第10回デザインマーケティングカフェ 『テクノロジーと感性が融合する-デザイン経営とデザインの未来-』に参加してきました。
Publish2017/10/10(火)
2017年10月6日(金)に東京ミッドタウン Design Hubにあるインターナショナル・デザインリエゾンセンターで行われた「第10回デザインマーケティングカフェ テクノロジーと感性が融合する-デザイン経営とデザインの未来- 」に参加してきました。
このセミナーイベントに参加した目的としては、先日公開されて話題になったFrancfrancのデザインガイドラインの話が聞けるということがメインの目的です。
実際に作った人だけではなく、Francfrancの代表の髙島さんもこられるということなので、デザインと経営についてのやり取りも聞けるであろう珍しい機会だなと思ったのも理由としては大きいです。
Francfrancといえば、デザインを経営の重要な位置付けとしておいている企業としても有名で、今回公開されているデザインガイドラインも非常に面白い取り組みで、国内ではこういう形でデザインガイドラインを公開している企業は稀ですので、そこの話も聞けるだろうと思い、楽しみにしていました。
あと、僕は普段大阪を中心に活動しているので、たまに違う地域のイベントを体感しておかないと、他の地域では今どのような空気感になっているのかがわからなくなるのでリハビリの意味もありまして参加してきました。
では本編。内容よりも感想が多めですが、ご理解ください。
経営資源としてのブランドの活用 -製品戦略と心理学の立場から-
最初のセッションは、ソニーの小俣さんによるブランドについてのお話でした。
まず最初に、小俣さんの経歴の部分から話は始まったわけですが、小俣さんの専門分野は心理学で、しかも実験心理学ということでした。
ブランドの話は、つい先日別のセミナーでも話を聞いていたのですが、今回の話ではそのブランドの話を心理学の切り口からの視点で聞くことができたのが非常に心に残りました。
先日ブログでも書いた「ブランドエクイティ」の話も出てきて、やはりブランディングが企業に与える影響は大きく、欠かせない存在だなと再認識したのと同時に、内在的なものとして存在しているブランドエクイティを心理学を活用して企業が理想とする方向に誘導していくような形というのは相性がいいだろうなとかを考えていました。
セッション自体は、さすがに学者肌の小俣さんなので、すごく論理的な構成で非常にわかりやすく話が聞けました。
「Francfrancらしい」未来をデザイン経営で切り拓く
次のセッションは、株式会社Francfranc代表取締役の髙島さんのセッションです。
Francfrancみたいな東証一部上場企業で従業員が何千人規模の会社の社長の話はまず面白くないはずはないので、楽しみにしていましたがやはり内容としては面白いものがありました。
中でも心に響いたのが「我々は飽きられないように常に変化、進化し続けなければならない」という言葉で、その実践として商品の入れ替えスピードや店舗の内装の変更、今回のデザインガイドラインの公開のような新しい取り組みまで、全てをスピーディーに対応していく姿勢はすごく勉強になりました。
あとは、内容としては知っている内容だったり、普遍的な内容だったりするものもありましたが、言葉にして発しているのが髙島さんなので、その説得力がすごいなと感じました。
これは懇親会の時にも話していたんですけど、同じ内容を話すのでも、何かをなしたり実践している人が話す言葉と、単に知識だけで話しているだけの人とでは、言葉の重みが違います。
僕は従業員がどうとか上場がどうとかには一切興味もない人間ではありますが、発する言葉に対する重みとか説得力とかには興味はあるので、実行し実践していくことで言葉に重みができるようにしていこうと思いました。
まさにこうやって思うこと自体がブランドエクイティな訳で、ブランドエクイティが高まれば発言に説得力が増すわけで、非常に面白いですね。
話の内容以外で、こういう風にモチベーションが上がったことも今回参加してよかったなと思う点でした。
クロストーク/登壇者+参加者によるディスカッション
2つのセッション終了後は、クロストークとしてFrancfrancのデザインガイドラインについて、セッションをされたお二方と制作された方々、広報の方がお話しされました。
デザインガイドラインを作る際のエピソードや、作る際に気をつけていたことなど、表には見えてこない現場の声が聞けて非常に面白い内容でした。
一つエピソードを紹介すると、デザインガイドラインのトップでのアニメーションの表示速度の話が面白かったです。
アニメーションするスピードが、当初は現在のものよりもだいぶ早く「今風にシュッ」と出てくる感じだったそうなんですが、「きちんと見てもらえるもの」という視点からアニメーションのスピードをゆっくりに変更することになったようです。
ただ、その際に「ゆっくり」と言っても具体的にどのくらいなのかがわかりづらいのと、環境や端末によってスピードが異なるので、開発側の画面での動画を撮影し、基準となるスピードの認識をすり合わせてから調整したという話が面白かったです。
こういう感じで前提条件をきちんと定義し、ふわっとしたニュアンスを現実的に落とし込んでいくプロセスは面白いですね。
余談
こんな感じで、非常に勉強になるのと同時に、刺激を受けることの多いセミナーでした。
会場も綺麗で、ケータリングも素晴らしく、軽く飲みながら話も聞けるリラックスした感じというのも新鮮でした。
今回は懇親会にも参加してきましたが、参加されている方が非常にユニークな方も多く、懇親会でも濃い内容のお話が聞けて非常に楽しかったです。
個人的には最後にプリキュアの関係者の方とお話ができたことがすごく楽しかったですが(笑)
開催場所が東京なので頻繁には行けませんが、次回も興味がある内容だったら足を運ぼうと思います。