CSS Nite in KOBE, Vol.5 なんとなくから根拠のあるデザインへ 〜 人の行動をデザインするためのコンテンツ設計 参加レポート
Publish2015/01/26(月)
2015年1月24日(土)にplug078 コワーキングスペースで行われたCSS Nite in KOBE, Vol.5に参加してきました。
このイベントは長谷川恭久さんが講師で3時間みっちり勉強できるというだけでも、自分的には参加しないわけがないという自分得イベントだったので迷わず参加してきました。
当日の雰囲気はTwitterのハッシュタグ「#cssnitekobe05」で追えます。
参加してもちろん大満足でして、詳しくはこれから書きますが話の内容としてはやはりお客さん側の人達にも聞いてほしい内容だったなと思っています。
参加者層が制作よりなので内容としては制作よりのアプローチになったのは当然なんですが、やっぱりこういう事っていうのは双方の理解があってこそだと思うので、クライアント的な視点で参加してくれる人が増えるといいなと思いました。
とはいえ、まずは自分に出来る事からはじめようと思いますし、その一歩としてまずはブログに書くしかないでしょう。やるしかない!
ちなみに、この記事は今回のセミナーで僕が感じた事を書き綴っているだけなので、長谷川恭久さんがこう言ったという事ではありませんので、その点は予めご了承ください。
問題が何なのかという事を理解する
まずは前提部分から考え直してみましょうという話です。
そもそも「いいコンテンツ」ってなんだろう?その定義や視点の違いによって異なる正解とは何かを考え直してみるところからはじめるというのがとてもいい感じでした。
僕は基本的にこの「そもそも」を考えるのが好きな人でもあるので余計そうなのかもしれませんが。
実例として実際にあるとある施設の特定のコンテンツについて実際に探して考えたんですが、これがすごくよかったです。
実際に使う事で本当の意味での「ユーザー視点」を再確認する事になりますし、実際に利用者としてここが困るといった具体的な点も把握できるというのがいいです。
配信側の思っている「十分」とユーザー側の「必要」はほぼ一致しないという事は多くの例で具現化している問題ですが、その溝を埋める作業としても実際に使ってみるという事が大切だなと思いました。
ここで重要なのは「コンテンツがない」という事ではなく、「管理が出来ていない」「利用者の希望の想定が出来ていない」という事。
内容だけ用意すればいいものではなく、その内容をきちんと求められているタイミングで表示してこそ届くという事ですね。
この辺はいつも考えてやっているつもりになりがちな部分なので、もう少し突っ込んで考えるようにしないといけないなと反省しきりです。
分析をするという事の重要性
問題がどこにあるのかを考える上でユーザー視点を取り入れる事は重要ですが、それだけではなくサイト自体の問題も合わせて考える事も重要です。
例えばサイトの情報を収集して分析し、それを改善に活かすというのも一つのアプローチだと思うんです。
セミナーでは、サイトの内部要素でタイトルやdescriptionの重複の事をデータで見せられていたんですが、これは「重複しているものをきちんとした形で再構成する」パターンと「重複しているものを不要なものは削除し、同類のものや内容をたした方がよいものは適正化した上で統合する」パターンと両方あるなと思ってました。
特に、今回のお話で気になっていたのはやはり管理の手が行き届かないという現実があり、それが故に問題が発生しているという事を考えると後者を選択する事によりページ数が減り俗にいう「選択と集中」ができるようになります。
その結果更新が行き届き、問題解決に繋がるという可能性が上がるかなとか思ってました。
セミナー中にも言われていた「一貫性を保つ」という事にも繋がりますしね。
コンテンツを作るときの考え方
コンテンツを作る場合の考え方としても、「利用シーンを考える」ということ、それも配信側とユーザー側両方の視点に立って考えてみる事が必要かなと思いました。どちらか一方だけではなくて。
例えば、「今日のランチを探す。お店に求めるものは何?」とかを考えると「営業時間、今日のランチメニュー、駐車場とか交通機関とか」はユーザーからすると気になりますし必要な情報です。配信側としては「世界観」や「イメージ」といった事を伝えたいという事もあるでしょう。
その両者の視点に立つ事で、その両方でどこを妥協してどこには妥協できないかという部分を考えるだけでも、相当役に立つと思います。
今回のセミナーがコンテンツについて考えるセミナーだったので、やはりこの辺はすごく考えました。
考えたというか、話を聞いて今こうやって記事を書いていく過程で腑に落ちてくる部分の方が多いですね。
セミナーで入ってきた情報を、ブログに書く事で自分の言葉にしていく作業は楽しいいですね。
考える時に必要な予測力
考えるのは人の事だけではなく、環境の事も重要です。
その時そのタイミングで人がおかれている状況は異なるので、その点も考慮する必要があるのは当然ですよね。
例えばスマートフォン。
一昔前にはまだまだそんなに使っていないという時代もありましたが、今やそっちの方が主流ですもんね。
長い事生きてきたらそういう時代の流れも考えてしまいます。
ポケベルからPHSになって携帯電話、ガラケー、スマホと、通信端末だけでもすごいスピードで時代は移り変わってきた事を考えると当然です。
この変はこのブログでも何度も書いているので今更言う事もないのかもしれませんが、今回のセミナー中で「2年で変わる常識」「一旦常識を捨てる」という部分はものすごく納得でうんうん頷いていたかと思います。一番前で(今回もがっつり集中して機構と思って一番前の席に陣取りました)。
定量調査と定性調査
セミナーでは理由付けを行う根拠という意味でも定量調査と定性調査を行う事についても触れられていました。
必ずゴールを設定するという事の重要性、その為に具体的に「持ってもらいたいイメージは何か?」「何を知ってほしいのか?」「何に価値観を置いているか?」を考え、社内の意識や価値観を共有するという事が大切という話で、そのための根拠にはやはり分析が必要だという事だと。
カードソートやワークショップという手法を取り入れたりするとか方法は色々ありますが、その全ての前提としては「基準」が必要です。
その基準を作るためにも分析をしましょうねという事でした。
具体的なツールとして、今回GoogleAnalyticsを紹介されていましたが、ツールとしては何でもいいかなと思いますがGoogleAnalyticsは要素を視覚化できて簡単に導入できるという点で優れているというのには納得です。
分析を効率的に行うための自動化や細かいポイントの説明も非常に面白かったです。
恭久さんもおっしゃってましたが、持って帰ってすぐ実践できる部分なので、このブログでも早速一つ指標を追加してみました。
このデータを元に仮説を立てる事で考えがすっきりと分かりやすくなるかと思いますし、データに触れる時間を増やすことでより直感的に数値が頭に入ってくるようになる感じも早く実感していきたいと思います。
その為には、とりあえずでもいいので接触機会を増やして「慣れる」事が大切ですね。
今の仕事の中でいえば、取得したデータをレポートに活用する事も出来ますし、導線改善の課題の洗い出しにも役に立ちそうです。
UX的な事
今回はコンテンツの話でしたが、手法の中にはUX的な話もあって興味深く聞いてました。
今色々と動かしている事の中でペルソナとジャーニーマップをやっているという事もあって楽しく話が聞けました。
例えばペルソナに関しては「ニーズとタスクが重要で都合の良いペルソナを作らない」とかはほんとその通りだなと思いましたし、恭久さんが実際に作っているペルソナの構成要素としての4つ「動機・意図」「その解説」「シナリオ・利用シーン」「チェックポイント(かい摘んで確認する人用)」というのもすごく分かりやすい感じでした。
ジャーニーマップの「時系列で書く」「訪れる前からかく」「タッチポイントを並べる」「ペルソナへの影響度も書く」というポイントと「要素成果物に時間をかけない」という部分もすごく重要だと思っていたので、ほっとしました。
どうしてもUX関連の話でペルソナやジャーニーマップの資料を見ると完成されたもののようなイメージが先行しがちというかきれいに清書しすぎてるんじゃないかなと思ってた節はあるので、理解できる事が最優先という姿勢は好きです。
これらをひっくるめて「同意を得るためのプロセス」という風に表現されてたのも納得です。
Webcontentsのこれから
最終セッションで話されてた「これから」の話は、すごく面白くてこれもしようあれもしようという事がたくさんもらえました。
各メディア毎での露出の際のイメージの最適化のあたりとかのコンテンツの細分化の話はめっちゃ面白いなと。
シーンによってリンクの文字列とタイトルが異なったり、twittercardのOGPを用意したりといった他メディアでの露出表現の調整をするというのは今後必須になってくる部分かもしれません。
その運用を行いやすくするためのシートであったりも、関係者の意識の共有と周知徹底に役に立つと思いますので、この辺は真っ先にやっていこうかなと思っています。
恭久さんのやってきた実例での取り組み例とかも非常に興味深い内容でした。
具体的な話が聞けたというのも、満足感が高い理由だったりもします。
とりとめのないまとめ
恭久さんの話は聞きやすくてとても好きです。
話が聞きやすいので、聞く事に集中できるメリットってすごくあると思うんですよね。
話の内容よりしゃべり方とかが気になってたら意味ないですし。
そういう点で恭久さんの話は僕的にすごく楽しいです。
こうやって帰って思い出しながら色々な事を考えられるのもそういう部分があればこそだと思っています。
話の本編とは関係ありませんが、話を聞いていく中で新しいアイデアとかもでてきましたし、今取り組んでいる案件でこの考え方を入れてやってみようという具体的な部分も実は進みました。
あと、何回か聞いてるはずなのにすっかり抜け落ちていた事とかも拾い直せたので、それもすごくいい収穫でした。
結局何がいいたいのかというと、最高だったっていう事です。
終わった後の懇親会も恭久さんの隣に座ってがっつり色々な事をお話させてもらいましたし、すごく充実した一日でした。
本当に勉強になったし楽しかったし明日への活力にもなるしで、こんなに充実していいんかなと思えるくらい最高でした。
それはこの記事の文字量を見れば分かるかと思います(笑)
関わっていただいた全ての皆さんありがとうございました!