弘前城の桜とりんごの木の生育ノウハウの話。
Publish2015/10/27(火)
今日は先日行った青森で聞いてきた面白い話について書きます。
青森といえばりんご、りんごといえば青森というくらい青森はりんごの町で、実際に飲みに行った帰りにりんごをもらったり、隣の席ではりんごの育成談義に花を咲かせていたりと、りんごにまつわる話がすごく多いわけですが、そのりんごの育成ノウハウが他のことにも生かされているということを知っていますか?
樹齢100年越えの桜・ソメイヨシノに使われているりんご農家の育成ノウハウ
りんごの育成ノウハウが生かされているのは、弘前城にある桜(ソメイヨシノ)です。
弘前城の桜は、一つ一つの枝に咲く花の数が多いので、同じ一本の木でもより多くの花が咲くということでその業界の方には有名だそうです。
僕も実際に花が咲いている様子を見たわけではないのですが、過去の写真などを見ると確かに他の見慣れた桜よりも「詰まっている」感があります。
この花の咲く数にりんごの育成ノウハウが使われているということです。
りんごの木になるりんごは、毎年農家の方がその時の状況を見て摘んだりして調整しているということを知っていますか?
花を摘めばりんごが受粉しないのでりんごの数をコントロールするためにそうしているようです。
数が多ければ一つ一つの甘みが減ったり身が小さくなったりするので、木の状況を見て適正に花の数をコントロールすることが美味しいりんごを作るために必要らしいです。
しかも、りんごは次の年の収穫量も計算に入れて花を摘む必要があるので(毎年りんごの花が咲く箇所は変わるらしいんですが、その前の年の木の状態から来年にはここに花が咲くとわかるらしいです。)、それを見越して剪定を行ったりもするそうです。
りんごという植物が、人間の手によって完全にコントロールされ、毎年安定した収穫が行えるようになっているように、桜の花も同様に人間の手でコントロールすることによって花の数が多くなったり少なくなったりするらしいんです。
この話を聞いて「これはやばい」と思いましたね。
圧倒的なまでの知識と経験によって望むべく成果をコントロールすることができているということですから。
しかも、りんごの木で使われている接木などの技術も桜に活用され、寿命が60年くらいと言われているソメイヨシノが、弘前城では樹齢100年越えが300本もあるそうです。
もう話を聞いていて面白くて仕方なかったんですが、同じ樹の植物とはいえ、りんごと桜がこういう形でコラボしていたというのはすごく面白い話だと思います。
弘前に行った時には、りんご農家の方と弘前城を観光して、桜がどういう風に管理されて育成されているのかを聞くとめちゃくちゃ面白いと思います。
異業種のコラボにも使える柔軟な連想と発想
この話を聞いて思ったんですが、りんご農家の方のりんごの育成ノウハウが桜に転用できたように、今している仕事が他の何かに転用できることっていうのは実は意外に多いんじゃないかと思うんですよね。
それが具体的に何かというと難しいですが、仕事に真面目に取り組んでいれば必然的に専門性の高い内容に踏み込んでいくと思います。
そこで知り得たノウハウやスキルは、他業種の同じ側面を持つ仕事に活用できると思うんです。
問題はどこでその情報と触れ合うかだけだと思うんですが、何かしらのタイミングで関連性のある情報に触れた時、「これってこっちでも活用できることなんじゃないか?」と気付くことがあると思います。
そして、その技術やノウハウを活用することで、より高いレベルで新しい価値観を生み出していけるんじゃないのかなと漠然と考えています。
弘前城の桜のように、花の数が多く寿命が長いというような競合の桜と比較して突出した特徴を持たせる場合などは、特にこの考え方が重要だと思うわけです。
しかしこのりんごの話はすごく面白かったです。