プロレスはUXだ!
Publish2013/12/17(火)
突然すいません。
こんなタイトルですが、今回は趣味の話ではありません。
皆さんは「ザ・グレートカブキ」という伝説のレスラーをご存知でしょうか?
え?ご存知ありませんか? グレートカブキさんといえば、日本人でもっとも海外で成功したといっても過言ではない伝説のレスラー。相手の顔面めがけて謎の液体を噴射する「毒霧攻撃」をはじめたのはこの方なんです。タレントの神無月も真似する武藤敬司ことグレート・ムタではないんですよ。おっと熱くなってしまいました…、いけないいけない。
なぜいきなりこんな事を言い始めたかといいますと、先週の金曜日にWeb系のプロレス好きな人たちの忘年会にお誘いいただいて参加してきたんです。それも会場がなんと、グレートカブキさんのお店「かぶき うぃず ふぁみりぃ」。お店には、東洋の神秘ことグレートカブキさんご本人もいらっしゃって、実際にお話ができるという過去にない体験をする事ができました。僕が尊敬してやまない伝説のレスラーの方々からも厚い信頼がおかれている、いわば「生ける伝説」の方のお店で、です。
これまでいろいろな人とお話をする事はありましたが、世界で成功した伝説の方とお話しするという機会は何物にも代え難い興奮と至福の時間でした。
ちょっとこれを書いている間も興奮してきたんで説明が長くなりましたが、カブキさんとお話して、業界は違えど見習う点や気付きのあまりの多さに愕然としました。
伝説の方が発する言葉の一つ一つはそれは重く、かつ凄まじい説得力です。
参加した方は皆一様に同じように興奮されていたのを覚えています。
さて、カブキさんはものすごく色々教えてくれたのですが、その中でも特に心に残っている2つの事を今回は書いてみようと思います。
ランディオートンに対する考察
僕は今回WWE好きとして参加してて、カブキさんにどうしてもお聞きしたかったのが、現在のWWEをカブキさんはどう見ておられるのかという部分でした。
というのも、僕は現在のWWEの中でもっともレスリングがうまいのはオートンだと思っています。
海外の情勢もよくご存じのカブキさんからみた今のWWEはどんな感じなのか、気になって仕方がないです。
で、聞いてみたところ、カブキさんからは次のようなコメントをいただきました。
「オートンはいいけど、今のままならあかんね」
カブキさん曰く、オートンの技術やレスリングに対する姿勢は評価に値するけど、周りに歩調を合わせるようになってきたらつまらないレスラーになってしまうかもしれないとのこと。
それを聞いて僕は思ったんですが、今もWWEはボディビルのように筋肉を隆々につけるスタイルがはやっていて、トップレスラーはみんなそんな感じのトレーニングとかをしているようなんです。
でも、レスリングは筋肉で決まるものではないので、筋トレよりも他の地道な練習を積み重ねないと最高のレスラーにはなれないのではないかと。
つまりは最高のパフォーマンスを出し続けるには日々の地味な練習の積み重ねこそが大事ということではないでしょうか。
人を感動させる試合を実現するために、地道に練習を続けるというのはどこの世界でも同じだと思います。
本当に成功した人が言うと、一見とても普通のことでもすごい説得力があります。
毒霧誕生秘話
そして最高すぎたのがこのお話でした。
カブキさんの代名詞でもある毒霧の誕生エピソードです。
毒霧といえばカブキさんが世界ではじめて発表した完全にオリジナルの技で、この技でカブキさんは一躍世界のスターダムにのし上がったといってもいいとも言える、まさにカブキさんを体現する技な訳ですが、毒霧は思いついてから実際に使用を始めるまでの間にけっこう時間がかかったそうです。
というのも、アイデアがでた時点で世界で誰もやったことがない技なので、成功することは間違いないと確信したそうですが、同時にそれだけではだめだと考えたそうです。
そこで、実際のリング上で本番と同じライティングにして、そこで色々な色の毒霧や、吹き出す角度の調整、ご自身の動きに合わせた技をかけるタイミングなどを考えれる限りのバリエーションで実際に試して確認したそうです。
そしてその結果、毒霧が完成したとのこと。
これを聴いたときに、僕が思ったのは陳腐ですが「まじですげえ!」でした。
思いつきを形にして、それを行動に移し、実験と検証を重ね最高の状態で発表する。
だからこそ技の最大限のパフォーマンスを引き出すことが出来、そしてそれは観客に驚きと興奮、そして感動を与えるのだと思います。
本当にこの話を聞いて鳥肌が立ちました。間違いなく今年一番の衝撃でした。
まとめ。要はこれってプロレス自体がUXの塊なんじゃね!
カブキさんの話を聞いて、レスリングに対する情熱と観客に対する感謝の気持ち、そしてレスラーとしてのプライドと向上心、その全てが素晴らしいという事を感じました。
試合を見に来たお客さんに最高に刺激的で興奮する試合を提供するって間違いなくUXと思うんです。
そう、プロレスはUXだ!
この経験、カブキさんの言葉を心に刻んで、見ている人に最高の体験や満足感を与えるサービス作りを心がけようと思いました。
東京近郊にお住まいの方は、ぜひお店に行って伝説のカブキさんから直接お話を聞いてみてください。
「本物」を感じることが出来ると思います。
リングサイドからは以上になります。