アクセス解析(GoogleAnalytics)から仮説を立てる時に押さえておくポイント
Publish2015/11/04(水)
Update2022/04/15(金)
この記事内ではGoogleAnalyticsのユニバーサルアナリティクスの紹介内容が含まれますが、2023年7月1日以降使用できません。2023年7月1日以降はGA4の使用を推奨します。
ホームページを運用する上で仮説を立てて検証をする事は大切な方法の一つですが、仮説ってどうやって立てたらいいんだろうと思われている方が結構いるように思います。
手法としてはいろいろありますが、今回はホームページに導入されている確率も高いアクセス解析「GoogleAnalytics」を使用して仮説を作る場合に、見るポイントを紹介しようかと思います。
基本的な指標の種類とその役割
まずはGoogleAnalytics自体の指標の基本的な見方をおさらいしましょう。
これらの項目がどういう意味を持っていて、どう使えるものなのかを知っていく事は重要です。
ということで、基本からおさらいします。
ページビュー数(PV)
ホームページの評価をするときに最も見る指標の一つがページビュー(PV)数です。
PVはページの表示回数のことで、よく間違われるセッション数やユーザー数とは異なり、単純に見られた回数の総数となります。
わかりやすく説明すると、1人の人が4ページを見た場合は4PVとなります。
セッション(ページ訪問数)
セッション数はPVよりも少しわかりづらいですが、一定時間内でのユーザーのページ訪問数になります。
セッションは、一定の時間単位で計算されていて、GppgleAnalyticsの場合は30分で1セッションになります。
説明が難しいですが、45分の間に一人の人がホームページを見ていると2セッションになります。
この時、一人のユーザーがどれだけの数のページを見ても2セッションになります。
ユーザー数
ユーザー数はもっと分かりやすくて、何人が見たかということを表す指標です。
単純に何人がホームページを見たかということを示しています。
ページ滞在時間
ページ滞在時間は、書いてるままですがページに滞在していた時間をあわらす数値です。
基本的には時間が長ければ長いほどよく見られているという認識になりますが、長すぎる場合は開いたまま離席したなど、見られていないという場合もあります。
直帰率
直帰率は、ホームページに訪れたユーザーが何もアクションを起こさずにホームページから離脱した場合の数値です。
離脱率と間違えやすいですが、離脱率と違い、「そのまま帰った」指標が直帰率になります。
ページの改善を行う上で重要な改善の指標によく使われる指標になります。
複数の指標を用いて仮説を立てる
基本的な数値の指標が分かってくると、その指標をどう分析していくのかという風に考えるのが次のステップです。
各数値のみを見ていても気づく事は多いです。
例えば、このページの直帰率が高いのでそこの対策をしようとか、そういう対策は見ていてすぐに気づけるポイントです。
また、PVをどう増やせばいいのかとか、ユーザー数の伸び率を見たりなども一般的に考えられる対策です。
実際の画面を見てみよう
言葉の説明だけだと感覚がつかめないかと思うので、実際の画面を見ておさらいしましょう。
ちなみに、このデータは僕の運営するあるホームページの画面で、このブログのものでもお客さんの画面でもないのでご安心ください。
とある趣味ホームページのデータなのであまり数字はありませんが、ある意味わかりやすいかなと思います。
この画面はGoogleAnalyticsにログインすると最初に表示される画面になります。
画面上部にはまずグラフがあります。
日付でどの程度波があるのかを把握するときにみる感じです。
このデータの場合だと、1450人が4944回ページを見たという感じです。
セッションだと2619になり、直帰率は71.67%です。
セッションあたりに見られているページ数はページ数は1.89Pで平均1分31秒見られています。
この状態から察するに、このホームページがブログなので直帰率は高いですが、セッション時間が1分半ほどあるので一応きちんと読まれているということは分かります。
このホームページの課題は直帰率をどう下げるのかというところと、セッションあたりのページ数をどう増やしてPVを増やすのかというところあたりが分かりやすい改善ポイントになるかと思います。
判断する指標を複数の視点で考えてみる
ホームページの改善を行うにあたって、一つの指標から改善点を探す事はもちろん必要なのですが、複数の指標から仮説を作り改善案を検討する事も重要です。
単一の指標では見えてこなかった問題の発見や、ホームページ自体をさらにスペックアップさせるための戦略のアイデアなど、アクセス解析の指標から見えてくるポイントを見つけましょう。
例えば、特定のページの流入キーワードと離脱率を検証し、キーワードとコンテンツ内容に齟齬があるために離脱率が上がっているのではないか?という仮説を立てるという事ができます。
この仮説は「流入キーワード」と「離脱率」の組み合わせからしか仮説を立てる事はできません。
この組み合わせ以外にも、いろいろな組み合わせで指標を解析してみて、「これってもしかしてこういう事が原因になっているのでは?」と仮説を立て、その検証をしてみる事でホームページの問題点が洗い出されます。
その仮説をもとにホームページの改善を行い、その結果を検証して改善が正しかったのかどうかを判断するのが次のステップです。
仮説の検証にもGoogleAnalyticsを使用する
解析結果から仮説を作った後は、その仮説が「正しかったか」「間違っていたか」を検証する必要があります。
検証にもGoogleAnalyticsを使用して、数値で結果を判断するといいと思います。
上記で説明した流入キーワードと離脱率の場合であれば、キーワードに合わせてコンテンツの内容を変更し、変更前と変更後の離脱率の違いを比較します。
この時に離脱率が対策前に比べて低くなっていれば仮説は正しかった事になります。
ただし、変更していない時と変わらないとか離脱率が高くなる場合もあります。
その場合は、仮説に誤りがあったと考える事ができ、他の原因が理由であると思われます。
実行した対策の内容を再度検討し、他の問題点を模索する事に気付けるので、やった事や仮説を立てる事が無駄になるという事もないかと思います。
また、検証を行う場合は、そもそももう少し時間を置いて検証するためのデータを蓄積する必要がある場合なども考えられます。
まずは実際にデータを見て、ホームページのどこに問題があるのだろうと考えるのも考えるという事が大事な事ではないかなと思います。
まとめ
GoogleAnalyticsも難しいと考えられがちなものです。
実際にやると、極めようとすればもちろん大変ですが入り口としては比較的間口が広い方かと思います。
上でいろいろ書きましたが、データを見て仮説を立てたりすることも、いわば人間の勘のような部分でもあります。
単純に勘であてずっぽうにやるのではなく、データという拠り所から仮説を立てて変更し、その結果をきちんと検証することでホームページはよりホームページの存在理由としての目的を果たせる理想的な状態に近づいていきます。
あとはこの工程をひたすら繰り返すだけです。
仮説、実行、検証を繰り返すことでホームページはどんどんよくなっていきます。
GoogleAnalyticsは現状分析だけではなく、未来予測にも役立つツールです。
理想的な状態のホームページにするためにアクセス解析を活用してホームページの運用を行なっていきましょう。