海外のソーシャル活用事例に学ぶ。WWE編
Publish2015/09/10(木)
今日は海外でのソーシャル活用事例を学ぼうということで、僕の中で一番海外メディアの中で詳しく話をできるであろうWWEにおけるソーシャル活用にまつわる考察をしていこうと思います。
これは見る側視点としての僕個人の意見なので、もしかしたらそれは違うということもあるかもしれませんが、その時はご指摘いただければと思います。
試合をTwitterのハッシュタグで決める
まず、最もよくあるパターンとして有名なのが、試合形式をTwitterで観客が決めるという活用方法があります。
WWEのようなプロレスの試合の場合、基本的には試合は前もって誰と誰がどういう感じで進めるのかを決めて安全に配慮をした上で行うかと思うんですが、このルールを当日その場で観客が決めるというのはかなり面白いです。
観客からすると、あのレスラーとこのレスラーはこの試合形式でやっているところが見てみたいとかあるので、それを決める権利があるというのは自分が試合に間接的に関わる形になって当事者意識と、臨場感を満喫できます。
レスリングファンとしては見逃せないので、みんな必死でTweetしています。
新しく加入するレスラーもソーシャルで決める
WWEでは新人発掘のために、「タフイナフ」という素人応募型の番組があります。
優勝者は実際にWWEと契約してレスラーデビューができるという番組なんですが、毎週選ばれた人の中からひとりが脱落していきます。
その脱落者が誰になるのかを決めるのにもソーシャルが活用され、新しいWWEレスラーも視聴者が決めることができるんです。
これってすごいことで、自分が誰になって欲しいのかを投票したらその人の夢の実現になるという、いかにもアメリカらしい考えが満ちてます。
ニュースやトピックスはTwitter、Facebookで拡散
WWEで起こっている出来事は、試合だけではありません。
WWEは世界一の団体なので、アメリカ国内だけではなく海外のいろいろな国で公演があります。
そして、それぞれのレスラーがいろいろな土地で活動したりするわけです。
例えば、この前の日本公演ではWWEに移籍したイタミヒデオのサイン会があったりしました。
その様子をソーシャルを使って広報し、今WWEではどんなことが起こっているのかを世界中のファンがリアルタイムで知ることができるわけです。
他にも、WWEでは慈善活動も行っていて、その様子をシェアしたり、慈善団体の公式TwitterのツイートをRTしたりとかもしています。
広報のためにソーシャルはすごく使えるんですが、その効果を最大限生かしているいい例です。
レスラー個人の活動などはTwitter、instagramでシェアする
また、WWEでは各レスラーもWWE公式として個人のアカウントも持っています。
WWEレスラーのように個性が強い人の場合、ファンもたくさんいるわけで、ファンからするとTwitterアカウントをフォローするのはある種当然の行為です。
そして、そのアカウントでは各個人がそれぞれのキャラっぽい感じで投稿をしていたり、バックステージの様子をつぶやいていたりもして、ファンを飽きさせない取り組みがなされています。
中でも、instagramのアカウントでは、公式で大々的にレスラーの様子を公開していて、見ていても楽しい感じになっています。
例えば、先日の写真では懐かしのダッドリーズのババとディーボンが、彼らの代名詞でもあるテーブルを持っていこうとするところをレフリーに止められている写真が公開されてました。
これは、ファンからするとくすっとくるババとディーボンらしい様子なわけです。
こういうところがすごく上手いなと思うんですよね。
重要視しているのは双方向性。お客さんの意見を聞く姿勢を前面に出す。
いろいろなパターンで紹介してきましたが、すべての共通するのはファンとWWEの距離感を縮めようとする姿勢です。
普段の生活の中にWWEを溶け込ませることが、WWEに興味を持つコアのファンを増やすことになるわけで、それをするためには常にWWEが情報を発信し続けないといけないわけです。
TwitterやFacebook、instagramなどの特性をしっかり理解し、それぞれのメディアにあったプロモーション手法で展開しているので、見ているだけで勉強になると思います。
あとは、お客さんの意見を実際のリングに反映させる姿勢を出しているという点も素晴らしいですね。
「WWEはお客さんと供にある」というメッセージが込められているというか、そう言わなくてもそう感じるようにできているというのが素晴らしいと思うんです。
まとめ
WWEは日本にあるわけでもないし、プロレス団体という一般的によくある形態の会社ではないので、「特殊な例」と考える人もいるでしょう。
ですが、実際は「ソーシャルというツールをどう使って自分たちが成し遂げたい目標を成し遂げるのか」という部分だけ考えると、とても基本に忠実にソーシャルを活用していることがわかります。
先の例では、試合形式を決めるというものがありましたが、これはその投票を行うことでショーに参加しているお客さんが一体感を得て満足度が高い状況を作ることに繋がるわけで、いろいろな場所でショーを行うWWEの目標である「ショーを成功させる」ための一つの手段なわけです。
こう考えると、まずソーシャルを使おうと決めて利用しようとする人が多いですが、実際は逆で、自分たちの目的を達成するためにソーシャルが有効なのであればソーシャルを活用しようというのが正しいあり方なのではないでしょうか。
ソーシャルの活用ありきではなく、結果を出すためのツールとしてのソーシャルという一つの方法になるかと思います。
海外では日本と使っているツールや文化的背景が異なるので、そのまま使うということはもちろんできません。
でも、取り組みのアプローチの方法として参考にすると、自分たちの場合の活用方法のアイデアにはなると思います。