Web制作をしている同業者の皆さんへ
Publish2015/06/05(金)
今日は僕と同じWebの受託制作をしているみなさん向けに思っている事を書きます。
今日書く内容は、昨日とあるコワーキングスペースで作業をしていた際に聞こえてきた同業であろう人達の会話を聞いて「それは違う」と思った事が原因なので、まずはそこから話します。
とある同業の人達が話していた会話
その話していた内容が「昔の知り合いから安くサイトを作ってくれと頼まれた」という内容の話でした。
制作を受託で行っている人であれば何度か遭遇した事のある内容だと思います。
僕も何度もありました。
よくある話なので、僕も聞こえてくる話を聞きながら大変そうだなーと聞いていたんですが、ちょっとおかしいぞと思う内容があったんです。
それは「安くってっていわれても困るけど、だいたいいくらぐらいを考えてるんやろうね」というセリフです。
僕はそれを聞いて、金額聞いてこんかったんやと思ったわけです。
金額を「安く」と言ってきている時点で、向こうは少しでも金額を押さえたいのであろうという事は明白なわけなので、まずはどのくらいの金額感なのかは聞いてこないと大変だと思うんです。
そして、そのあとに言った「まあ相場とか知らんやろうけどな」というセリフで違和感がどこにあるのかに気付きました。
おそらく、この話をしている方の中で、「相場としてはこのくらいやから、安くっていったらこのくらいだろうな」という前提で話を進めいているのではないかという事だと思ったわけです。
業界の慣習や相場なんて知らなくて当然
そこでまず考えるのは、相談してきた昔の知り合いが「相場を知らない」という事を思ってはいるものの、実際には「そのくらい知ってるやろ」という思い込みがあるんじゃないかと思ったんです。
制作をしている方なら相場もだいたいは分かりますが、そもそもこの同じ業界内ですら統一の単価などはなく、会社や人、関わる案件によって価格が変わるというのはよくある事です。
業界の事を知らない人が、その相場感が分かるわけないというくらいの気持ちで考えておく方がいいですし、実際知らない人の方が多いです。
同業者の見積りを見て相場感が分かっている人というのも、実はそんなに多くないんじゃないでしょうか。
なので、まずは相手が知っている前提というのをやめて、知らなくて当然なのだから、希望の価格を先に提示してもらい、その金額が適正かどうかという事をきちんと話し合った上で仕事として引き受けるのかどうかを判断すればいいと思います。
以前「友達価格での対応はしていませんし、するつもりもありません。」という記事でも書いたように、友達だから安くする、安くなるという事を相手からいわれる事ではありませんので、そこは友達や知り合いであればきちんとしておく方が今後の良い関係を築けると思います。
人を一方向からだけ見て判断して上からものをいうという愚かな行為
また、話を聞いていて違う事も考えていました。
それは、相手がこちらの業界の事を知らないであろうという事から、相手に対して上から目線で少し小馬鹿にしている様な感じのニュアンスが感じられた事です。
これは本当に駄目な事ですが、そもそも相手は自分で出来ないから相談しているのであって、知っていたり詳しいというのは例外的な事であるはずです。
仕事として受けるのであれば、そこはきちんと把握しておかなければいけませんし、Webの事を知らないからといって小馬鹿にするのはすごく愚かな行為だと思います。
こちら側はサイトを作る事が価値となりますが、相手の価値はそこにはないはずです。
そういう事をしっかり考えて、相手の立場に立って考える事こそが必要だと思いますし、それを一方的な視点から蔑んで見る様な態度はするべきではないと思います。
ひとにやさしく
こういう事を書いていると、いつも思うのですが受託で制作をするという事であれば、その依頼者が「なぜ」サイトを作りたいと思い、「何を」こちらに対して期待していて、「どういう」事をサイトに期待しているのかくらいは考えないといけないと思います。
これは、相手の立場に立って考える事で、サイトが生む価値やその未来に自分がどういう形で参加するのか、それをなすためには何をしないといけないのかという事を考えるという事で、それこそがお客さんが望んでいるこちらの姿勢なのではないでしょうか。
制作という仕事をしていると「作る事」に主眼が置かれがちですが、お客さんが望んでいるのは「成果物のみ」ではないという事を考えましょう。
こういう時には「人に優しく」するというのがどういう事なのかという部分と考え方が似ていると思います。
押しつけや決めつけではなく、相手の目を見て話をする事が大切で、相手の気持ちになって接する事が大切です。
ついつい忘れそうになるかも知れませんが、そういうときこそひと呼吸をおいて相手の気持ちを考えてみるようにすれば、自分が制作者としてどういう位置づけでお客さんと接していく事が出来るのかと気付くと思います。