自動車の洗車場で思ったユーザーの導線設計の大切さ
Publish2015/05/08(金)
GWの最終日にまったりしようと思いつつもキャンプに乗っていった車が異常に汚いのが気に入らなくて、これまでいった事のなかったコイン洗車場に行ってきたのですが、そこで「ほう…これはいいな」と思う事があったので、その事について書いてみます。
コイン洗車場内の自動販売機
まず、コイン洗車場に行ってから気付いたんですが、コイン洗車場というだけあって洗車機に使えるのはコインだけなんですよね。当然ながら。
こういう時に限って手持ちは紙幣しかなかったりするもので、両替機があるかなと探しましたがありません。
仕方ないしコンビニまでいって崩してくるかと考えていたその時、視界に入り込んできたのは自動販売機でした。
なるほど、ここでジュースでも買っとけば小銭ができるし、洗車後にのどを潤す事もできるやんと気付いてジュースを購入した後にふと気付いたんです。
「あれ?これってここのオーナーの思惑通りの行動じゃないん?」という事に。
洗車場内の自販機とか、普通に考えたら人が歩いている通りにある自販機と違って利用される機会が少ないはずなんですが、こうやって紙幣から小銭に崩すための装置としておいておけば、それなりに高い稼働率を維持できるんじゃないか。
また、作業のにのどを潤すという意味でも利用者にとってメリットになる設備なんですよね。
オーナー側から見ても客単価を上げる事ができますし。
これはいいアイデアだなとふと気付いたという話でした。
ユーザー体験を考える
さて、この話を聞いて考えてほしいのは、本当の意味でのユーザー目線という部分と、ビジネスとして考える視点という部分を両方持っている事で初めて実現する事だと思うわけです。
例えば、洗車機の料金を紙幣やカードで支払えるようになると、それだけですごくユーザー的には便利になりますが、それをすると洗車のみの料金でお客さんが帰ってしまうわけです。
できればより多くのお金を使ってから帰ってほしいわけで、そう考えると「コイン洗車場」というネーミングで「ここはコインを使って洗車をするところ」というイメージを利用者に無意識に思わせ、実際に洗車機も小銭でしか支払いができないという、普通に考えたら不便である点をうまく「不便であると思わせない」戦略もうまいなと思うわけです。
ユーザーに無意識にお金を使わせる流れを設備やネーミングから作り出している点は非常に勉強になりますね。
コイン洗車場ひとつとってみても、それぞれ面白い部分があるなと再認識しました。