サーバーへのデータの転送・アップロード方法。FTPの使い方・基礎知識
Publish2011/01/13(木)
今回はサイトに表示させたいデータを、サーバーにアップロードする方法と、具体的な手順を説明します。
「サイトを作ってみたけど、どうやって公開したらいいのか分からない…。」というふうに考える初心者の方向けの記事です。
概念的な部分の説明から、具体的な手順まで紹介しますので、この記事を読んでいただければ一通りのことができるようになるかと思います。
目次
サーバーにデータを転送・アップロードさせる方法
まずは基本的な考え方の部分です。
サイトはどうやって表示されていると思いますか?
CMSなどではちょっと違う場合はありますが、基本的にはWebサーバーと呼ばれるマシンにサイトとなるデータをアップロードすることで、サイトが表示されるというのが基本的な考え方です。
Webサーバー上の、ドメイン側で指定してあるフォルダにデータを転送すれば、サイトとしてブラウザで確認できるようになります。
つまり、サイトを作るということをする上で、サーバーにデータを転送・アップロードすることは切っても切れない関係になります。
作るだけではなく、例えばPDFやエクセルなどのドキュメントを一般の人にダウンロードしてもらえるようにする場合も、サーバー上にデータをアップロードする必要があります。
サーバーへのデータの転送方法を知らなくてもサイトを運用することはできなくはないですが、知っておくとより広い範囲のことができるようになるので、知っておいた方がいい知識だと思います。
では、サーバーにデータをアップロードする場合に、何を使ってどのようにアップロードすればいいのでしょう。
転送方法は色々ありますが、一番一般的で初心者でも比較的簡単に使うことができるFTPを使ってデータを転送する方法を紹介します。
FTPとは?
FTPという言葉を聞いたことがない人からするとちょっと分かりにくいかもしれませんが、簡単に説明するとFTPはファイルを転送するための規格になります。
ファイルを転送するための規格の一つであるFTPという仕組みを使って、サーバー上にデータをアップロードするという風に考えてください。
このFTPという仕組みを誰でも簡単に使えるように、ソフトウェアとして作ったものが「FTPクライアントソフト」です。
「FTPクライアントソフト」を使わなくてもFTPを利用することはできますが、かなり難しくなるので、初心者は無理せず「FTPクライアントソフト」を使いましょう。
よく使う「FTPクライアントソフト」は以下で紹介します。
FTPクライアントソフトの紹介
FTPクライアントソフトは、色んな種類のものがあります。
今回は僕が使ったことがある3つのソフトを紹介します。
FFFTP
最初に紹介するのは、Windowsで最も使用されていることで有名な「FFFTP」です。
Webでサイトを運営している人で知らない人はいないといっても過言ではない定番ソフトです。
シンプルな画面構成で初心者にも分かりやすいデザインなので、Windowsを使っている人はまずこれから使ってみるという人が多いです。
一時期ガンブラーというウィルスが流行ったことがあるのですが、その時にこのFFFTPが原因でサイトが改竄されたという話がありました。
しかし、現在のバージョンではマスターパスワードを設定する事でその対策がなされました。
対策がされたので、安心して使用しても大丈夫ということですが、使用される場合はその点を把握してから使う方がいいかと思います。
なお、FFFTPはとてもシンプルでわかりやすいのですが、連続転送の際に接続が切れてしまうということも報告されていますし、実際に僕も何度か経験しました。
今はFFFTPを使用していないので、現在もそういう状況なのかはわかりませんが、少し不安があるというのが正直な感想です。
単純なHTMLを100個くらい転送するレベルであればこのソフトで十分ですが、大量のファイル転送時にはけっこうエラーがでるので慣れている人以外はあまり使わなくなる入門編のソフトです。
FFFTP
Cyberduck
次に紹介するのが、Macを使っている人に一番よく使われている「Cyberduck」です。
Cyberduckはその名のとおりアイコンのアヒルが印象的なソフトです。
使い勝手もいいと評判ですが、僕はなんだか理由はよくわかりませんが、使いづらいなと感じたので、1週間ほどだけ使った程度です。
そのため、いい点も悪い点もあまり把握できていません。
しかし、一番使用しているユーザーが多いソフトでもあるので、困った時にGoogle先生に聞けば的確な返事を返してくれるというメリットはあります。
Cyberduck
Filezilla
最後に紹介するのが、僕が今でも使っているFTPクライアントソフトの「Filezilla」です。
FilezillaはFTPSも使えてパスワードも保存しない設定ができるので、セキュリティ面でも優秀だと思います。
大量のデータ転送でも接続が切れないのもいいですし、使い勝手がよいというのもポイントです。
具体的には、FFFTPだとアップロードしたい先のフォルダに到達するまでに、フォルダをダブルクリックしないとたどり着けないのですが、Filezillaの場合はフォルダの横にある+印でファイルを展開して先に進めるようになるので、奥の方にあるフォルダでも時間がかからず到達できるので作業効率がいいです。
例えば「www/win/win/mac/mac」という場所にアップロードしたい場合はFFFTP場合ダブルクリックを5回ですがFilezillaの場合はシングルクリックを5回で済みます。
細かい事ですが、これだけで作業している時のストレスはかなり減ります。
また、アップデートのサイクルも比較的早く、しかも最新版へのアップデートが自動的に通知されるという点も素晴らしいですね。
痒いところに手が届くおすすめのソフトです。
Filezilla
ではこのFTPクライアントソフト「Filezilla」を実際に使用してファイルの転送・アップロードをしてみましょう
FTPソフト(Filezilla)での操作説明
Filezillaを使用してファイルをサーバーに送信する手順を説明します。
その前に、サーバー管理者さんから以下の情報を聞いて用意しておきましょう。
これらがないと接続をする事ができません。
- ホスト名
- ユーザー名
- パスワード
- ポート番号(指定があれば)
- その他備考(PASVモードでないと接続できないとか)
まずはソフトを起動します。
すると以下のような画面が表示されす。
画面の説明をしておきますと、画面の左側がローカル(使っているパソコン側)で右側がサーバーになります。
左から右にファイルをコピーする事で、データが転送されるというようなイメージです。
このままではサーバーに接続できていませんので、画面左上の「サイトマネージャーを開く」のアイコンをクリックします。
すると、以下のような画面が表示されます。
この画面では、サイトの接続情報を設定します。
画面左下の「新しいサイト」をクリックすると、画面のようにサイトの設定用の名前を入力する部分が表示されます。
ここに任意の名前を設定し、用意しておいた「ホスト名」「ユーザー名」「パスワード」を「一般」タブの項目に記載していきます。
ログオンの種類は「アカウント」に設定し、「アカウント」項目には任意の文字列を入力しましょう。
入力が完了すると、「接続」をクリックしてサーバーに接続します。
接続が正常にできると、画面の右側にも左側と同じようにパソコン内のフォルダ構成が表示されます。
ちなみに、画面右側を右クリックして、サーバーにフォルダを作成するという事もこの段階でできるようになります。
では実際にアップロードしましょう。
画面左側の「test.html」のファイルを転送する場合は、「test.html」を選択後、右クリックメニューから「アップロード」を選択します。
すると、アップロードが行われ、画面右側に「test.html」がコピーされている事が確認できます。
また、この形ではなくても、画面右側に対象となるファイル自体をドラッグする事でもアップロードする事は可能です。
FTPを使う作業自体はこんなものですので、最初こそちょっと分からなかったりとっつきにくい感じはありますが慣れるととてもシンプルで簡単です。
ちょっとした作業だけであれば、FTPを使って自分でアップロードした方が修正が早く済む場合の方が多いです。
FTPを使用する際の注意点
FTPを使用する場合の注意点は、対象ファイル以外を誤って削除しないように気をつけたり、同名のファイルなどを上書きアップロードしないようにするといった点に気をつけましょう。
これらの作業は、場合によってサイトが表示できなくなったりする事もありますので、使い方を誤ると大変です。
そういうリスクもあるという事を把握した上で使いましょう。
あとは、作業を行う前にあらかじめサーバー上のファイルをダウンロードしてバックアップを取っておけば、万が一表示されなくなるなどの致命的なエラーがあった場合でも復旧させる事ができるようになります。
サーバー上のファイルを直接変更や削除ができるという便利な反面、危険も伴いますので、その点はあらかじめ理解しておきましょう。
まとめ
このようにFTPは使えると非常に便利です。
上記の例ではサーバー上で公開するファイルのみで説明しましたが、FTPで接続するサーバーもPCではあるので、社内の共有ファイルを公開されない範囲で共有したり(社内規約的にOKであればという前提です)、公開しても問題のないファイルであればサーバー上にアップロードして、ダウンロードしてもらうというような使い方もできます。
便利な反面使い方を誤ると大変なのはどういうツールを使っていても付きまとうものですが、FTPクライアントソフトも同じように使い方さえ間違えなければ、仕事でも非常に便利に使う事ができるツールになります。
非常に役に立つ知識になると思いますので、使用する環境がある人はやってみるといいと思います。