【書評】 「プロとして恥ずかしくない 新・WEBデザインの大原則」
Publish2014/12/25(木)
Update2018/10/08(月)
今日は、昨日発売された「プロとして恥ずかしくない 新・WEBデザインの大原則」を読んだので、読書感想文を書きます。
最初に言っておくと、個人的にはめっちゃ面白かったです。
内容に目新しいところがあるとか、新しい知識を獲得できたとか、そういう事ではなくて「基本的な情報は網羅しつつ、全体的にまんべんなく本質的な部分を捉える事ができる」という部分ですごくいい書籍だなと思いました。
この書籍に書いてある事は、各チャプターとも入門的な部分になるのですが、最初につまづきやすい点が分かりやすく書いてあるので、全体を俯瞰的に見つつ今自分が不足している部分がどこなのかが分かってきます。
各チャプターで感じた事を書いていこうと思います。
プロとして恥ずかしくない 新・WEBデザインの大原則
CHAPTER 1 レイアウト
広島の素敵なデザイナーの小浜さんが担当していたレイアウト編は、今までの流れと今からの流れがイメージできる感じで、とても分かりやすかったです。
技術的な部分というよりも、そのレイアウトがどういう時に向いていて、どういう時に向いてないとかの得意不得意の部分が書いてるので、すごく分かりやすいです。
全体的に難しい表現も専門的な表現も少なくて読みやすかったので、ここで勢いがついたおかげもあって一日で読み終えるモチベーションができました。
CHAPTER 2 配色
Webの色といえばフォルトゥナの坂本さん。
さすがに色の第一人者だけあって、内容はめっちゃ分かりやすい感じでした。
配色の基本や、各シーン毎の色の使い方のテクニックは基本をしっかり押さえつつ論理的に説明がしてあってすごくまとまってていい感じでした。
個人的には、最後の子供向けの配色のコーナーで「ポケモンやドラえもん・戦隊ヒーローものなどで使われている色が参考になる」と書いてあった時点でものすごく同意しつつ、内容ともリンクした非常に分かりやすい例えだと感動すら覚えました。
配色はセンスではないというのが口癖の坂本さん(勝手にそう思ってる)らしい、内容の濃いチャプターでした。
CHAPTER 3 サイト設計&プロトタイピング
CSSオジサン主催の小西さんと岡山のまえぽん先生のチャプターも最高でした。
個人的にツボったのは「とにかく○○型といったワークフローの定義にこだわる必要はまったくない」と言い切った部分。
これには全面的に同意で、自分から発想の幅を狭めて型にはめるというのは全く持っていけてないと思っている人なので、とても気分が晴れやかになりました。
その他にも制作環境や閲覧環境の時代の変化、表示パフォーマンスなど、興味がある分野の情報もしっかりと書いてあって大満足のチャプターでした。
CHAPTER 4 デザイン&パーツ制作
デザイン&パーツのチャプターでは、Sketchの本を発売したくっきーさんが担当されてたんですが、今や欠かせない技術といっても過言ではないWebフォントやSVGなどが詳しくかいてあり、この辺はさすがだなと思ってみてました。
最後のコラムでしっかりSketchの事を書いてくれるあたりもさすがです。
CHAPTER 5 HTML+CSSコーディング
HTMLとCSSのチャプターは、けっこう流し読みしちゃった部分がありますが基本がしっかりと書いてあっていい感じでした。
個人的には、このチャプターで構造化データやCSSプリプロセッサなど、サイト制作をしてても気にかけない人は全く食指が伸びない部分にも触れてあるあたりがいい感じだなと思ってました。
この書籍は基本的にこれからの人達が全体を俯瞰できる内容にしていると思うので、忘れてはいけないけど気にしない人も多い部分があるというのが好感が持てます。
最後のコラムにGruntとgulpの事がちょろっとだけ書いてあるあたりもとても好きな感じです。
僕が勝手に友達だと思っているがじろうさんが書いているメディアクエリとかはこれから基本になっていく(というか今でもたぶん基本)部分ですし、フレキシブルボックスとかはかなり面白いなと思っているので、その辺が押さえてあるのもすごくいいと思います。
CHAPTER 6 リッチコンテンツ&Webアプリケーション
ここのチャプターは個人的にこれから一番がっつりやっていかないとなと思っている(要は僕が一番弱い部分)なので、めっちゃ注目してみてました。
書いている三留さんも知っている人なのですが、さすがの内容だったなと思います。
よく使われているJQueryの事はさすがに外せないだろうし、各ソーシャルボタンの具体的な導入手順など、あまりプログラムが得意でない人でも触る部分が書いてあったりすると安心します。
個人的には最後の方に書いてあったNode.jsまわりやExpress、Meteorのへんが気になるお年頃です。
最後のコラムのワクワクがある感じで未来が楽しくなりそうな予感を感じる事ができますし、だいぶよかったです。
CHAPTER 7 運用・分析・集客・リニューアル
最後のチャプターは運用とかSEOとか。
運用に関しては僕が一番力を入れている部分なので、他の人はどうやっているんだろうと興味津々で見てました。
内容的には無難な感じでしたが、入門編という位置づけを考えるとまあ妥当かなと思える内容でした。
気になる点は少しあって、中でも「metaのKeywords(書いてて気付いたけどここの表記もmete keywordって間違ってました)」が重要って書いてあるのは間違いなので、そこはちょっと残念な感じでした。
ただ、こういういわゆる「制作者の人」が見る書籍の内容はいわゆるフロントよりの「作る」部分だけにフォーカスされがちですが、公開前のチェック項目や公開後の運用に言及されているという点で素晴らしいなと思います。
まとめ
最後は少し残念な部分もありましたが、基本的にはすごく面白いですし特にこれからはじめる人が全体をかいま見るという点ではうってつけの書籍だと思います。
書いている方々もその道の専門家の中の専門家といってもいいくらいすごい人達なので内容も安心してみる事もできますし。
監修がこもりさんなので、各執筆陣の個性を生かしたキャスティングをしつつ、今だけじゃなくちょっと先を見据えた構成にしているなーと思った部分も個人的に楽しく見れたポイントでした。
この書籍を購入後は、Facebookページでももう一つ深い話題やニュースなどがフォローしてありますので、こちらもおすすめです。
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発売が12/24なのにamazon予約で先行して22に届き、次の日から読み始めて一日で読めてしまったというのに自分でもびっくりしたくらい読みやすい本です。
とてもおすすめなので、まだの方はぜひ。
プロとして恥ずかしくない 新・WEBデザインの大原則