Web系の勉強会参加者の高齢化問題について考えてみた。
Publish2015/12/17(木)
今日はこの記事「Webのセミナーに参加して最近思うこと。」を読んで、返事が書きたくなったので勝手にアンサー記事にします。
Web系勉強会参加者の高齢化とは?
まず前提として、最近行ってるWeb系の勉強会は、例外を除いて一部高齢化してきているなと僕は思ってまして、件の記事にあるような若い人が前でしゃべれないというよりもう一つ前の「そもそも若い人がWeb系の勉強会に来ていない」と思っています。
来てないので、必然的に前で喋れるような人自体がレアだし、余計にしゃべれない空気感も生まれていると思います。
若い人が来ないので、必然的に今来ているメンバーが年を重ねる事により全体的に高齢化していくわけです。
もちろん僕もその片棒を担ぐような結果にはなっているんですけど。
その辺を踏まえて、ではどうすれば若い人がWeb系勉強会に来るようになり、前でしゃべる人が増えていくのかということを前向きに考えてみようと思います。
例外な事例:若い人が比較的多い勉強会の特徴(私見)
アイデアを出す前に、全体の傾向として高齢化している中で、逆に若い人が多く来ている印象の強い勉強会やイベントはどういうものかを考えてみます。
とはいえ、僕が行動している範囲での私見になるのでかなり主観が入るのはご容赦ください。
主催者自体が若い
まずこれは当然と言えば当然ですが、若い人が主催になってやっているイベントや勉強会は必然的に若い人が集まりやすくなります。
これは同じ属性という面もありますし、告知経路を考えれば同じ世代に届きやすいという理由もあるかと思います。
要は年取った人のやっているイベントよりも同じ世代の人がしているイベントの方が行きやすいという事ですね。
これは誰でもそうだと思いますが、やはり同世代に訴えかけるというのは基本的なことでしょう。
ここから僕が思う事は、今イベントを主催している人が辞めるという事ではなくて、若い世代の人でイベントをしたいなと思っている人にイベント運営のノウハウを教えて暖簾分けするようなイメージになるかなと思います。
これまでイベントを行ってきた経験や実体験に基づく知識などは主催をしないと得られない経験なので、そこを知っておく事で若い人が行うイベントも成功する確率や継続する可能性が上がってくるかと思います。
これは実際に教えるという事をしなくても、CSS Niteの鷹野さんが以下のリンクでされているように、運用していく上でのノウハウを公開する事で、より多くの人が同じレベルのスタートラインに立つという事も可能だと思います。
出演される方へ
今のイベント主催者側自体が積極的に次の世代に伝えていく事をしていくというのが一つの方法かと思います。
男女構成比率で女性の比率が高い
次に思うのは男女構成比率です。
僕がよく行ってるリクリとかがその傾向強いんですが、参加者の女性参加者比率がすごく高いです。
これは勉強会自体の空気感も変わりますし、すごく重要な要素だと思っています。
男は多分誰でも女性の前で少しでもいい格好をしようと思うところは多かれ少なかれあるかと思いますので、その絶妙な緊張感のようなものはあった方がいいですよね。
男ばかりの勉強会に行くと平気で下ネタ話す人もそういう場では下ネタは話さなくなるので、勉強会自体の品性も上がってきます。
とはいえ、リクリの場合は主催のこやみーさんという存在があってこその部分ではあるので、誰もが真似はできないですが、例えば受付を女性にしてもらうようにするだけでも随分と会自体の雰囲気は変わるかと思います。
男性でも女性でも気軽に参加できそうな空気感を出すという意味で大切な要素だと思います。
比較的新しいイベント
次に思うのは、イベント自体が初回とか2回目とか、比較的最近始まった勉強会の場合ですね。
これは単純にアルバイトでもオープニングスタッフが人気なように、まだ会自体の空気感が決定される前のフラットな状態だと参加にあたっての壁が薄いという事でしょう。
だからと言って続いている勉強会やイベントをやめて新しくやるというのも違うと思います。
ただ、新しいイベントには人の手垢が付いていない印象は強いので、その人の手垢がついていない感というか、誰が来ても安心して楽しめますよという事を伝えたり、そういう雰囲気作りをする事は大事だなと思います。
ここで思い出したのが、この会場の空気感という部分で内輪ノリが悪い影響を与えている可能性です。
少し前に話題になったConcrete5のひっしーさんの記事のことです。
マイナス要素の排除。勉強会の内輪ノリ
イベント自体に若い人が来ていない理由の一つとして考えられるのは内輪ノリです。
まずはひっしーさんの記事を読みましょう。いいことが書いてあるので。
IT勉強会の内輪ノリは是か非か
ただ、ひっしーさんの言う「思てたんとちゃう!」というのは確かにそうなんですが、いくら「誰が、どこで、誰に向けて、何の目的で、何をするのか」をきちんと出せていたとしても、参加してみたら身内ノリだらけでは次に参加しようというモチベーションは起こらないかと思うんですよね。
前提として「誰が、どこで、誰に向けて、何の目的で、何をするのか」を出すのはミスマッチを防ぐ上では非常に重要ですが、参加してみて「また来たい」と思えるような体験を作る事は大切で、そう思うにはそこで得られた経験が重要だと思います。
その経験を阻害するのが内輪ノリという部分であることに僕としては疑いようはないです。
はっきり言って内輪ノリが始まっている時点でその勉強会は終わりに向かっていると思うんです。
勉強会で仲良くなるのはすごくいいことですが、それと新しい人に対して排他的になるのとは違う話ですので、それはそれ、これはこれと分別をつけることは大切です。
LTをするということ
さて、内輪ノリのことで少しあつくなってしまいましたが、ポジティブに考えましょう。
僕が思う、今日の本題「若い人が積極的に参加できる勉強会になる」ために大切な要素はLT(ライトニングトーク)にあると思っています。
LTはだいたい5分間で自分の話したいことを話す場所という感じで勉強会などで行われることも多く、比較的前でしゃべった経験のない人でもしゃべってOKというような気軽さがあります。
気軽に経験のない人でも喋れるというのはすごく重要で、LTを入口として人前でしゃべる事ができるようになっていくという道もあるかと思うんですよね。
WCANの場合
LTといえば、先日WCAN2015Winterで僕もLTをしてきました。
WCANは名古屋地区で最大のイベントなので、規模も大きく参加者も200人を超える方が参加していた大きなイベントです。
そんな大きなイベントでLTとはいえ話ができるという機会はそう多くないです。
僕の次にLTをしていた方は二十歳くらいの方でしたが、そのくらいの年齢であれくらいの大きな規模のセミナーで話をする機会というのはかなりレアです。
おそらく、WCANでも若い人を増やしてイベントの新陳代謝をよくしていこうという事を考えておられて、その一環として誰でも参加できる枠としてLTを用意されているのではないでしょうか。
まずしゃべる機会を作るという意味でLTがすごく大きな役割を果たしているとてもよいケースだと思います。
関西フロントエンドUG 年忘れLT大会の場合
次に最近であったことだと、僕は参加してませんが知り合いのかたがLTをされてた「関西フロントエンドUG 年忘れLT大会」でも面白い事例がありました。
ここでは、高校生の方がLTをされたんですがその内容が面白いとその界隈では話題になってました。
この方のスライドにも書いてありますが、このLT大会ではLTをするとピザをタダで食べる事ができるという特典があったようです。
LTをするのも人前でしゃべることなので、なかなか踏ん切りがつかない人もいると思いますが、「ピザもらえるししゃべってみよう」と思う人もいるでしょうし、「ピザに目が眩んだ風にして、LTにチャレンジしてみよう」という恥ずかしがり屋さんもいるでしょう。
なんにせよ、ピザという外部要因を持ってくる事で「誰でも気軽にLTをして大丈夫」という空気が作られていた会場であったことは想像に難くないです。
まとめ
まとめと書いておきながらまとめるつもりもないですが、Web系勉強会に限らず「高齢化」と「マンネリ化」「停滞」は必ず出てくる問題です。
若い人というわかりやすい例で書きましたが、用は年齢に関係なく新しい人が増えていくための仕組みや会の活性化というのは何かしら主催者側は考えていかなければいけない問題だという事です。
小さな勉強会やセミナーしか主催していない僕が言う事でもないかもしれませんが、参加する人たちみんながそういう意識を少しでも持って参加するとまた違ってくるようにも思うので、この話題を書きました。
勉強会やセミナーに参加する際に少しでも何かしら考えるきっかけになれば幸いです。