第43回リクリセミナー「Webデザイントレンド in 大阪 2022」に参加してきました。
Publish2022/06/03(金)
今回は久々に活動報告になるのですが、2022年5月28日(土)に中央会計セミナールームで行われた「第43回リクリセミナー「Webデザイントレンド in 大阪 2022」」に参加してきました。
当日は2022年前半トレンド速報も含めた「Webデザイントレンド大阪版120分スペシャル」と「フリーランスでなくても知っておきたい! インボイス制度について」、「オフラインだから聞いてほしい&聞きたい!お悩み・質問相談会+感想戦」の3部構成の勉強会でした。
当日の様子は以下でも確認できます。
https://twitter.com/hashtag/resem43
Webデザイントレンド大阪版120分スペシャル
まず、今回のメインでもあるデザイントレンドの本編です。
デザイントレンドという言葉からイメージするものは、最新のデザインや流行のデザインを追うものだと捉えられがちですが、Webデザイントレンドでのデザイントレンドの定義は「トレンドとは最先端ではない、時代に最適化されつつある現象」と定義し、すでに多くのサイト内で同様の傾向が見て取れる内容を取りまとめて考察するという内容なので、定量的な内容が含まれるために一過性の流行を追うようなものではないという点が面白いポイントです。
また、トレンドのデザイン要素をパターンで見るという特性上、実際に運営しているサイトにピンポイントで取り入れることもできそうなアイデアのヒント的な側面もあるので、サイトを運営する側でも「これを取り入れてみたら面白いかも」という刺激もあります。
個人的に、今回の内容の中でこれは面白いなと思った3点をかいつまんで紹介します。もちろん他にも面白い内容はありましたが全部書くと大変な量になるので…。
流れる文字
昨年のトレンドからもでてきていた流れる文字なんですが、技術的にはwebの初期からあるマーキーになります。
webの黎明期では一般的に取り入れられていたマーキーですが、一時期はあまり見ることがありませんでした。
そんなマーキーが今の時代に使われるというのも流行の回帰的な意味でノスタルジックな感じなんですが、さすがに以前と同じような使い方ではなく、デザインのあしらい的な要素として背景に使用されるというような使われ方をしているのが印象的でした。
背景動画とかもそうなんですが、画面内で動きを取り入れることで、アイキャッチができるので、ページの離脱率を下げるような効果も期待されているように思います。
また、スピンマーカーとして紹介されていた円窓型のアイコンのようなマーキーとかも、読むためのものというよりも装飾的な意味合いで使用されている感じかなと思いました。
もちろん使いすぎはNGですが、サイト内に取り入れる要素という切り口で考えると手軽で実用的なtipsかなと思いました。
モデル図
スタートアップ企業のトレンドの中で紹介されていたモデル図の部分が個人的なはけっこう印象が強くて、スタートアップ企業のような商品やサービスの抽象度が高い場合、
直感的なイメージが作りづらいという特徴があります。そういう特性を持った内容を紹介するための手法として、モデル図でわかりやすく表現するというアプローチは効果がありそうだと感じました。
他のコーナーで紹介されていた「早わかり」にも共通することではありますが、ユーザーがサイトで情報を取得するための可処分時間が減っている環境下で、「よりはやく」「より効果的に」情報を伝えるためには、文字だけの情報ではなく動画や図形、具体的な数値データなどで理解を深めてもらうというのは効果的だと思います。
UI stack
あと気になったのが、UI stackです。UI stack自体は結構前からある概念なんですが、名前を聞くまでその存在をすっかり忘れてしまっていました。
UI stackが何かというと、画面を5つの状態に分類し、それぞれの画面の状態を想定して作っておくという概念です。
UI stackは基本的にアプリを作成する場合に最も効果が出る手法かと思いますが、webでもその考え方を取り入れることでチェックの精度が上がるので取り入れたい考え方でもあります。
また、今回のセミナー参加者には登壇された矢野さんが実際に使っているシートを提供してもらえるという特典もあったので、実践できる環境を用意してもらったというもうれしいポイントでした。
UI stackの概念については以下ページがわかりやすいです。
Bad な UI を改善する 「UI Stack」 って知ってます?
フリーランスでなくても知っておきたい! インボイス制度について
第2部になるインボイス制度の紹介については、会場の中央会計の饒村さんがお話されていたんですが、専門家視点で見るインボイスの紹介が非常にわかりやすく、かつ面白い内容でした。
インボイスの対象はフリーランスというイメージがあってあまり詳しく調べてなかったんですが、今回の話を聞いて色々と見る視点が変わりました。
詳細内容については書きませんが、この話を聞いて感じたのは「これから先のフリーランスや消費税の非課税事業者は肩身の狭さ」です。
インボイスに登録している事業者かどうかが取引をするための条件の一つになった場合、インボイスに対応していないという時点でディスアドバンテージになるので、その時点で結構きついんですよね。
もう一ついうと登録事業者になる時点で実質的に収入が減るということも意味するので、その点での負担も大きいです。
なんにせよ状況はけっこう厳しいなと。でもこの情報は知っておくに越したことはないので、この機会に話が聞けて非常によかったと思います。
オフラインだから聞いてほしい&聞きたい!お悩み・質問相談会+感想戦
3部は質疑応答の時間でした。
事前に集計しておいた登壇者の皆さんへの質問に答えていくという内容でしたが、その中で面白かった2つの話を一部紹介します。
まず面白いなと思った質問が、値下げ交渉の話。
提案時に定価よりも安くで提案したのに、そこからさらに値下げされた場合どうするのが望ましいのかという趣旨の質問でした。
この話題はデザインとは直接関係はないのですが、登壇者のそれぞれの皆さんの仕事に対するスタンスが聞けたので非常に面白いテーマだったと思います。
個人的には、まず値引きありきで仕事をすすめるようなことはしてませんが、予算の都合で結果的に価格交渉になるケースというのはそこそこあるパターンだったりもするので、その際の選択肢にこういう対応もありかなという発見はありました。
次に面白いなと思ったのが、年上のおっさんデザイナーの教育についての話。
僕の場合は会社勤務ではないので、自分の意志で雇用しない限りこのシチュエーションになることはないのですが、会社員として働いている場合は自分の意志とは関係なくこういう場面に遭遇するケースもあるかもしれません。
ここで面白いなと感じたのは、登壇者のみなさんが皆一様にどう返事をするのがいいのか困っていた感じだった点です。
もちろん「おっさんデザイナー」という存在自体が定義が難しいですし、そもそも「人による」という答えがある以上、ケースバイケースなのが答えだったりすると思うので、はっきりとした答えはないと思う質問だったかと思います。
しかし、そうは言っても何かしらの答えを提示したいという意図で考えている様子がとても真摯にこの質問に対している感じで、その点が非常によかったです。
まとめ
今回は久々のオフラインの勉強会で、参加自体も久々ではありましたが、参加してよかったと思います。
オンラインの勉強会が悪いということではないんですが、オフラインのよさを再確認できました。
個人的に感じたのは、「テーマへの継続的な集中」で、実際に席に座ってその話を集中して聞くことという物理的な制約によって、テーマに集中できるのがいい感じでした。
オンラインだとついつい意識が散漫になりがちなので、個人的にはオフラインのほうがテーマに集中できていい感じです。
コロナの影響はまだありますが、オフラインのイベントは今後も増えていくと思うので、積極的にでていこうと思います。
登壇いただいた皆さん、企画と運営をされた皆さん、ありがとうございました。