第20回リクリセミナー「Webディレクターの頭の中」 に参加してきました。

Publish2014/10/27(月)

2014/10/25(土)に中央会計セミナールームで行われた第20回リクリセミナー「Webディレクターの頭の中」に参加してきました。
このブログでも何度か書いてますが、僕はこの「リクリ」というイベントが非常に好きです。
全体の構成や空気感、会場内の雰囲気とかが他のセミナーとかとは違うレベルで、とても楽しくかつ勉強になるのでできる限り参加しているわけですが、例に漏れず今回も最高でした。

各セッションを聞いて思った事

セッション内容の細かい部分は置いておいて、その話を聞いてなるほどなと思った部分や、こういう事を考えていたという事を書いておきます。
はじめに一応書いておきますが、これから書く事は全て僕の主観です。
登壇された方がそういう意味で言ってないだろうと思う部分も僕の解釈で書いてるので、それは違うだろうというご意見がある場合は僕に対して言ってください。

自分のこれからについて語るときに僕の語ること -Webディレクターのための弁証法入門-

まずはTAMの加藤さんのセッションからスタートです。
加藤さんの話は「卵が先か鶏が先か」からはじまるぐるぐるのお話です。
これは聞いてないと分かりませんが、話の大筋としては「自分や周りを次のステップに成長させるための考え方」でした。
加藤さんが行っているフィールドワークで見つけた古書「リンゴはなぜ木の上になるか―生物進化の旅」の話を元に、生物の進化と成長のスパイラル、成長を加速させる外的要因の話などを織り交ぜてお話ししていただきました。
今回はディレクター向けのセミナーだったのですが、最初に技術とかあるあるの話ではなく概念的な話が来たのすごくスッとセミナーで話を聴くモードになったように思います。
こういうお話は個人的にもすごく好きな部類の話なので、ここでいい感じのテンションに持っていってもらった感があります。
加藤さんの話を聞いてとても気になったので、早速書籍も購入しました。
届くのが楽しみです。
リンゴはなぜ木の上になるか―生物進化の旅

後進の育成のためにディレクターがすべきこと

2番目のセッションはリクリにも何度か出演されている森田雄さんのセッションです。
ディレクターというよりは、上司と部下がどのような形で付き合う事で成長していくのかという部分に関してのお話でした。
教える側が教えられる側に対して、その状況にあった形で接し方を変える「シチュエーショナルリーダーシップ」の話はとても面白くて、確かにそうだなとうんうんと話を聞いていました。
今は僕は一人でやっているようなものなので、誰かに教えるフェーズというのはないわけですが、ここから先にそういう事があったらまずこのお話を思い出してみる必要があるなと思った話でした。
最後の部分で最終的には会社の形に任せて「よい案配で」となって落とした形になってましたけど、これってすごく重要な事だと思ってはいます。
会社によって形が違って当然だし、決まった形にする意味もない事はこの話を聞いてたら分かる事だと思いますし。
なんにせよ、とても考えさせられるよいお話が聞けました。

ディレクターが身につけておきたいチームビルディング

香川でディレクターをされている山田さんのセッションは、「チーム」での取り組みとコミュニケーションの話でした。
普段チームとして活動されている山田さんならではの、実体験に基づく話はとても分かりやすかったですし、リアリティがあって説得力もありました。
僕は普段チームで動く事はほぼないので、参考にする部分は難しいかなとか最初思ってましたけど、クライアントさんを含めてチームという考え方だったので、「なるほど、それなら今僕のしてる仕事もチームでしている事に違いはないやん」と、一人で勝手に目から鱗してました。
話の全体からいえる事は、「配慮」「やさしさ」「思いやり」といった人のいい面を伸ばしていく考え方でした。
その辺は今の自分に足りてないなと思う部分だったので、これを機に直していこうと思います。
あと、山田さんのおはなしで終始キーワードになっていたなと思う「この人のためにやりたい」という部分は、仕事をしていく上で一番重要な部分だと思うんです。
そういう風に思われる人に私はなりたい。

兼業主夫がディレクターさんと上手に付き合う方法

岡山から来られた山川さんのお話は「受注側」としてディレクターさんと付き合うという、今の僕の形と近い部分があってすごく共感できる部分が多い、とても楽しい内容のセッションでした。
セッション後半の兼業主夫のくだりとかは、僕は料理はしない(できないと言った方が正しい)ですけどスタンスとしては似ていてすごく共感できました。
中でも「仕事に割く力を7割くらいで押さえておく」という部分は、僕も常日頃から意識している部分だったので、同じように考えている人がいるのは単純にうれしかったですね。
不測の事態に対応できる余力を残しておくのは、個人でやるという事を考えると外せない考え方だと思います。
あと、話がすごくうまくて面白かったので、内容も合わさって今回のリクリの中で一番笑いが多かったセッションでした。
山川さん自身の魅力が溢れ出る素晴らしいセッションでした。
まずはピーラーから使いこなせるようになろうと思います(笑)

サービス業から学んだコミュニケーションのコツ

大阪の勉強会などでよくお会いする機会のある正木さんのセッションは、何気に聞くのがはじめてだったんですがいい意味で思った通りの感じですごく楽しく聞く事ができました。
普段から正木さんはとてもよく周りの事を見られているという印象でしたが、実際は僕が思っている以上に周りの事をよく見られているんだなという事が分かりました。
話す相手の行動や仕草からその人の志向や行動パターンを予測するとか、そういう事を言葉で表現できるというのは本当によく見ていないといえない事なので、お世辞とかじゃなくて本心から思うんですよね、すごいなと。
僕はまだまだその辺が甘いなと思いますし、この話を聞いた事でちょっとこれからどうしようと若干心が折れそうなくらいショックではあります。
という事で、今回聞いた話の中では個人的には一番「これから先の自分の課題」を突きつけられたセッションでした。

私を迷走させたディレクターの言葉

大阪の勉強会などでよくお会いする機会のある坂本さんのセッションも、何気にはじめて聞きました。
まず思ったのは、スライドがすごくかわいいという事。
話ももちろん面白かったですけど、スライドのかわいさと配色が素晴らしいなという事が印象的でした。
見た目は気になりますし、やっぱり重要です。
話としては、「あるある話」だったんですが、この「どこかで聞いた事ある感」はすごくよくわかる感じです。
というのも、過去に自分自身が同じような事を経験しているというだけの話なんですけど。
その時の事を思い出して、「あの時こうしとけばよかったかも」とちょっと自分の世界に入りそうになってしまったくらいです(笑)
ただ、思っていたのはたぶんこのセッションでいいたかった事はそこじゃないんだろうなという点です。
話の方向性としては山田さんのセッションと同じで、コミュニケーションの問題だと思うんですよね。
そういう事を考えると、やはり「人と人」で仕事をしているという基本的かつ根本的な部分は大切にしないといけないかなと改めて思いなおすきっかけとなるセッションでした。

なぜわたくしの参加するプロジェクトは炎上するのか

山川さん、正木さん、坂本さんの3つのショートセッションは裏テーマが「炎上」だったんですが、藤田さんのセッションはまさに「炎上とはなんたるか」というようなセッションでした。
中でも忘れられないのは、「そうだ、燃やそう」という発想の転換というか新しい境地ともいえる潔さです。
多少ややこしくなったんなら、いっその事燃やしてしまって残った燃えカスにこそ本質があるという考えは、勇気がいりすぎる決断ですが、でもすごく重要でやらないといけない部分なんじゃないかと思っています。
話の途中でもあったように、失敗するパターンの「サイトだけしか見てない状態」というのは、よくあるというかほとんどがそうなんじゃないかというくらいよくある話です。
そして、その状態を脱するためには関係者全員がもう一段階深いレベルで事業全体の中でのサイトの役割と目的を明確にする必要があり、そのきっかけになるのであればいっその事燃やしちゃえばいいと思うんです。
まあすごくというか、ものすごく勇気がいりますけど、本当にいいものを作って成果を出したいのであれば必要なフェーズなのかも知れません。
勇気も持って「あえて燃やしてみよう」くらいの気持ちと気概が必要だと、改めて思い直せる素晴らしい内容のセッションでした。

“誰がどうみてもそうとしか受け取れない文書”術

最後のセッションは、今回のリクリセミナーの目玉ともいえる120分の名村さんのセッションです。
テーマは文書の作り方と役割やそれにまつわる考え方について。
メールやチャットでのやり取りでもそうですが、「自分では当然」と思っていることを端折ったり略語を使用したりする事で、自分と当事者以外の第3者、もしくは1年後の自分が見たら理解できない文書になっている可能性を考える必要があるという前提です。
そうならないために、だれが見ても明確に理解できる文書を作成する取り組みを行う必要があるなと思います。
セッションでは、文書を作成するためのポイントや考え方、使用するツールなど実際に名村さんがされている内容を元にしたお話だったので、非常に分かりやすかったです。
話の本筋とはそれますが、名村さんのお話を聞くのは今回がはじめてでしたが、過去色々な人の話を聞いてきた中でもトップ5に入るくらい「頭にスッと」はいってくるとてもいいしゃべり方でした。
話がうまいというか、間の取り方というか、緩急の付け方とか声の大きさの変化の付け方とかがすごく自分の好きな感じだったのでものすごく集中できました。
話を戻します。
セッションの後半では、実際に名村さんの会社サイトの変更指示をメールで書くというワークショップ的な事をしました。
変更点は2つで、ロゴ画像の差し替えとフッターの年表記を変更するという内容のものです。
このテーマで、今回のお話を聞いてきた事を踏まえて指示する文書を書いてみようというものです。
名村さんはwiki記法で書いておられましたが、僕は個人的な趣向の問題もあってMarkdownで以下のように書いてみました。

# 件名
サービシンクサイト変更の依頼内容について
# 本文
いつもお世話になっております出口です。
表題の件ですが、変更箇所は以下2箇所です。
## 変更点1 グローバルナビゲーションの左上にあるロゴ画像の差し替え
対象ファイルURL
http://servithink.co.jp/imgs/logo.png
- メールに添付の画像(sample.ai)に差し替える
- サイズは調整が必要なので、HTML側の変更も行う
## 変更点2 フッターにあるコピーライトの表記変更
上記から下記に変更
- 変更前 Copyright (C) 2014 Servithink Co.,Ltd. All Rights Reserved.
- 変更後 Copyright (C) 2010-2014 Servithink Co.,Ltd. All Rights Reserved.

ポイントとしては、
1.変更箇所を明確にする(対象URLや対象ファイル名の記載)
2.変更に当たっての注意すべき点の記載
3.曖昧な表記を避けて具体的に書く
といったところです。
終わったら隣の人と見せ合って感想を言い合ったんですが、大きくみんなが違うというところはないとはいえそれぞれで言い方が違っていたりする点などもあったりして「他の人だとこうなるのか」というのが分かった点はよかったと思います。

まとめ

当日は13時半から19時くらいまでかなりがっつり話を聞いたんですが、その時間を感じる事がないくらいあっという間に終わってしまったという感じがします。
時間がたっているという事を忘れるくらい、集中して話を聞く事ができました。
ずっと座りっぱなしだったのでさすがに腰とお尻は痛くなりましたけど(笑)
あと、今回は自分の中でも新しい挑戦として「最前列でかぶり付きで聞く」という自分ルールで参加してみたんですが、これがけっこうよかったです。
最初は慣れない事をして少し居心地が悪かったり、誰もいなくてボッチぽつねんだったので心を消耗しましたが、始まってみたら
・遮るものがなく話が聞けて集中できる
・最前列なので足を伸ばしたりできる空間的なゆとりがある
・スライドの文字(というか大きく見せたくないだろう埋め込まれている実際のデータ)がはっきり見える
・登壇者の表情の微妙な変化の様子を見る事ができる(どこがポイントなのかを強調している時など)
といった最前列ならではのポイントがありました。
最前列は遠慮と恥ずかしさで避けてきた部分もありますが、これはこれでちょっと面白いのでしばらく最前列で聞いてみるようにしようかなとも思いました。

ぽつねん:ひとりだけで何もせず寂しそうにしているさま。「―としてひとりたたずむ」

懇親会でも、色々と楽しい話が聞けて次にアレしようというアイデアも閃いたので、それを活かそうと思いますし、何よりも楽しくお酒を飲めたのでそれに勝るものはないかなと。
かなり充実した時間を過ごせてとても幸せです。
Twitterのハッシュタグは、「#resem20」です。
主催の小山さん、お話を聞かせていただいた登壇者の皆さん、イベントスタッフのみなさん、参加していた皆さんありがとうございました!

記事の著者:ふにすでぐち

ふにすでぐち

1978年生まれ。企業のWeb活用をテーマに、Web運用を中心とした戦略的な企画立案、サポートやホームページ/Webサイトの構築などを行っています。
5年間のWeb制作会社勤務後、2年間のフリーランスで「フニス」として活動後に法人化し、2012年7月「ふにす株式会社」を設立。
Web運用の情報や考え方などを発信するブログ「ふにろぐ」を定期的に更新し、情報配信をしています。
また、Googleアナリティクス認定資格を取得しているので、アクセス解析を用いた分析などの手法でお客様のホームページの成功をサポートしています。
本社のある大阪府高槻市で「ふにすWeb相談所」を開設し、
地域の方々に気軽にWebのことを相談できる場所として、より多くのWeb運用の問題解決をするために活動しています。
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