SlackのUI変更から感じることについて

Publish2022/01/14(金)

SlackのUI変更から感じることについて

2022年の1月6日の午前中にSlackのUIが変わりました。
僕は普段Slackを使っているのですが、当日たまたま変更のタイミングをリアルタイムで見ていて「あれ、UI変わった」ということを知りました。
リアルタイムで変更のタイミングに遭遇することもめずらしいので印象的な出来事だったんですけど、変更された内容についてもけっこう興味深いものでした。
SlackはUIの変更をけっこう定期的にやっているのはなんとなくですが知っていて、今回もマイナーリニューアル的な感じなのかなと思っていたんですが、ここ最近の流れを考えるとこれからの動向を示唆しているような内容なのかなと思うようになりました。
というのも、2021年の12月1日にSlackはSalesforceと合併しています。
その後、Slackのトップページにも書いてあるように「Digital HQ」を標榜するようになっています。
「Digital HQ」っていうのが何かというと、Slackのページに説明があるので引用します。

Digital HQ とはデジタル空間にある仕事の拠点です。ここではメンバー、システム、パートナー、顧客が連携して仕事をスムーズに進められます。Digital HQ では物理的な壁がなくなるため、場所や時間、方法を問わず柔軟に仕事を進め、最高の成果を出すことができます。またアプリやワークフローを使えば、よくあるタスクの自動化も簡単です。デジタルファーストな時代において、Slack をあなたの Digital HQ(会社を動かすデジタル中枢)とすれば、よりシンプルに、より快適に、より有意義に仕事が進みます。https://slack.com/intl/ja-jp/digital-hq

「Digital HQ」を標榜するSlackという立場をふまえた上で今回のUI変更を考えてみると、Slackがこれから担おうとしている立ち位置ってこういうことなのでは?とか想像することが出来ます。
個人的に、これってそういうことなのでは?と思ったのが、前面に出てきた「ビデオクリップ」と「オーディクリップ」の存在です。

変わった部分の紹介

変わった部分ですが、主に変わったのは投稿部分です。

変わった部分

さきほども書きましたが「ビデオクリップ」と「オーディクリップ」のアイコンが目立つ位置に配置されています。

ビデオクリップ

オーディオクリップ

テキストのオプションはテキストアイコンをクリックして展開するようになります。

メッセージオプション

全体的に非常にシンプルになり、迷うことがないようなUIになっていると思います。

テキストメッセージ主体のツールからの変更?

まず、改めて説明するまでもないですがSlackはテキストメッセージでのコミュニケーションを前提としているチャットツールというのがメインの領域になります。
その他の機能もありますが、基本的には「テキストを中心としたコミュニケーションツール」です。
そのSlackの投稿画面にどかんと表示されることになった「ビデオクリップ」と「オーディクリップ」は、これからのSlackはテキストだけではなく、音声や動画を活用してのコミュニケーションツールにするという意志を感じ取れます。
ここで一つ考えないといけないのが、「ビデオクリップ」と「オーディクリップ」であって、「ビデオ通話」と「音声通話」ではないというところです。
Slackのようなチャットツールの場合、非同期化型コミュニケーションツールなので通話機能があると迷惑するユーザーが一定数います。
自分のタイミングで仕事をしたいのに、通話が頻繁にかかってきて仕事の効率が下がるというのはある話なので、通話にするのは多分違います。
ですが、「ビデオクリップ」と「オーディクリップ」であれば、わざわざテキストで入力するのではなく、録画/録音したメディアを使用しての指示が可能になるわけです。
この恩恵を受けるのは、「テキスト入力めんどくさいけど、仕事で使うツールだし仕方なく利用しようかな」と考えているようなユーザー層で、「テキスト入力せずに音声でできるならそっちのほうがいいや」と考える人達です。
これまで、上記のようなユーザーの想定はおそらくSlackでは考えてこられなかったと思います。
というのも、Slackのサービス開始当初はSlackを利用するユーザー層は主にエンジニア層で、テキスト入力をすることを面倒と考えることがない人たちだったからです。
しかし、Salesforceと合併したことで、これまでのメインターゲット層だけでなく、営業職の人や非エンジニアの人、ITリテラシーが高くない人など、より多くのユーザーがターゲット層になるわけです。
その状況でもツールを使用してもらうために、どのような入力形態であれツールを利用してもらえるようにするために「ビデオクリップ」と「オーディクリップ」のような機能が重要になり、入力欄の目に留まる部分に配置されたのではないでしょうか。

コミュニケーション促進の強化

また、「ビデオクリップ」と「オーディクリップ」の導入は、これまでテキスト主体で構成されていたSlackのコミュニケーション体験を大きく変化させる可能性があります。
音声や動画での指示は、テキストのみの状態よりもより多くの情報(表情や仕草、声のトーンで伝えたい内容の重要性や緊急度、メッセージを送る人の熱量など)を伝えることができるので、これまでテキストでは伝えきれなかった部分をより正確に相手に伝える手段になり得る可能性があります。
その変化は、ツール内でのコミュニケーションの活性化やツールへの接触時間の増加など、ツール提供側にとってもメリットがある変化になる可能性があります。
「Digital HQ」を標榜するくらいなので、ビジネスの根幹に存在するツールとしての存在感、立ち位置を獲得するという意気込みが感じられます。
この変化はユーザーにとってみてもよい変化になる可能性も高いので期待したいところではあります。
ただ、より多くの情報を得るということは、逆に考えるとその情報を処理する時間もテキストより多くのリソースを消費するということでもあるので、デメリットも考えられます。
これらをふまえて、SlackのUI変更によってこれからの仕事の形がどのように変わっていくのかを考えるとかなり興味深いと思います。

まとめ

UIが変更したという小さな変化でも、その変化の理由の背景や意図などを考えるとかなり楽しいですね。
これからもこのような事を考えたらブログに書いていこうと思います。

記事の著者:ふにすでぐち

ふにすでぐち

1978年生まれ。企業のWeb活用をテーマに、Web運用を中心とした戦略的な企画立案、サポートやホームページ/Webサイトの構築などを行っています。
5年間のWeb制作会社勤務後、2年間のフリーランスで「フニス」として活動後に法人化し、2012年7月「ふにす株式会社」を設立。
Web運用の情報や考え方などを発信するブログ「ふにろぐ」を定期的に更新し、情報配信をしています。
本社のある大阪府高槻市で「ふにすWeb相談所」を開設し、
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