツを作る事に繋がるのではないでしょうか。