IKEAの販売戦略から考えるストーリーとイマジネーション
Publish2014/09/04(木)
昨日あるお客さんにサイトのコンテンツの話をする時にIKEAの話を例に出したんですが、けっこう分かりやすかったみたいでしたので、少し掘り下げて改めて考えてみようと思います。
ふにすの由来もIKEAと関係があるので、そろそろIKEAの事も書いた方がいいような気がしないでもないですし。
ちなみにこの話はIKEAに行った事がある人じゃないと全く分からない内容になると思いますので、いった事ないやという方はブラウザをそっと閉じて何か違う事をした方がいいかと思います。
IKEAの建物の構成とストーリー
IKEAに行った事がある人は分かりますが、IKEAではまず2階にあるショールームのようなところをぐるぐる回って、そのあとにレストランがあって休憩できます。
そのあとに1Fにおりてカートに商品を乗っけて、レジに行くわけです。
僕がいったのは大阪と神戸の店舗のみなので他の店舗は若干違うかもしれませんが、たぶん大枠は変わってないと思います。
ここで質問ですが、この構成にしている意味を考えた事がありますか?
僕は何度か通ううちにこの2階のショールームが邪魔臭くて仕方ないなと思っていたのですが(購入する品目が決まっている場合はショールーム見る必要ないですので)、ふとなんでこういう作りにしているのかなと考えるとこれは面白いなと気付いたんです。
考えた人はすごいなと。
お客さんのイマジネーションを刺激する
その理由はきっとお客さんのイマジネーションを刺激する事なんですよね。
買い物に行く時、ある程度購入する目的のものが決まっていると、基本的にはそれだけ買って帰ると思うんです。
それはまあ当然の事だと思うんですが、モノを販売する側からすると何か他のものも買って帰ってもらいたいと思うのが当然です。
普通のお店は店員さんが接客でこの商品にはこっちの商品も合いますよみたいなセールストークでカバーしている部分ですが、IKEAはそれを2Fのショールームでより効果的に実現していると思います。
なぜそれが効果的であるかと思うのかと言いますと、「体験としてイメージをさせているから」だと思うんです。
実際に商品がレイアウトされたショールームでは、自分が考えていなかったお部屋のコーディネートの見本がそこかしこにあります。
それをお客さんが見て「自分の部屋に置くとしたらこれなんかよさそうかも」といった感じで自分の中でイメージを膨らませる事ができます。
イメージを膨らませる事ができれば、あとはその他にもこんなものやこんなものがあった方がいいかもと、よりイメージを膨らませて本来購入する予定のもの以外のものを気付いたらたくさん買ってしまっているという結果を作る事ができます。
人は自分で能動的にイメージする事で欲しいという欲求が生まれてくる生き物なので、その根本を刺激するイマジネーションを刺激する体験を購入前に持ってくるという事が素晴らしいと思うわけです。
体験を通してブランドを伝える
そしてIKEAはそのストーリーを実現するために建物の構成も最初からそのように作っているという事が分かります。
IKEAに来たお客さんはイマジネーションをはたらかせてたくさん買い物をし、とても楽しい気持ちで帰路につくわけで、その「楽しかった」という体験が、またIKEAに行こうというモチベーションにも繋がり、IKEAが好きというブランド構築にも繋がります。
建物の構成から作ったストーリーとイマジネーションで、1回の買い物からお客さんに与える影響がすごく大きい体験をしてもらう事ができるというのは本当によく考えられているなと思います。
この他にも、レストランがなぜ途中に挟んであるのかとかも言いたいところではありますが、それはまた別の機会に書いてみます。
IKEAのこの戦略はどこの誰でも真似できるようなものではありませんが、ストーリーとイマジネーションをうまく使うという形であれば色々な業種に適用できるのではないでしょうか。
この部分はWebにも通じる部分がありますので、何かやる際のヒントのひとつとして活用すると面白いんじゃないかなと思います。