乙事主様から考える「冷静さ」を保つ重要性
Publish2014/08/07(木)
昨日はこのブログのアクセス解析をだらだらと見て変なキーワードでアクセスしてきているぞとニヤニヤしていたでぐちですこんにちは。
さて、今回はそんな変なキーワードを増やそうということでもないんですが、意外と人気な「もののけ姫から考えるシリーズ」の第2弾です。
今回の主役は「乙事主様」です。
乙事主様とは?
まずは乙事主様を知らない人向けに説明です。
乙事主様は物語中で「海を渡ってきた大物」的なポジションです。
物語のきっかけでもあるイノシシの一族のリーダー的な存在で、古くから生きている生き物の中の一匹です。
乙事主様は物語登場時には圧倒的な存在感と大物ぶりを発揮していて、モロとの話では自らの一族がこれから滅んでいく種族であるということをしっかりとイメージしていました。
「わしの一族を見ろ!みんな小さくバカになりつつある。このままではわしらはただの肉として人間に狩られるようになるだろう」というセリフからも分かるように、種族のおかれている状況をしっかりと理解してました。
そんな状況判断が出来ていたはずの乙事主様は、最終的には自らが忌み嫌う祟り神になってしまいます。
なぜ乙事主様は祟り神になってしまったのか
冷静な状況判断が出来ていた乙事主様が自らが忌み嫌う祟り神になった背景には「イノシシとしてのプライド」があります。
そもそも、なぜ乙事主様がわざわざ海をわたってきたのかというと、このままほっておくとイノシシの一族は家畜に成り下がるので、今であればせめて人間に一矢報いることが出来る、運がよければ人間を駆逐できると考えていたフシがあります。
最後のチャンスにかけて、わざわざ戦いにやってきたわけです。
これは「最後の一頭になっても突進してふみ破る」というイノシシとしての誇りがそうさせているのだと思います。
このことからも、プライドが冷静な判断の妨げになっていたと考えることができます。
心を乱すと周りが見えなくなる
祟り神に変わる直前のエピソードが象徴的ですが、乙事主様が冷静な判断ができなくなった場面があります。
それは、死んだはずの戦士が帰ってきたと通常ではありえない判断をした場面です。
この帰ってきた戦士たちというのは、死んだイノシシの皮をはぎ血を塗って「イノシシでもヒトでもないもの」になった人間です。
いくら乙事主様が目が見えなくて鼻だよりだったとはいえ、さすがにおかしいと普通は思うはずです。
何キロも先のジゴ坊を嗅ぎ分けた嗅覚をもつ乙事主様であれば、その違和感は分かっていたと考えるのが普通です。
でも、見分けることはできませんでした。
冷静さを失うことで、いつもであれば気付けた事に気付けなくなってしまったのでしょう。
大切なのは平常心。常にクールであれ
乙事主様のこれらのエピソードを考えると、平常心の大切さや冷静さを保つことの重要性を感じます。
乙事主様はイノシシですが、人の場合でもプライドなどで視界が狭くなっているときに冷静さを失って誤った判断をするということはよくあることです。
大切なのは、場の空気に流されない、冷静に状況を判断する心です。
もののけ姫の作中の言葉でいえば「くもりなき眼で物事を見定める」ということです。
常に冷静に状況判断ができる強い心を持ちたいものだなと心から思います。