【書評】Web制作者のためのCSS設計の教科書
Publish2014/09/22(月)
これは読みたいと思いつつ、なかなか読めずにいた谷さんの書籍「Web制作者のためのCSS設計の教科書」をやっと読みましたので、読書感想文を書きます。
読んでみてやっぱり面白かったなと思う次第です。
対象は結構限定されている
まず、読んでて思ったのは「僕は面白いと思うけど、これって読む人すごく限定されていそう」という感じ。
書いてある内容自体が、設計することのメリットやデメリットといった部分だけではなく、CSSプリプロセッサやスタイルガイド、CSSフレームワークまでかなり広範囲です。
その為、読む人は完全に中級者からそれ以上の人になるはずだと思います。
この書籍を読んでいた人が同僚から「面白そうやから貸して」と言われて渡したら5分で戻ってきたというエピソードもあるようで、単純にCSSの本としてみてみたら痛い目にあう様な、そんな感じです。
なので、この感想文のここから先も一般の人向けではありません。
それをふまえて読んでみて欲しいところです。
CSSを設計するということ
CSSは普通にやってると、悪い言い方をすると「とりあえず書いとけばなんとかなる」ような側面もあり、コードのようがどんどん膨らんでいき最終的に始末に負えなくなりがちな危険性があります。
この書籍の帯でもいわれている「予測しやすい」「保守しやすい」「再利用しやすい」「拡張しやすい」という4つのポイントは、運用面まで考えた上でCSSとどう向き合うのかという、これまでCSSを書きまくってきた著者の谷さんだからこそ言えるメッセージだと思っています。
作るだけでなく、その先を見据えて、色々な人が加わっても一貫性と一定品質を保てるように取り組むという意味で、CSSの設計を行おうという部分がとても好きな考え方です。
2章までは考え方で、それ以降は実践編です。
ここから先は本当に普段実務でCSS触ってないと何を言っているのか分からない専門的な内容になってくるかと思います。OOCSSやSMACSS、BEMの考え方を実務にどう取り組んでいけばいいのかといったアプローチや、コンポーネントやカプセル化についての部分なども非常に面白いです。
この辺の話は結構前からフロントエンドの人たちはしているので、はじめて聞いたとかそういう事はなかったんですが、人が違えばとえらえ方も違って面白いなと思って読み進めてました。
次の動きの「WebConponents」が紹介されているという点を考える
途中から内容が濃くなってきて、最後の章には実務でCSS書いてたとしてもまだ実際そこまでやってない人も多いWebComponentsの説明もあって、これから少し先の未来に向けて何をしたらいいのかの道しるべ的な感じがしてよかったですね。
WebComponentsに関しても、これまでの章でいってきていた部分がきっちりと回収されてきれいに消化されていたので、読みやすく分かりやすかったです。
やっぱりこういう系の考える本は面白いです。
CSSについてある程度語れるという人には、とても楽しく読める本だと思いますので、そういう人にはおすすめします。普通の人はたぶん読んでも意味が分からないと思いますが、フロントの人たちは普段こういう事を考えてるんやねというような切り口で読んでみると非常に興味深いかと思います。