webに関係するすべての人が目を通したほうがいい「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」
Publish2023/04/21(金)
今回は、webに関連する人すべてが対象と言ってもいいほど、より多くの人に読んでもらいたい書籍があるので紹介します。
今回紹介するのは「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」です。
ウェブアクセシビリティ導入ガイドブックの特徴
ウェブアクセシビリティ導入ガイドブックは、デジタル庁がweb上に無料で公開しているオンラインの書籍です。
ウェブアクセシビリティを担保したwebサイト/ホームページを作成するための手助けとなる内容が記載されているのですが、ウェブアクセシビリティのことをよくわかっていなかったり、これから対応しようと思っていたけどなにからはじめていいのか分からないという初心者の方はもちろん、ウェブアクセシビリティのことは一通り理解している方でも、まとめて確認することで再度内容を復習するということにも有用な内容となっています。
この内容を無料で読むことができるというのが本当にすごいことなので、ぜひ確認しましょう。
なお、この内容は最初に公開された状態から適時アップデートされており、この記事を公開している2023年4月21日現在でも初版から4回のアップデートが行われています。
ウェブアクセシビリティ導入ガイドブックで個人的にここがいいなと感じた点
この書籍を僕も一通り読んだのですが、その中でここが素晴らしいなと思った点がいくつかありました。
具体的な内容は読んでいただく方がいいので割愛しますが、考え方の部分で深く同意できるものを2つ引用して紹介します。
ウェブアクセシビリティは、利用者の障害の有無やその程度、年齢や利用環境にかかわらず、ウェブで提供されている情報やサービスを利用できること、またはその到達度を意味しています。
ウェブアクセシビリティ導入ガイドブックP.8
まず最初に勘違いしがちな、「ウェブアクセシビリティ=障害を持つ人のための施策や対策」という部分を決してそういうことではなく、すべての人が対象であるということが明記してある点です。
後で紹介されますが、障害の場合でも先天的な障害もあれば後天的な障害もありますし、一時的に障害となる場合もあります。
分かりやすくいうと、事故によって手足が自由に動かせなくなったとか、自宅にメガネを忘れてきて文字を視認しづらくなったなどのケースです。
これらの場合は、時間の経過によって問題が解決することもあるわけですが、誰もがその可能性があると考えられるものです。
また、人は加齢によって身体能力が低下するので、今は大丈夫だと思っていても将来に渡って大丈夫である可能性もないわけです。
そう考えると、ウェブアクセシビリティを考慮したホームページにしておくことはすべての人にとってのメリットになると言えると思います。
アクセシビリティ対応は、誰かひとりが担当するものではありません。受発注のプロセスの中で、様々な担当者が役割を分担しながら進めることになります。開発した後で最後にチェックすればよい、とならないように、企画・調達段階からアクセシビリティ対応を意識して進めていきましょう。
ウェブアクセシビリティ導入ガイドブックP.36
ウェブアクセシビリティの対応を行う場合、負担がどうしても一人に集中するというケースがありますが、そこは各個人の業務負荷軽減のためにも一人に任せるのではなく関連する全員が当事者意識を持って対応することが好ましいわけです。
例えば、ホームページのマークアップ担当者だけがウェブアクセシビリティに対応したホームページにしようとしても実現は難しくなります。
色のコントラストなどはデザインを担当する人が考えて対応したほうがいいですし、コンテンツ構成や文章に絡む部分は企画段階で考慮しておかないとどうにもならないケースもあります。
そういう状態を防ぐためにも、この書籍などを通じて関係するすべての人が一定以上の知識と当事者意識を持つことが大切になってきます。
その他にも、重要度に応じての具体的なケースと対策方法が丁寧に紹介してあります。
自身のホームページで該当するケースがあった場合に、どのような形で対応するのが好ましいのかがよくわかりますので、とても参考になると思います。
ウェブアクセシビリティを確保したホームページを運用しよう
この書籍を読むことで、ウェブアクセシビリティに対する理解度が深まるということはイメージできたかと思います。
個人的には、ウェブアクセシビリティを意識しているホームページがより多く運用されていくことは大歓迎です。
上記でも書いたように、ウェブアクセシビリティは一部の人に対するサポートではなく、すべての人が対象です。
僕自身も歳を重ねていくことで視力が落ちてきていたり、まだなってないですが老眼になる可能性も高いわけです。
そういうときに、ウェブアクセシビリティが確保されたホームページが普及していれば、情報を確認することへのハードルが低くなります。
より多くの人が便利に使えるインターネットであるということはすごく大切なことだと思っているので、この書籍を読んでできることからはじめていくことをおすすめします。