ターゲティング広告の規制によって変わることなど

Publish2022/01/21(金)

ターゲティング広告の規制によって変わることなど

今日はこんなニュースを目にしたので、そのことについて書こうと思います。
「ターゲティング広告」規制導入へ ネット利用者を保護 総務省

ターゲティング広告がなぜ規制されるのか。ターゲティング広告の問題点について

まず、今回のニュースにあるターゲティング広告自体について考える必要があります。
なぜターゲティング広告は規制の対象となり、どのような問題を抱えているのかを知ることは必要です。
ターゲティング広告というのは、わかりやすくいうと広告を見るユーザーごとに興味/関心のあるテーマを選定して配信し、クリック率や購買率が高くなるように、広告の費用対効果を上げることを目的としている種類の広告になります。
各個人ごとの興味/関心のあるテーマを検索履歴などのデータから類推し、各ユーザーごとに最も効果が出るように最適化された広告という感じですね。
ユーザー側からすると自分の興味があるトピックスに関する情報を取得できるので役に立ちますし、広告主からしても広告の費用対効果が高まるので両者にとってメリットがある広告になります。
しかし、これは広告を実際に運用するまでの机上の空論であり、実際にはユーザー側にはすでに購入した商品の広告が表示されたり、あまり興味ないのに間違ってクリックしたことで興味があると勘違いされてずっと表示されたり、仕事上検索しただけの内容が興味もないのにずっと表示されるといったユーザー側にとっては迷惑でしかない状況ができているというのが実情です。
これは広告の精度の問題ではあるのですが、興味関心の高いもののみを選定して配信してしまうと、対象となるユーザーの総数が少なすぎて広告自体の効果がないと思われてしまうことで、より幅の広いユーザー層に届けるために、広告側の選定基準を甘めに設定することが原因となります。
その結果、本来は興味関心の高い人だけに届くはずの広告が、そうではない人の目にも止まることになり、結果としてミスマッチが発生しています。
ただ、今回規制の原因になっているのはこの点ではなく、ユーザーの同意を得ないで興味関心があるものはどれかと判断するための情報をユーザーから得ているという点になります。
例えば、検索履歴から情報を取得する場合は、検索履歴のデータを利用することになるわけですが、広告配信側から個々のユーザーに検索履歴を使用して広告を配信していいかどうかの同意を得ているわけではありません。
人によっては検索履歴にはプライバシーに関わる情報が含まれているケースもあり、広い意味で個人情報として考えることができます。
個人情報を同意することなく使用するということは、現在の時代では好ましくないため、利用する場合は事前に同意を得る必要があります。しかし、事前に同意を取ること自体が難しいため、それであればターゲティング広告自体を規制してしまおうというのが今の状況ではないかと思っています。

規制によって広告がどのようになっていくのか

ターゲティング広告が規制される理由としては、上記のように個人情報の取扱に関する部分の問題の側面が大きいかと思いますが、この影響はターゲティング広告のみにとどまらず、Web運用の他の部分にも大きく影響が出てくることが懸念されます。
上記の検索履歴の場合であれば、検索履歴を利用したマーケティングツールやプロダクトへの影響が出てきて、それぞれのツールの精度が下がる、ツールプロダクト自体が存続できないということすらありえます。
その場合、精度が下がるということは費用対効果が悪くなるということと同義ですので、結果的にWeb運用を行うためのコストの増大を意味します。
コストが増大することで利益を圧迫するようになるので、今よりもWeb運用のハードルが上がります。
大企業の場合はコスト増加の問題が発生し、中小企業の場合はコスト増加の影響でWeb運用を行うこと自体ができないというケースすら考えられます。
ツールやプロダクトが利用できなくなる場合だと、代替手段を探す必要があるのは当然ですが、これまで行えていたマーケティング手法が使えなくなり、利益を出せなくなるというケースもあるかと思います。
代替手段を探すコストや、効果を上げるまでに費やす時間やコスト面の問題もかなり大きいかと思います。
こういうことを考えると、今回はターゲティング広告だけのはなしではあったわけですが、企業のWeb運用全体に関わってくる問題であるということがご理解いただけるかと思います。

まとめ。Web運用においても広告の規制は大きな影響があります。

色々運用側視点で書きましたが、個人情報を同意した上で広告が配信されること自体は各ユーザーのプライバシー保護の観点からも個人的には賛成したい内容ではあります。
ただ、その反面色々なところで影響が出てくることは考えられるので、手放しで喜べないことでもあるのかなと思ってもいます。
ターゲティング広告の規制が対岸の火事ではなく、自分にも影響してくることであるということが、今回の記事でぼんやりとでも伝わったのであれば幸いです。

記事の著者:ふにすでぐち

ふにすでぐち

1978年生まれ。企業のWeb活用をテーマに、Web運用を中心とした戦略的な企画立案、サポートやホームページ/Webサイトの構築などを行っています。
5年間のWeb制作会社勤務後、2年間のフリーランスで「フニス」として活動後に法人化し、2012年7月「ふにす株式会社」を設立。
Web運用の情報や考え方などを発信するブログ「ふにろぐ」を定期的に更新し、情報配信をしています。
また、Googleアナリティクス認定資格を取得しているので、アクセス解析を用いた分析などの手法でお客様のホームページの成功をサポートしています。
本社のある大阪府高槻市で「ふにすWeb相談所」を開設し、
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