ライフネット生命出口CEOのお話を聞いて思うこと。
Publish2014/03/24(月)
2014年3月20日に行われた起業成功塾でライフネット生命の出口さんのお話を聞いてきました。
出口さんのお話を聞くのは2回目なんですが、すでに聞いていた内容でも改めて考えさせられることもあり、とても刺激的でした。
書いている段階で気づいたんですが、今回は動画の公開もないということなので、どのような話をされたのかという部分についてではなくて、聞いたことで自分で考えたことを書こうと思います。
補足:今回の記事は内容的にかなり幅広いので、本当は記事を分割しようかと思いました。
しかし、あえて全部言わないと何となく収まりがつかない感じになりそうなので、長文になりますが1つにまとめることにします。
というわけで、長いので注意してください(笑)
長くなるので目次です。
自分がしたいこと。原点を忘れないように
出口さんがまず最初にお話ししていたのが「世界経営計画のサブシステム」のお話しでした。
かいつまんでいうと「世界をどう変えたいか、そのためには自分が何をするのか」というお話しです。
ここの話は前回も聞いていたので、その時のことも思い出しながら自分のやりたいことやその為にすべきことはなんなのかを改めて考え直しました。
最近では、自分が好きなWebの世界の楽しさや便利さを広げてもらうために、サイトの運用をサポートする方向でがんばっているわけですが、次のステップについてもそろそろ考える必要があるなと思うんです。
そういう意味でも、このタイミングでこの話を聞けたのはけっこう大きな収穫でした。
分析と対策。事象の捉え方
物事の結果を計る時に、一方向からのみではなく縦軸と横軸で考える重要性についても考えさせられる話でした。
例として夫婦別姓の事を話されてましたが、人類の歴史にさかのぼってまで考えると人は「自分が見てきた結果」で判断してしまいがちだなと思うのです。
人類という種族という単位で考えれば、そういう制度を整えたのは近年になってからで、元々は違っていたというのも見方の一つとして面白いと思います。
また、その縦の見方だけではなく横、つまり世界を視野に入れて考えると他の国ではどうなっているのかという視点で考える事もできる訳で、より広い視点で物事を判断する事ができる訳です。
もちろんそれが正しいかどうかとか、そうするべきかどうかとは別の話です。
あくまで判断をする上での基準としてのものの見方という事が重要です。
そして、その結果は数字に置き換えて考える事でより正確さを増すという部分も非常に納得できました。
自分の主観という感情ではなく、数字という形でデータ化する事でより客観的に物事の本質を捉える事ができるのではないでしょうか。
この、ものを判断するポイントは今後何かを考える際に非常に役に立つ考え方だと思います。
やることの線引きと種類を徹底する
出口さんは本をたくさん書いておられるのですが、そのどれも「自分が書きたい」内容の本を書いているのではなく、「書いて欲しいと頼まれた内容」の本を書いているそうです。
これは良い悪いという話ではなくて、出口さんが本を書く時のルールなんだそうです。
要は「本を書く時は自分で書きたいと思う内容の事を書くのではなく、他の方が出口さんのこんな話を聞きたいと思う内容にそって書く」というルールを決めることで、本を書くという出来事に対してより早く対応できるための方法であると僕は考えました。
仕事の内容を決める事で、迷いや悩みを感じる事なく取り組めるというのは、確かにその通りだなと考えます。やはり線引きは重要です。
出口さんのように普段どう考えても忙しい人が、限りある時間をより有効に使うためには「やらない事」を決めるのは非常に重要な事ですね。
本と同じで、TwitterやFacebookなどのソーシャルも「空き時間」のみにしているそうです。
これも隙間時間をより有効に活用するというだけではなく、その他の時間を有効に使うための方法だと思います。
その人のライフスタイルや優先させる内容によって変わりはしますが、根本的な考え方としては非常に好感が持てる考え方で、僕は好きです。
物事の優先順位はあるので並列に考えない
よく、「××する上で大切な3つの事」みたいな書き方をする人がいて、それがいかにナンセンスであるのかという話をされてまして、これもすごく面白い視点でした。
というのも、物事には必ず優先順位があるはずで、全く同じ位置づけというのはあり得ないからというのがその理由です。
さらにいうなら、3つともが仮に全て同じであると考えているのであれば、それは思考停止しているのも同然で、何も考えていない事に等しいわけです。
そんなあやふやな基準でうまくいくはずがないし、そんな考え方はさっさとやめた方がいいですね。
言葉の力というのは強力なだけに少し厄介で、時に自分の意識を無意識に違う方法に誘導させられる事があります。
「××する上で大切な3つの事」みたいのは典型的なそれで、それをしておけば安全って考えがちですし、それで知らぬ間に思考停止する可能性もあるわけです。
こういう「簡単に結果が出そうな甘言」には、注意しておく必要があります。
それを改めて考えました。
予測できない事態への対応
今回のお話の中で一番僕が面白いなと思った言葉は「技術で結果が出せなかったのなら、技術で倍返しすればいい」という言葉でした。
これは、出口さんが創業時には全く考えていなかった、予測できなかった2つの事のうちの1つである「スマートフォンの普及」について話されていた時に出てきた言葉です。
創業時には一般的ではなかったスマートフォンが普及し、その影響が企業の成長にも影響を与えている事、つまり人の生活習慣の変化という予測しづらい変化にも柔軟に対応する必要性があるというお話でした。
例として、今の人類がなぜ生き残ってのかという事を話されていました。
ホモサピエンスだけではなく、ネアンデルタールとかその他の類人猿もいてその中で我々の祖先が生き残ってこられたのは「変化に適応した事と運」だという話が非常に面白かったです。
そのときそのタイミングで、たまたまいた場所がよくてその変化に適応できる用意ができていたという偶然と必然の話はやはり面白いです。
これは今の時代にもいえることで、やはりうまくいくのには変化に対応できるだけの準備とスキルを持っていて、変化のタイミングを逃さずそのタイミングで変化に適応するものだけが生き残れるという、実にシンプルな部分が素晴らしいと思うのです。
最近は本当にこう思う事が多くて、僕の尊敬する方々もその重要性を示してくれています。
ということであれば、いつか来るその変化の時に備えて柔軟に対応できる用意をしなければと思うのでした。
発信し続ける重要性
最後に、出口さんが言っておられた「発信し続けなければ忘れられる」という言葉で今回の記事を締めたいと思います。
僕も最近ブログを書き続けているのはこれが理由の一つだったりするのですが、人というのはけっこう自分の事を中心に考える生き物です。
それは当然の事で全く悪くないのですが、それは要するにその「自分」から見られるエリアで何も動きが目に入らなければ、その人からすると「いない」ことと同じになっていくという事だと思います。
いないと同じになっているという事は、「あの事はあの人だったら知ってそう」とか「あの人に聞いてみよう」という選択肢から外れる事と同じです。
要は「最近あの人見てないなー」って思ってもらえているうちはいいですが、そのうちその事すら忘れられるようになるという事だと思うのです。
友達関係とかであれば、その辺のリカバリはきくと思うんですけどそうでない場合は取り返しはつかないので、やはり「忘れられる前にしっかりと自分の活動や考えを外に出していく」事が必要です。
ブログは、そのためにもすごく重要な役割を果たしていると僕は思います。
といった感じで、色々考える事もあり非常に長い記事になりました。
短くまとめるつもりもなかったので、こうやって駄文をだらだら書くのですが、こういう駄文というかの脳内の垂れ流しのような記事も自分がものを考える際の流れに似ているので、僕という人間がどういう風に考えているのかを知っていただけるかなといい風に解釈しておきます。
余談
ちなみに出口さんのお話は、とても面白いのと考えるきっかけがいっぱいあって素晴らしいのですが、必要以上になんだか面白く思うので少し考えてみました。
理由としては、出口さんは同じ名字なので勝手に親近感を覚えていて、それで余計に色々と思うところがあることに気づきました。
話を聞く前段階で壁がなくなった状態で話が聞けるので、心にすっと入ってくるというか何でも素直に受け入れることが出来るというか、そういう不思議な感覚です。
そして思ったんですが、やはり人の話を聞くときにはできる限り心をオープンにして聞いた状態の方がいいのではないのかなと思うのです。
弊害も色々考えられますが、聞く段階ではきちんと聞いて、あとで自分の頭で考えればいいのではないかなと。
冷静になったときに、それでも心が揺さぶられるのであれば、たぶんそれが本当の気持ちですし。
より多くのことを吸収するのに、猜疑心や不要なプライドはいらないですね。