青森ITワーク調査モニターツアー参加レポートDay2。検証「恐山でノマドワークは可能か?」
Publish2015/10/16(金)
昨日に引き続き、青森ITワーク調査モニターツアーの2日目のレポートです。
昨日は色々なところで仕事ができるかどうかという実験を兼ねて、恐山で仕事ができるかどうかを確かめてきました。
釣り記事っぽく言うと「恐山でノマドワークするための◯つの方法」とかタイトルが浮かびましたが、やめておきます(笑)
日本三大霊場の一つ「恐山」
恐山のことを知らない方はいないかと思いますが、念のために説明しておきます。
恐山は日本三大霊場の一つとして有名な霊場で、イタコの存在でよく知られているかと思います。
wikiによる説明は以下のような感じ。
恐山(おそれざん、おそれやま)は、下北半島の中央部に位置する外輪山、霊場である。また、霊場内に数種類の温泉が湧き、湯治場としても利用されている。下北半島国定公園に指定されている。最高峰は、標高879mの釜臥山。
下北半島というと、本州最北端の半島で、青森県の地図でいうまさかりの部分になります。
この感じだけでもわかると思いますが、実際に行くとその遠さがわかります。
具体的に書くと、今ツアーで宿泊している弘前からだと、なんと車で片道4時間かかります。
往復でいうと8時間。しんどいですね。
ちなみに遠いこともあってか、恐山には宿坊もあります。
いきなり結果。恐山では仕事はできない。
もったいぶっても仕方ないのでいきなり結果ですが、恐山でノマドワークをしようという試みはやめておいたほうがいいです。
というか、やりたくてもできません。
その理由は以下に挙げておきます。
恐山で仕事ができない理由
- 電波が入らない
- 硫黄の匂いがすごくて集中できないと思う
- 機器への影響が懸念される
- そもそも、遠すぎる
それぞれ個別に書きましょう。書かなくてもわかると思いますが(笑)
電波が入らない
まず一番大きな影響は、電波が入らないという物理的な理由です。
恐山は霊場ということもありますし、外界と隔絶された場所にあります。
周辺を山に囲まれた外輪山なので、地理的にも電波が入りづらい状況にありますし、そもそも電波を飛ばそうという考え自体もないと思います。
僕らのようなネットさえつながればどこでも仕事ができるという場合でも、ネットにつなぐことさえできない時点で仕事はできません。
連絡を取ることもできませんし、ずっとそこにいることも難しいわけですし。
唯一できそうな事といえば、オフラインでできる執筆などの活動になるかと思います。
電波が入らないという事は、逆に考えると集中して執筆できるという事も考える事ができるわけですし。
でも、それも難しいのが次の理由です。
硫黄の匂いがすごくて集中できないと思う
恐山に到着してまず気付くのは、その匂い。
あたり一面に立ち込める硫黄の匂いはかなり強烈です。
恐山ではそこかしこで火山性ガスが噴出していて、その影響で硫黄の匂いがすごいので、多分集中できません。
あの匂いの中で集中して作業するという事はどう考えても現実的ではないですね。
機器への影響が懸念される
火山性のガスと硫黄の影響だと思いますが、恐山の中にある金属は黒く変色しています。
どう考えても硫黄と鉄が科学変化を起こして硫化鉄になっているんだと思うんですが、パソコンのような精密機器がその環境下でどのような影響を受けるのかが未知数です。
仕事道具が壊れたら仕事どころではないわけですし、やっぱりやめといたほうがいいなと思いますね。
そもそも、遠すぎる
そして、最大の理由はなんといっても移動にかかる時間です。
弘前から車で4時間とかかけてまで、恐山に行ってあえて仕事をするというのは、どう考えても効率が悪すぎます。
麓のむつ市とかだと、普通に電波も入っているし、カフェなんかもあったので、するとしたらそういうところのほうが無難でしょう。
あの距離移動をして仕事をするメリットは、どう考えてもないです(笑)
霊場なので仕事をするところではない
あと、根本的なところではありますが、恐山は霊場です。
これまでに亡くなった方への配慮とか、TPOとか考えたら普通にそこで仕事をするというのは不謹慎ではないかなと思います。
ただ、霊場とはいえ温泉があったり宿坊が用意されたりという事もあるので、ある程度観光的な要素もあります。
でも、基本的にはああいう場所でふざけた行為をするというのはいただけないかと思います。
こうやって記事を書いてますが、実際に僕も恐山に行って仕事をしようとかは思ってませんでした。
実際はむつ市とか、途中のコンビニの駐車場とかで仕事をしながら向かっていたくらいです。
余談ですが、青森の市街地だと電波状況はかなり良好です。
移動中に何度か道の駅の駐車場などで仕事をしていましたが、ストレスなく仕事ができました。
また、たまたまあるプロジェクトの打ち合わせをチャットワークライブとスカイプ通話で行っていたんですが、それも途切れる事なくできたので、通信環境を自前で持っておけば青森自体でノマドワークをするという事は可能です。
あとは電源をどう確保するかになるかなと思います。
仕事を抜きにして行ってみた感想について
今回恐山に行ったのは、この記事を書くためとか検証をしようという事では実はなくて、本当は純粋に死ぬまでに一度は行ってみたい場所だったからなんです。
何せ移動に8時間もかかるので、その時間分仕事はできないわけです。
今回は、ツアーの日程的に余裕があるという事と、前日にあらかじめその日の分の仕事を終わらせておいたこと、次の日はご迷惑をおかけした部分を取り戻すためにがっつり仕事に集中するということがあってできたような感じです。
結構無理して頑張りましたが、やっぱり行ってよかったというのが感想です。
あの雰囲気や景色は、実際に行くとその存在感に圧倒されます。
当日は天気も良くて、雲の切れ目から光がさすところなどは、かなり神々しくて忘れる事ができません。
移動にすごく時間がかかるので、地元の人でも行った事がない方も大勢いるようですし、県外から来た方はなおさらある程度の覚悟がないと行く事も難しいです。
でも、それをもってしても行ってよかったと思える場所でした。
もう一回行くかと聞かれるとそれは微妙ですが(本当にしんどかったので…)、一度は行ってみるといい場所だとは思います。
大変なので気軽におすすめできないですが…。
最後に今回撮影した写真を何枚か載せておきます。
なんとなくどういう感じか雰囲気は感じてもらえるかと思います。
恐山に入る手前には、有名な冷水があります。
特筆すべきは、「冷水」というバス停がある事。
駐車できるスペースもあります。
実際の冷水はこんな感じで流れているので、柄杓ですくって飲めます。
飲んでみましたが冷たくて美味しい水でした。
でも、生水なのでお腹を壊す人もいるそうですので、注意が必要です。
入り口手前には三途の川があります。
三途の川を渡って恐山に入るわけですね。
恐山の隣には宇曽利湖という湖がありますが、流れ出た硫黄が溶け込んでいるため臭いです。
が、色はおかしいくらい青い。
この写真は一切加工してないんですが、本当にこの色です。
不気味にきれいですね。
駐車場の横には六大地蔵がいます。
手前には恐山のシンボルでもある風車が並んでいます。
風車は輪廻転生のシンボルらしくて、至る所にあります。
入山券を500円で購入し、総門から中に入ります。
目の前に広がる景色がこの世のものとは思えない世界観がすごいです。
水場の近くには亀がいました。
亀は万年というくらいなので、長寿の象徴ですし、水とも関係あるのでそこにあるのでしょうか。
本堂でお参りをしたあとは、順路に沿って地獄と極楽を巡ります。
当日はすごく天気も良くて気持ちのいい感じだったんですが、雲の切れ目から光がさす光景があの場所の特別感を増していたような気がします。
宇曽利湖の先には釜臥山が見えます。
雄大な自然の景色に圧倒されます。
恐山では至る所で火山性ガスが発生しているので、このような注意書きがそこかしこにあります。
湖の付近は地獄ではなく極楽浜と呼ばれています。
賽の河原とも呼ばれるようですが、きれいすぎて怖いです。
あと、写真では伝わりませんが砂の一粒一粒が小さくてキラキラしています。
天国から地獄へ逆戻り
関西の人が見ると多分面白い「どうや地獄」。
修羅王地獄付近は立ち入り禁止エリアです。
危険だということがすごくわかります。
境内には撮影スポットがあります。
ガスはこんな感じで、あちこちで吹き上がっています。
このガスがすごい臭い。
今回は奥の院に最後に回りました。
山道が結構急で、どのくらいかかるか心配でしたがすぐに到着しました。
参道から全体を見るとこんな感じです。
建物も景色もとてもきれいでした。
恐山に行くのはかなり大変でしたが、あの苦労をしてでも行ってよかったと思っています。