Webの世界の普通はよく変わる
Publish2014/04/30(水)
こないだ行ったふにセミWS02の話ですが、本編の最後の方でした話が面白かったので紹介します。
セミナー中のフリートークの時間に、「ブログを見る時に最近はモバイルからの流れが増えてきた」という話題になりました。
でも、もう一歩踏み込んで考えてみると、モバイルが増えたという事は間違いないのですが、それよりもっと根本的な部分が変わってきているということ、その事を意識している人は少ないんじゃないかという話になりました。
それは「アプリでブログを見ている」という事です。
アプリが変えた普通の概念
これまで、Webにアクセスするときは基本的に「ブラウザ」で見るのが普通でした。
そんな事はいわれなくても知っていると思いますよね。
普通っていうのは、あえて意識しなくても自然にそうしている事、その行動に違和感を感じていない事が普通という状態だと僕は考えています。
その考えからすると、現在のようにiPhoneでFacebookのアプリを見て、リンクがしてあるサイトをタップして、アプリでサイトを見ているという行動も、「誰もそこに違和感を感じていない状態」だと思うわけです。
わざわざアプリで見ているのが気持ち悪いから、Safariで見直そうとかする人はごく一部だと思いますし。
ということは、みんな知らないうちに「アプリでサイトを見るのは普通」という状態になっているわけです。
これはすごいですよね。
特に意識する事なく、知らぬ間に自分の普通という価値観ができているという事です。
自分が意識しないうちに自分の普通という価値観が変わっているというのは、けっこうびっくりする事実だと思いませんか?
普通っていうのは個人で違うもの
そして、この「普通」という感覚は、上で書いたようにその人の過ごす生活習慣や環境が大きく影響しているんです。
Webでの普通という概念の部分でも、僕のようにずっとWebと接している人と、Webの事はなんかよく分かんないという人では、そもそもの「普通」という部分が異なるわけです。
Web以外でも、人によって「普通」という感覚は違うんですが、どうしても自分からすると普通のこと(できていて当然だと思うし、人も当然それができる、理解している)なのに、見当違いな事を言っているのかなと思ったりするのはそういう部分が原因ではないでしょうか。
この人によって普通という感覚が異なるという事自体も忘れがちなので、意識しておく必要があると考えています。
これからの普通って何だろうね
話を戻してWebの世界の事ですが、アプリの登場によってこれまで絶対的な普通の位置にいたブラウザは若干影響力が少なくなっているように感じます。
これからモバイル端末がどんどん増えていくと予想され、デスクトップ端末がマイノリティな存在になっていく中で、ブラウザの影響力は確実に衰えていき、アプリが強くなっていくというのは当然の流れだと思います。
だとすると、これまでWeb制作の世界で当然とされていた「ブラウザで確認」するという常識も数年後には常識ではなくなっている可能性があります。
ついこないだもWindowsXPのサポートが終了し、先日にはIEの致命的な脆弱性が発見された事がニュースになりました。
このニュースも、一つの時代の終焉を意味するものではないでしょうか。
作っている人も、利用している人も知らないうちに普通の概念は更新されていきます。
いつまでも過去の慣例や経験にばかり頼っているとそのうち全然ついていけなくなる可能性があります。
普通は変わるもの、それを当然の事だと心に刻んでおけばより臨機応変に時代の中で柔軟に対応していく事ができるようになると思いませんか?
僕はそういう風に思います。