メリットデメリットは表裏一体
Publish2016/02/04(木)
今日は昨日お客さんのところで打ち合わせの際にお話しした「メリットって時にデメリットになる」ということについて書きたいと思います。
なお、具体的に書きすぎるのもよくないので、そこそこ話をぼかしてますが本質の部分は同じです。
メリットが場合によってはデメリットになるということ
昨日の打ち合わせでは、「ある商品をもっと打ち出していくためにはどうすることがベストなのか」ということをテーマに話しました。
この打ち出すというのは、売れることはもちろんですが、それだけではなく販売側の想いの部分を購入側にどれだけ伝えることができるかという部分も含めての戦略を考えるということです。
そのために考えたのは、まずその商品をもっと客観的に見つめ直してみるという部分からはじめてみました。
その商品は、品質のとてもよい商品で、手に取る人はほぼ満足するだろうというこだわりのもとに作られている商品です。
品質がよく、年間通じて楽しむことができる商品なので、一見すると問題はなさそうにも思えてしまいます。
しかし、ここで考えたのは年間通じて楽しむことができるということは、いつでも楽しくことができるということです。
いつでも楽しむことができると聞くと、とてもいいことのように思えますが、実際は悪く捉えると「いつでもいい」という感じになります。
つまり、「今買わなくても、後で気が向いた時に買えばいいか」と思われるということで、その瞬間「今しかない」という購買意欲が掻き立てられることがないということでもあるわけです。
販売側の想いの部分でも、年間通して安定して楽しめるというよさは逆に考えるとそれぞれのタイミングのベストではない商品でもあるわけで、その辺でこだわりが色あせて見えてしまうことにもなりかねません。
わかりやすい例でいうと、高品質のスニーカーは年間通じて履ける楽しさはありますが、雪の日にはブーツに比べると寒いですし、雨の日も濡れて快適性が損なわれたりしますよね。
その時、そのタイミングでこれが最強という商品に比べると、どうしてもその熱量の部分で劣って見えてしまうタイミングがあるわけです。
それであれば、一点突破でいいので、「このタイミングでどこにも負けない強みがある商品」にした方が人の心には刺さりやすいと思うわけです。
メリットがデメリットになった場合の対応策を考えるのは楽しい
とはいえ、その商品にはその商品の違う点のよさもあるわけです。
メリットに感じていた点がデメリットとして機能してしまう場合に、そのデメリットがデメリットにならないようにするにはどうすればいいのかを考える必要があります。
例えば、上記のスニーカーなら、冬場のオプションとして雨や雪をはじくコーティングスプレーがセットになって販売されるなどの工夫をすることでデメリットの幅を少なくすることができるかもしれません。
他にも、こんなことは考えてなかったけど、こういう風にしてみたらどうだろうといういうような意見も社内で出てきたりと、デメリットを解消するということから、その商品について向き合う機会が作れ、よりその商品の戦略を会社として意識を統一するということにもつなげることだってできます。
前提を一回崩して、その対応策を考えるというのはその対象物に対する思考を重ねて理解を深めることにもつながるので、とてもいい機会にもなりますね。
物事を多面的に捉えること、ひとつの正解に固執しないこと。
今回の話で考えていたのはこういうことでした。
これまでメリットだと思っていたことが、実はデメリットとして作用しているということは、一旦状況を冷静に判断して客観視しないと出てこない意見です。
常に考え続けることがベストではありますが、常に向き合い続ける時間を確保するのも大変なので、定期的に状況を判断し、現状を分析する機会を作るというのが一番取り組みやすい方法かと思います。
物事を多面的に捉え、ひとつの正解に固執しないように、常に思考を柔軟に、主観的な部分と客観的な部分をバランスよく考えれるような状態に持っていきたいなと思えるお話でした。