ポップ体から考える適材適所と役割分担
Publish2014/10/06(月)
先日テレビをぼけっと見ようと思ってみてたんですが、たまたまその時に旅行代理店のチラシの話でした。
最近では当日に売って当日に売り切る感じのスピード勝負の商品があるようで、そのドキュメンタリーでした。
最近はどこの業界も対応速度をどう改善していくのかで大変だなーと思ってみていたんですが、その中で旅行代理店のスタッフさんが作っていたチラシのテンプレートを紹介する感じになり、見ていて「うわぁ」と思ったものの、「でもよく考えたらそれが正解か」という事がありました。
まあタイトルにもある「ポップ体」がどかんどかんと大きな感じで扱われていた事なんですが。
ポップ体ってださくないか?
まず、僕は若干ではありますがデザインもしている都合、フォントの事などにも比較的目がいってしまう方です。
街中でよさそうなデザインのものを見かけると目に入ってじーっと見てしまったりしますし、どうしてそういう感じにデザインしたんだろうとデザイナーの思考を妄想するのも楽しいですし。
それで、ここからは主観的な話なんですが僕はこの「ポップ体」というフォントが非常に好きではありません。
激しめに表現すると、「嫌悪している」といっても過言ではないくらい好きではないです。
ポップ体のせいで大変な目にあったという事でもありませんが、どう見ても「ださい」ので、自分が何かをデザインするときにフォントをポップ体でするというのは絶対にしませんし、過去にも自分からそうする事はなかったわけです。
それでこの番組を見て「ポップ体やん…」と一人でかってにテンションを下げてたんですが、ふと思ったわけです。
「これって正しい使い方だった…」と。
適材適所な使われ方だったし、きっちりと役割を果たしている使い方だった。
最近はそういう系のお仕事をめっきりしてなかったので忘れてしまっていましたが、こういう「早い!安い!」を売りにしている商品の場合は、可読性よりもインパクト、美しさよりも親近感、高級感よりも庶民的なものにしないといけないんでした。
商品自体の持つ意味合いを考えれば当然ですよね。
当日売り切りの早い者勝ち激安チケットのチラシに高級感は必要なくて、目に入る価格と特徴、安さが伝わるビジュアルイメージが大切です。
なんやったら色の白黒二色とかの方が好ましいですね。
ついついデザインが好きだからというフィルターで物事を見てしまうで、忘れがちな事をまた忘れてしまっていました。
ポップ体の持つこの「だささ」はイコール「親近感」であり、「安そう」とイメージを膨らませる事ができる大切な武器なわけです。
久々に気付かせてくれて、なんだかとても心がすっきりして最近のモヤモヤが腑に落ちてきました。
伝えたい事を正しく伝えるために、そのものが持つ本質とはなにかをデザインにしろマーケティングにしろ常に考えておく必要があるなと改めて考えていました。