「自然 × 子供× IT」ワークショップ in 綾部でブログのことを話してきました。
Publish2016/10/25(火)
Update2020/01/30(木)
2016年10月22日(土)、23日(日)に京都府綾部市の集落「古屋」で行われた「自然 × 子供× IT」ワークショップに参加してブログのことを話してきました。
このお話はサクサクプロジェクト経由でいただいたお話で、サクサクプロジェクトが事業の一環として行っている取り組みです。
人口4人の限界集落「古屋」
今回ワークショップが行われた京都府綾部市の集落「古屋」は、いわゆる限界集落と言われる地域で、人口がなんと4人しかいません。
しかも、そのうちの3人は90歳を超えるご老人という地域です。
また、この地域も場所もかなり山奥にあり、メイン会場となった古屋公民館付近では携帯電話の電波が圏外で入りません。
最近になって、Wi-Fiが公民館に導入されたので、公民館付近ではインターネットが利用できますが、ちょっとでも離れると下界との通信手段が絶たれるというような感じの山奥の集落です。
ただ、その山奥がゆえに自然が溢れていて、空気はものすごくきれいで、空気がきれいなところにしか育たないトチの群生地があるような土地柄です。
今回はその古屋で、子供達を中心に自然の中でITを活用するワークショップが行われました。
22日はカメラ講座とトチノキの原生林の散策がメイン
まず初日は基本的に僕の出番はありませんが、せっかくなので様子を見ておきたいこともあり、最初から参加してみることにしました。
初日のメインとなるのは、スマホを使ったカメラ撮影講座とトチノキの生える原生林の散策です。
カメラ講座の開始が11時に古屋公民館に現地集合だったので、主催の方々と一緒に車に乗り合わせて古屋公民館に向かいました。
大阪からは片道2時間半ほどの距離で、そこそこ疲れましたが、まだ朝なので元気です。
公民館の前には渓流のような川があります。
水がめちゃきれいで、改めてすごいところに来ているなと実感します。
ちょっと動画も撮ってみました。
綾部/古屋の公民館前の川
古屋公民館の外観はこんな感じです。
到着が予定よりスムーズにいったのか、少し早めに着いたので軽く付近を散策しました。
石垣ファンにはたまらない趣のある石垣があり、その横の水路に心を奪われました。
すごくいい感じの石垣
すごく素敵な水路だったので、ここでも動画を撮影しました。
綾部/古屋のちょっと裏手にある水路
公民館の前では、山で拾ってきたトチの実を天日干ししています。
最初栗かなと思ったんですが、これが全部トチの実なんだそうです。
スマホを活用したカメラ講座
スマホを活用したカメラ講座では、プロカメラマンの吉山さんがスマホを使ってどうやって写真を綺麗に、楽しく撮るのかを紹介してくれました。
この内容がすごくよくて、僕も勉強になりました。
「なぜ写真をとるのか」というセクションでは、写真の用途として「記録」 「伝達」という2つの役割を意識して撮ることが大切だという話があり、めちゃくちゃわかりやすい説明でした。
それぞれの目的別に、撮る写真の意味が変わるので、ここはすごく重要なポイントですよね。
「なぜ撮ろうと思ったのか」というセクションでは、どこに心を動かされたのかを常に考えるということを学びました。
吉山さん自身もこのことは常に考え続けておられるらしく、単純なようで奥が深いなと思います。
自分自身を分析することが好きな方なので、この考え方は今後に活かせるなと思って聞いていました。
写真のポイントを紹介するセクションでは、「写真を撮るときは無意識に心の眼で見たものを撮っている」という話が印象的でした。
ここでいう心の眼というのは、視界に入っているけど入っていない状態のことで、例えばテレビを見ている時にテレビの横に置いてあるリモコンがあった場合にテレビに集中しているとリモコンは視界に入っているけどリモコンのことを見ていない状態のようなことを言います。
この状況を認識し、今自分の目に映っているものを撮ることで、写真が自分のイメージしたものになると思います。
実際のポイントとして「視野、視点、視線」を考えることを教えてもらいましたが、「視野=フレーム」「視線=アングル」「視点=面白さ」という3つのポイントも非常にわかりやすく説明していただきました。
また、光のことも考え、「順光」「逆光」「斜光」のそれぞれの場合の写真の雰囲気の変化などを実際の例で説明されていたのが面白く、興味深かったです。
強い光と弱い光の例で光の性質で印象が変わることも具体的にイメージできました。
そして最後に今回聞いてよかったなと思ったのが、「片目で見る」というポイント。
片目で見ることで、写真を実際に撮った時の感じと目でイメージを形成する時の誤差が少なくなるという部分はその後の撮影の時にも非常に役立ちました。
このカメラ講座は本当にわかりやすくて、子供達もすごく生き生きとした目で話を聞いていたので、すごくいい経験になったと思います。
トチの原生林を散策
カメラ講座終了後はトチの原生林を散策し、さっき習ったカメラの撮影技術を実践します。
入り口までは軽トラで向かい、注意点を聞いた後はいよいよ出発です。
横にある小さな川を眺めながら、ガンガン進んでいきます。
途中小さい滝が何個かあります。
最初はすごくきれいで足を止めて見ていましたが、結構な数でてくるので最後の方は結構スルーしちゃいます。
普段珍しいものでも、ありふれてくると一気に希少価値を感じなくなりますね。
かなり雰囲気のいい森です
小さい滝は無数に存在します。
森の中はきれいなコケで覆われています。
目につく巨大な岩にもびっしりとコケが。
こんな感じの山道を登ります。
山にはトチだけではなく杉などの樹木も生えています。
森の中をずんずん登っていきます。
切り株などにもコケはびっしり付いています。
倒木にもコケが生い茂り、倒木をプランダー代わりに新しい植物の新芽が出ていました。
山にはきのこも大量に生えていました。
種類が分からないので、怖くて食べられません。
写真を撮りながらどんどん森の奥に進んでいきます。
サクサクプロジェクトの発起人の深川さんも撮影に夢中。
こんな感じのきのこなので撮りたくなる気持ちもわかります。
木の生え際に生えている草や
そこらへんに生えている草も普段見慣れた雑草とは種類が違っていて面白いです。
ところどころにある川も最高です。
写真をとっては登り、登っては写真を撮るの繰り返しです。
時折赤い実をつけた植物も出てきますが、基本は緑か茶色です。
緑の代表はコケ。
横に流れる川は水が本当にきれいで透き通っています。
この水のきれいさでここがどれだけ自然に恵まれているのかわかりますね。
途中には少し大きめの滝のようなウォータースライダーのようなところがあり、「ボケて」みたいな空気が流れますが、スルーします。
木の橋を渡ると
今回行った中では最も大きいトチノキに到着。周りが開けて神々しい雰囲気に包まれます。
斜面に生えているトチノキの根っこがすごくて、生命力を感じます。
すごい根っこ
本当にめちゃくちゃ大きいトチノキ
心に残る光景です。
あまりにも素晴らしいので、また動画を撮影しました。
綾部/古屋の奥にある森の中
ここでガイドさんがトチノキについて手書きのイラストで紹介してくれました。
すごく印象的な光景
ここからさらに上に登ります。
みんな撮影に夢中です。
子供よりもおっさんが夢中になっている部分ももちろんあります。
でもその気持ちはめちゃわかります。だってこんなの見せられて撮影したくないわけがないです。
この圧倒的な存在感。
普段絶対通らないような道を進み、テンションも上がります。
きのこや
カエルや
新しい芽を見て楽しい時間が過ぎていきます。
ある程度登った後は、山の中で昼食をとります。
各々お弁当を持ってきて山の自然に囲まれながらのお昼ご飯。
これが最高に贅沢な時間の使い方でした。
僕は荷物がかさばるのもよくないし、ゴミを持ち帰りやすいようにとコンビニのおにぎりという風情も何もない昼食でしたが、ただのコンビニおにぎりがこの雰囲気で食べるとめちゃ美味しく感じます。
散策で疲れてきてお腹が空いている効果もあるかと思いますが。
そして、昼食の場所はこの地域の水源でもあるので、おいしい水を飲むこともできます。
モーモーさんにお願いして飲むというスタイルです。
山の上の方まで来ているためか、岩の大きさも結構大きいです。
ちょっと視点を変えて見上げるとこういう景色が広がります。
下を見てみるとトチの実がありました。
吉山さんたちは楽しそうに食事をしていましたのでこっそり撮影
上の方でも食事をしていて、各々自由に時間を過ごします。
僕はこの岩の下で食べました。
上に登ってみると、コケの絨毯の上にトチの実の殻が落ちていました。
それっぽく撮ってみました。
葉っぱを撮ったり
岩の隙間を覗いてみたり、小さい滝を上から覗いてみたり、普段ではできないことをしてみました。
夕食は上林鶏の焼肉
散策から戻ると、ちょっと休憩してから今度は夕食の準備です。
夕食は鉄板焼きだったんですが、食べたのが地元の上林鶏の焼肉でした。
この地鶏がめちゃ美味しい。けっこうな量を食べましたが、胃もたれはありませんでした。
子供たちは地図作りワークショップ、大人は大人の時間
夕食後は子供たちはお昼の散策を振り返っての地図作りです。
この地図作りは子供たちだけで行うので、大人は参加しないような感じになります。
ではその間大人たちは何をするのかといえば、お酒を飲んで交流です。
地元の議員さんや地域の方と焚き火を囲んでいろいろなお話ができて、すごく有意義な時間を過ごすことができました。
築350年の民家に宿泊
この日の宿泊は、築350年の古民家(今も実際に住んでいるお宅にお邪魔する形)でした。
この民家が江戸時代初期からある建物で、当時の参覲交代の際に大名が宿泊したこともある場所という、これまでにない規模の歴史を感じる建物でした。
ものすごい歴史ロマンを感じながら、ぐっすりと眠ることができました。
朝食はおにぎりとお味噌汁
翌日はお酒を飲むと早起きする僕の体が機能するので、早朝に目が覚めます。
朝はおにぎりとお味噌汁だったんですが、すでに前日に段取りが終わっているので、当日話すスライドの確認をしたり、ブログの動作確認をしたりしてすごしました。
ブログワークショップ
朝食後は、いよいよ僕のブログワークショップの時間です。
僕からするとここからが本番。長い前フリでした(笑)
当日はこんな雰囲気で話をしました。
当日話したスライドはこちら。
対象が子供で、「これからブログをはじめる」という前提なので、本当に基礎中に基礎の考え方や気をつける点などを紹介しました。
子供たちも前日の疲れが出ている子供もいたので、あまり急がずゆっくりやるように心がけました。
普段子供相手にこういう話をすることはないので、とてもいい経験になりましたし、これをきっかけに文章を書くことの楽しさに気づいてもらえると嬉しいなと思います。
最後に制作発表を行うのですが、その前にお昼ご飯のカレーを食べ、お昼休憩を挟みます。
楽しく記事を書くには心のリフレッシュも必要です。
お昼休憩にはドローンを飛ばしたりしてリラックスしつつ楽しい時間を過ごします。
ドローンを追いかける無邪気なおじさん
ドローンを飛ばす経験ができるのもいい思い出になりますね。
制作発表前には、みんな思い思いに過ごします。
熱中して記事を仕上げる子や、写真を選び直している子、疲れたので休んでいる子など、思い思いの時間を過ごし、制作発表に臨みました。
制作発表では、どういう目的で、誰に、どのような内容を伝えたかったのかということをプレゼンしてもらう形式で、全員に話をしてもらいました。
子供からすると大人たちの前で発表するということ自体が恥ずかしくもあり、緊張することだと思うんですが、みんな自分が書いたブログ記事なので、きちんと発表をしてくれたので、今回話をしてよかったなーとしみじみ思いながら聞いてました。
制作発表後は、おばあちゃんたちがふるまってくれたとち餅ぜんざいを食べて、今回のワークショップは終了しました。
まとめと感想
今回一泊二日で古屋に行って色々してきたわけですが、その全てが貴重な体験でした。
楽しめましたし、人の役にも立てた気もしますし、ものすごく充実していた2日間でした。
最後の帰りの車の中では燃え尽きて寝ちゃってましたが…。
今回こういう機会で参加できて非常によかったと思います。
またこういう機会があれば参加したいと思います。