クレッジットカード決済をしないことによる機会損失について思うこと。
Publish2016/02/16(火)
Update2020/11/25(水)
先日こんな記事を読みました。
日本にもっとクレジットカード等が使える場所が多ければ、買い物をもっとしたのに…と回答した外国人観光客は約70%という統計結果に。
僕は結構カードで買い物を済ませる方なので、この記事を読んで「まあそうだろうな」と思ったわけですが、意外にこういう点って軽視している人がいるのかもしれないなと思うので、記事にしてみようと思います。
クレジットカード決済を導入するデメリットはなんだろう。
まず、クレジットカードでの決済を導入していないお店がなぜカード決済を導入しないのだろうということを考えてみます。
理由はいろいろと考えられますが、大きなところだと
- 仕組みがよくわからないので難しそう。あとめんどくさい。
- クレジットカードだとお金が入金されるまでに時間がかかるので、キャッシュフローが悪くなる
- 手数料が取られるので利益率が悪化する
といったデメリットが考えられます。
ではそれぞれのデメリットがなくなれば、導入しない理由は特になく、導入によるメリットが出てくるので、導入が進むということになるのではないでしょうか。
そこで今回はスマートフォンでカード決済を行う手段の一つとして「SQUARE」を例にして考えてみようと思います。
なお、今回SQUAREを取り上げましたが、ステマ記事ということでもありませんし、SQUAREだけがオススメとも思っていませんので、あくまで一つの参考例として考えてみているという前提でお願いします。
カード決済を導入することは敷居が高い?
まず考えるのは、導入の難しさ。
クレジットカード決済を導入する場合、クレジットカードを読み取る端末を導入したり、既存のシステムを変更したりする必要があるわけで、そこのめんどくささがあると思うんです。
SQUAREの場合だと、アカウントを登録するとカードリーダーが郵送で送られてきて、そのカードリーダーとスマートフォンにインストールしたアプリを使うことでカード決済を開始することができるという手軽さがあります。
既存のシステムとの連携は難しそうなので、そこの点については対策を考えないといけませんが、これからビジネスを始める場合であれば特にその辺もネックにならないんじゃないかなと思います。
クレジットカード決済の場合のキャッシュフローの改善を考える
次に考えるのがキャッシュフローの悪化について。
ビジネスを行う上で、しかも小売の場合にキャッシュフローが悪化するというのは黒字倒産などリスクが高まるということでもあります。
黒字倒産はビジネスをしている人だとイメージつきやすいかと思いますが、一般の人にはそうでもないので軽く説明しますと、企業は黒字を出していても手元にお金がないと資金繰りが悪化して倒産します。
売上を上げるだけではなく、きちんと現金化しないと会社を存続させることはできないわけです。
ということを考えると、経営者としては少しでもキャッシュフローをよくしたいと考えるのは当然なわけです。
クレジットカード決済に対応することで資金繰りが悪くなるということであれば導入は控えたくなるのは当然ですね。
SQUAREの場合ですと、こちらのページに記載されている情報だと、最短で翌営業日の入金ということになっています。
即日キャッシュにはさすがになりませんが、1日のタイムラグくらいであれば大きなリスクにはならないように思います。
カード利用手数料や月額費用が導入の障壁になっている?
そして気になるのは利用手数料。
カード決済を使用することで決済手数料が発生し、その分利益を圧迫するというリスクが考えられます。
SQUAREの場合は3.25%の手数料がかかるようです。
なお、初期導入費用・月額固定料・口座開設費用・銀行振込手数料・解約料・キャンセル料などの利用手数料以外の諸費用がかからないようなので、純粋に売上の3.25%のみがかかってくるということになります。
利益率の低い商品や単価の高いの場合だと、3.25%も馬鹿には出来ませんが、比較的良心的な値段設定だと思います。
考えられる対策としては、クレジットカード決済の場合に、手数料を上乗せした金額で決済してもらうなどすれば、対策はできると思います。
利用者の負担にはなりますが、3.25%の手数料を払いたくない人は現金で決済すると思いますし、3.25%払ってもカードで決済する方がいいという人はカードで決済するはずなので、利用者側で選択することができるという点でもお店側のデメリットはあまりないように思うのですがどうでしょう。
追記:親切なTDさんから、日本国内では「商品やサービス代金に加盟店手数料を上乗せし請求すること」が禁止されているという指摘をいただきました。
違う形の企業努力が必要ですね。法律にのっとった範囲で。
加盟店は、有効なカードを提示したカード利用者に対して、商品の販売代金およびサービス提供代金について手数料等を上乗せする等現金客と異なる代金の請求をすること、ならびにカードの円滑な使用を妨げる何らの制限を加えることをしないものとします。
https://squareup.com/jp/legal/ua
旅行者の気持ちになったときに考える現金とクレジットカード
いろいろ考えると、デメリットは確かにありますが、工夫次第でデメリットはなくなるように思います。
そして何よりも、カード決済が可能になることによってこれまで利用をためらっていたお客さんに利用してもらえるようになるというメリットが発生すると思います。
例えばの例で、ここで読んだ記事のユーザーに話が戻りますが、外国人観光客の場合を考えます。
外国人観光客の場合、まずお店の常連だったりリピーターである可能性は低いです。
要するに、お店を利用するのが初めての場合が多いということです。
なので、利用する時に「ここを利用しても大丈夫だろうか」という不安がある可能性が高いと思われます。
自分が旅行するときのことを考えると、手持ちの現金はいざという時のためにある程度手元に置いておきたいですし、海外の場合だと自国の通貨や紙幣を換金するのは面倒です。
カード決済だと、手持ちの現金を減らすこともないですし、換金の手間も減るのでかなりメリットがあると言えます。
めんどくさいことが減るということは、同時に財布の紐も緩むことでもあるわけで、購買意欲が高まりやすいということも考えられるでしょう。
こう考えると、海外からの旅行者から見るとカード決済ができることはかなり大きなメリットであり、お店を選ぶポイントでもあると思います。
冒頭の記事でこのような結果が出たのも、ある意味当然の結果とも言えるのではないかなと思いますね。
まとめ
最近は特にそうですが、海外からの旅行客がとても増えています。
日本の人口が減っていく過程で、外国人観光客相手のビジネスは、以前のように観光地だけの問題ではなく他の業種にとっても大きな比率になってきているのではないでしょうか。
そういう状況の中で「カード決済」という手段を利用しないという選択はビジネスの可能性を狭める選択でしかないように思います。
もちろん現在の業務形態や業種によってはその必要が全くない場合ということもあるでしょう。
僕のようにWebを作ったりコンサルしたりする人のように現金商売ではない場合とかはカード決済の恩恵を受けづらいわけですし。
ただ、そうやって自分のビジネスの視野を決めるのもまた面白くないなとも思うわけです。
例えば僕の場合だと、ふにすWeb相談所では基本無料対応ですが、有料の場合の支払い方法にカード決済を導入するなど、可能性としてはゼロではないです。
自分の思い込みやめんどくささ、デメリットばかりを考えずに、そのデメリットを克服する方法を考えたり、その変化によって利用者や自身のメリットになる取り組みとして取り入れるかどうかがビジネスをもっと面白くするための方法なんじゃないかなということを思っています。